女性が離婚を決めた理由 決定打は「夫との生活は損か得か」

女性が離婚を決めた理由 決定打は「夫との生活は損か得か」

最近は性格の不一致の方が離婚理由にあがりやすい(写真/GettyImages)

 子供を育てながら、突然失踪した夫を待ち続けて11年。ついに見つけ出した夫に妻は離婚届を差し出し、新しい恋人と人生をやり直そうと奮闘する。ママ友2人もそれを応援する──これは本誌・女性セブンに連載されている同名コミックが原作で、現在ドラマ化されて放送中の『恋する母たち』(TBS系)のワンシーン。

 現実でも、離婚がオープンに語られるようになった。とはいえ、実際には、“恋母”の3人のように同様の悩みを抱え、深いつながりのある間柄でなければ決定的な亀裂がなんだったか、また、準備にどのくらいの時間をかけたのかなど、いきさつや過程を表立って語り合うまでには、なかなかいかない。

 だからこそ、離婚経験者の本音を知ることは、結婚生活を継続するうえでも、離婚問題に直面した場合にも有益だ。女性セブンが実施した離婚経験者200人へのアンケートには、学ぶべき意見が多く寄せられた。

 夫への不満は数あれど、離婚の「一番」の原因として最も多かったのは「性格の不一致」だ。2位の「配偶者の不貞」とは、ダブルスコアをつけるダントツで、全体の約3割を占める。夫婦問題研究家の岡野あつこさんが分析する。

「浮気、DV、借金、性格の不一致は、いつの時代も普遍的な離婚の原因でした。とはいえ夫婦にとって、ここまで共通の価値観が重要視されるようになったのは、ここ10年のことです」

 34年前には「亭主元気で留守がいい」というキャッチフレーズが流行語になるほど、多少性格が合わなくとも、浮気や暴力、借金といったよっぽどのトラブルがなければ目をつぶってやり過ごすことが正解とされていた感もある。女性の社会進出に伴い、「気が合わないなら、離婚してもいい」という風潮が生まれ、2011年の東日本大震災がそれを後押しする結果になった。

「当時、被災の影響で倒産する企業が続出し、原発問題で日本中が揺れる中で“いまこそ家族の一致団結が大切だ”というムードが高まった。“意見が合わなかったり価値観が違う人とは、困難な状況を乗り越えられない”とストレスをためる人が多くなりました。奇しくもその状況はいまのコロナ禍と一致します。今後も“性格の不一致”によって別れを選ぶ夫婦は増えるのではないでしょうか」(岡野さん・以下同)

 しかし不一致と一口に言っても、その内容は千差万別だ。

「“どうでもいい”という口癖に耐えられなくなった」(40才)、「なんでもすぐに悩むくせに解決するために行動しない内弁慶」(37才)など、日々の言動からにじみ出る性格への小さな違和感が積み重なり、離婚につながっていることがよくわかる。

 経済的DV、借金、金銭感覚の不一致など、お金に関する離婚原因も多く、合計した数字は「性格の不一致」の次に大きかった。岡野さんのもとにも夫婦間の金銭トラブルに関する相談が多く寄せられているという。

「『私が必死に節約をしてお金を貯めたのに、夫が15万円のパソコンを勝手に購入していてはらわたが煮えくり返りました』など、一緒に家にいる時間が増えなかったら見過ごしていたような相談が多い。新型コロナの感染が拡大し、再び外出自粛の流れになっているうえ、経済の回復が見えないいま、こうしたトラブルは今後も増えると予想されます」

 一方で、離婚理由として少なかったのは、意外にも長らく「夫婦問題の代名詞」のように語られてきたセックスレスの問題だ。民法の「婚姻を継続し難い重大な事由」に当てはまるとされ、慰謝料請求の対象になるケースもある。

「円満な夫婦生活のためにも重要とされてきたセックスですが、時代とともに伴侶に求めるものが変化しました。いまは性的なつながりよりも、いざというときに団結できるパートナーであるかどうかが優先されます。

 というのも、これだけ女性が社会進出し、SNSが発達したいま、浮気は男性だけのものではなくなったうえ、性欲を解消する方法にもさまざまな選択肢を選べるようになった。“夫にばかり性的な欲求を求めなくてもいい”という女性も増えていると考えられます」

 性的なことは自分で済ませ、夫には同じ価値観を求める時代になったのかもしれない。

判断基準の決定打は夫との生活に得があるか

 同アンケートでは離婚理由に加え「離婚を考えてから実際に離婚が成立するまではどのくらいの期間か」についても調査している。期間は「1年以内」と「3年以内」が同率の1位。7割以上が半年以上経ってから離婚に踏み切っている。このままがまんして関係を再構築するべきか、と葛藤する妻の様子がうかがえるようだ。

 実際、離婚の決定打になった理由についてたずねてみたところ、「夫が子供たちをうっとうしそうに見るようになった」(41才)、「勝手にクレジットカードを作り、多額の使い込みが発覚した」(34才)、「浮気も暴力もないが、家事も育児もしない夫。たまたま長い出張が入ったとき、『いない方が楽だ』と気がついてしまった」(37才)、「不妊治療に行くか迷ったときに、この人の子供を産まない方がいいんじゃないのかと思ったから」(40才)など、離婚に踏み切ったきっかけは一人ひとり異なる。

 岡野さんはその共通点を、「自分にとって損か得か」だと指摘する。

「離婚をしても経済的に問題がないか、地域や会社で白い目で見られないか、子供がいじめを受けるなどのリスクはないか……。離婚後を想像して、生活に支障がなく損が少ないようなら、離婚を検討してもいいでしょう」

 あなたの隣にいる人は、団結できる“得する”パートナー? それとも……。

※女性セブン2020年12月10日号

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