SETI(地球外知的生命体探査)のパイオニア フランク・ドレイク博士亡くなる 92歳

SETI(地球外知的生命体探査)のパイオニア フランク・ドレイク博士亡くなる 92歳

ドレイク博士

広い宇宙に、我々地球人以外にも知的生命体が存在しているのか、という謎は昔から多くの科学者たちが研究する謎でもある。本当に空飛ぶ円盤に乗って地球にまで訪れているかどうかは別としても、宇宙には無数の天体が存在しているので、地球と同じような条件に恵まれ、知的生命体が存在する天体も低い確率ではあるが存在するはずだ。この観点から考案されたプロジェクトが地球外知的生命体探査(Search for extraterrestrial intelligence、略称SETI)だ。

 この地球外の知的生命体探索のパイオニアの一人である天体物理学者、フランク・ドレイク博士が92歳で亡くなったと報じられた。

 ドレイク博士は1930年5月28日にシカゴで生まれ、幼い頃から電子工学と化学に興味を持っていたという。海軍予備役将校訓練部隊の奨学金を得てコーネル大学に入学し、U.S.S.アルバニー号で船の電気技師として働いた後、ハーバード大学の大学院で電波天文学を学んだ。

 彼は幼い頃から広い宇宙のどこかに他の生命体や文明が存在する可能性があると考えていたという。この幼い頃からの関心が、やがて彼をジュゼッペ・コッコーニやカール・セーガンらに並ぶSETIのパイオニアの一人へと導いたのである。

 ドレイク博士の功績は多い。1960年に始まった世界初のSETI実験はドレイク博士の提案によるものだ。「オズマ計画」と呼ばれたこの計画では、アメリカのウエストバージニア州グリーンバンクの国立電波天文台(NRAO)を使って、くじら座のタウ・セチ星系とエリダヌス座イプシロン・エリダニ星系から来るエイリアンの信号を探し出すというものだった。なお、「オズマ計画」はアメリカの児童文学「オズの魔法使い」シリーズに登場するオズマ姫からとられており、作者がオズマ姫の住むオズの国と無線通信を試みた逸話に由来している。

 1961年には、銀河系に存在する知的地球外文明の数を計算する方法として有名な「ドレイクの方程式」を導き出した。「銀河系に存在し人類とコンタクトする可能性のある地球外文明の数Nを算出する」というもので、恒星の数や生命が発生する割合、その生命が知的なレベルまで進化する割合、そして宇宙進出や通信可能な技術を有する文明が存続している期間を掛け合わせていくもの。そのうえで、実際に数式に当てはめて「知的生命体が存在する天体の数」が算出されている。なお、近年の観測結果による成果を踏まえた修正は入っていない。現在でもドレイクの方程式が当てはまるかは分からない。

 1972年には、知的な宇宙人文明が理解できるように設計された、宇宙に送られた最初の物理的メッセージである有名な「パイオニア・プラーク」の作成に携わった。そして1974年には地球から直接送信された最初の恒星間メッセージである「アレシボ・メッセージ」も作成している。

 ドレイク博士はジェット推進研究所の月惑星科学課長からカリフォルニア大学サンタクルーズ校の自然科学部長まで、長い生涯を通じて数多くの役職を歴任した。将来的に我々人類が地球外知的生命体とのコンタクトに成功した時、その成果を最も喜ぶのは天国のドレイク博士なのではないだろうか。

山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中

関連動画
Frank Drake 1930-2022(SETI InstituteのYouTubeチャンネル)より
https://www.youtube.com/watch?v=Wa0kn1x5xBU

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SETI pioneer Frank Drake has died, aged 92(unexplained-mysteries.com)より
https://www.unexplained-mysteries.com/news/360484/seti-pioneer-frank-drake-has-died-aged-92

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