今の教科書に「リアス式海岸」「島原の乱」はないのである

今の教科書に「リアス式海岸」「島原の乱」はないのである

「リアス式」で年齢がバレる(時事通信フォト)

 教科書の内容は時代とともに大きく変わってきた。教科書出版社最大手「東京書籍」の協力のもと、現在の「中学社会」教科書に載っている地理や歴史上の出来事などの変化を紹介しよう。

◆リアス式海岸→リアス海岸

 三陸海岸の中〜南部などで見られる複雑に入り組んだ海岸線の「リアス式海岸」。スペイン語で入り江を意味する「リア(ria)」の複数形として、英語でも「ria(s) coast」と表記されるが、「リアス」自体が入り江の地形を表わす語のため、学術的にはあえて「式」を入れないほうが適切とされた。

◆島原の乱→島原・天草一揆

 江戸時代初期、肥前国島原と肥後国天草の領民が起こした大規模な百姓一揆の「島原の乱」。実際の一揆が起こったのは島原と天草の各々の場所だったために、天草も加えた表記になった。また、キリスト教徒による反乱だけでなく、百姓一揆の性格も重視されてきたので、「乱」を「一揆」に改めた。

◆踏絵→絵踏

 江戸時代に幕府が出した禁教令で、キリスト教徒を見つけるため、キリストやマリア像の絵や銅板などを踏ませた行為は、「踏絵」ではなく「絵踏」と教えられている。踏絵はそれら踏ませた物自体を指す言葉として、はっきり教科書にも明記されるようになった。

◆縄文式土器・弥生式土器・高床式倉庫→縄文土器・弥生土器・高床倉庫

 これまで縄文式土器は「網目の文様があり黒褐色」、弥生式土器は「簡素な装飾で赤褐色」、高床式倉庫は「掘立柱を用いた高床建築」が特徴とされてきたが、さまざまな発見や研究が進むにつれ、土器や建築物のタイプ別分類が難しくなったため、「〜式」を省くように。

◆セポイの反乱→インド大反乱

 1857〜1958年にインドで起きたイギリスの植民地支配に対する民族的反抗運動を、かつては「セポイの反乱」や「シパーヒーの乱」と呼んでいた。しかし、反乱参加者の出身や身分が多岐にわたり、広くインド社会全体に広がっていたことから、平成時代の教科書より「インド大反乱」と呼ばれるようになった。

※週刊ポスト2020年4月17日号

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