【法律相談】外国籍の同居人と一緒の墓に入るのは可能?

【法律相談】外国籍の同居人と一緒の墓に入るのは可能?

同居の外国人女性と一緒に眠れる?

 国際結婚だったり、パートナーが外国人だったりするカップルは今やまったく珍しくないが、将来のことを考えると少々難しいのが「お墓」のこと。同居している外国籍の女性と一緒のお墓に入ることはできるのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 数年前から外国籍の女性と同居しています。そこで心配なのはお墓のこと。私が死んだら両親の眠っている墓に入ります。彼女も同じ墓に入ってもらいたいのですが、親戚の説によると、外国籍の人間は日本人の墓には入れないというのです。それは本当ですか。やはり彼女を帰化させたほうがよいですか。

【回答】
 お墓に誰の遺骨を埋蔵するかは、お墓の持ち主と墓地経営者によって決まりますが、外国人という理由だけで、お墓に入れないということはないと思います。

 お墓の利用条件は、墓地の経営者と、お墓を所有することになる人(契約者)との間の墓地利用契約で決まります。寺院の墓地であれば、そのお寺の檀家になる必要があります。その場合でも、お墓に納めることができる遺骨は、契約者の一定範囲の親族とする制限はあるかもしれませんが、その範囲であれば当該寺院の宗派の信者になり、住職の葬儀の法要を経ていれば受け入れてもらえるはず。

 それ以外の公設墓地や、お寺でも宗派や信仰の有無を問わない霊苑墓地の場合、信仰上の制約はありませんが、契約者との一定の親族関係があることを埋骨条件にしていると思います。

 被埋骨者の親族条件がある場合、正式な婚姻届を出していない同居女性であっても、実態が夫婦同然のいわゆる内縁関係であれば実質的に配偶者ですから、問題はないと思います。ただし、墓地利用契約書を確認するか、経営者に照会してください。とはいえ、外国人だからという理由で、納骨を拒否されることはないでしょう。

 もっとも、別の心配があります。先に彼女が逝った場合、あなたが契約者として彼女の遺骨をお墓に入れればよいのですが、逆だとお墓の権利を承継した人(祭祀承継者)が誰の遺骨を納めるかの決定権を持ちます。

 そこで、あなたがお墓を守ってもらいたいと考えている人を、生前に祭祀の承継者に指定し、同居女性の埋骨を頼んでおくことが必要となります。この生前の祭祀承継者の指定については、死後争われることがないよう、書面にして墓地の経営者にも届け出ておきましょう。

【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※週刊ポスト2017年8月18・25日号

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