眠りに関する誤解 羊を数えるのは逆効果、とりあえず布団に入るはNG

眠りに関する誤解 羊を数えるのは逆効果、とりあえず布団に入るはNG

"とりあえず布団に"不眠にNG

眠りに関する誤解 羊を数えるのは逆効果、とりあえず布団に入るはNG

不眠症の人がヒツジを数えるのはNG(イラスト/高梨としみつ)

 不眠に悩む人が多いと言われる日本人。経済協力開発機構(OECD)『Gender Data Portal 2019』によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、主な先進国30か国の中で最下位だという。

 眠れないことを悩んでいるということは、睡眠に対する関心も強いということだが、睡眠に関する「誤解」も少なくないようだ。そこで“眠りのエキスパート”に、睡眠についての正しい知識を教えてもらった。

◆理想の睡眠時間は?

 理想の睡眠時間について「8時間くらいぐっすり眠らないとダメ」ということを聞いたたことはないだろうか。しかし、必ずしもそういうわけではないという。

 大規模疫学調査では、60才以降、最も長生きできて最も認知症になりにくい睡眠時間は5〜6.9時間だった。ただし、加齢とともに睡眠力は衰える。年相応の睡眠時間を目指すのも大切だ。久留米大学医学部神経精神医学部教授の内村直尚さんが説明する。

「平均的に8時間寝られるのは15才くらいまで。25才で7時間、45才で6.5時間、65才で6時間。60代以降は6時間眠れていれば充分でしょう」(内村さん)

◆ヒツジを数えるのは効果的?

 ヒツジを数えながら寝落ちしてしまうほど効果のある人は続けても問題ないが、不眠症の人がヒツジを数えて眠ろうとするのは、かえって寝つきが悪くなる危険がある。必死に数えるのはやめておこう。布団の中では、スマホを見る、ヒツジを数えるなど余計なことはしない方がいいのだ。

◆眠れなくても横になっているべき?

「眠れなくても布団に入りましょう」というのは、不眠に悩む人にはNGだ。布団の中で眠れない経験が続くと、布団の中で横になる=不眠と、連想するようになる可能性が高い。15分経っても眠れないときは、布団から出て、リビングで本を読むなどして眠くなるのを待とう。

エアコンや電気毛布はONのまま寝てOK?

 寒い季節の電気毛布や、暑い季節のエアコンのスイッチが、就寝時から朝までついたままだと睡眠時の体温調節がうまくいかず、睡眠の質が下がる。エアコンは3〜4時間でオフになるようにタイマーセットし、電気毛布は眠る1時間前などに入れて布団を温め、就寝時に切るといい。

◆お風呂はいつ入るのがいい?

 私たちは体の熱を放出しながら眠りにつくため、布団に入る直前に入浴したのでは、体内の体温である深部体温が高すぎてなかなか眠ることができない。90〜120分くらい前に入ると、ほてった体温も落ち着く。どうしても直前にしか入浴時間が取れない場合はシャワーにしよう。

◆お酒を飲むとよく眠れる?

 お酒を飲むと寝つきがよくなるが、リバウンドがある。

「アルコールは体内で代謝されるとアセトアルデヒドに変わります。そのとき覚醒作用が起こり、途中で目が覚めます」(内村さん)

 寝酒が習慣になると耐性ができてしまい、酒量が増えるので注意しよう。

◆夜勤・徹夜明けの次の日はどう眠る?

 夜勤や仕事などで徹夜したら、帰宅後は眠気をがまんせず、そのまま就寝したくなるのが人情。だが、「帰宅後、15〜30分程度昼寝をして、夜早く寝る」が正解だ。短い時間、体を休めて、夜まで本格的な睡眠はがまんしよう。これは、体内時計が昼夜逆転しないようにするため。そして、徹夜明けの日は、夜早めに眠りにつくのが正しい対処法だ。

【プロフィール】
内村直尚さん/睡眠障害のエキスパート。久留米大学医学部神経精神医学部教授。同大学の学長で、主任教授も務める。著書に『不眠とストレス』(創元社)など。

取材・文/北 武司

※女性セブン2021年3月11日号

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