プロ棋士対コンピューターの「電王戦」は人間の完敗で幕 AIの進化に不安も

プロ棋士対コンピューターの「電王戦」は人間の完敗で幕 AIの進化に不安も

プロ棋士対コンピューターの「電王戦」は人間の完敗で幕 AIの進化に不安も

(画像は電王戦公式サイトのスクリーンショット)

20日、将棋プロ棋士・佐藤天彦名人とコンピューターソフト・Ponanzaが戦う「電王戦」の最終局が行われ、94手でPonanzaが勝利。

コンピューターソフトが現役名人に連勝するという衝撃的な結果で、2012年から開催されていた「人間とコンピューターの頭脳バトル」にピリオドが打たれた。

■序盤は優勢を伝えられるも…

若干有利といわれる先手番になった佐藤名人に対し、後手のPonanzaは初手に「王将」を動かす奇策を敢行。人間の常識では考えられない手で、相手を揺さぶる。

その後、お互いに角を交換し、手持ちにしたうえで戦いを進める「角換わり」という戦型に。序盤から中盤にかけては、解説陣から佐藤名人が優位に立っているとの見解が飛び出し、勝利への期待が高まった。

しかし中盤で佐藤名人が王将の守りをガッチリ固める「穴熊」を組んだあたりから、Ponanzaが猛攻を開始。鋭い攻めで守りの駒を次々と剥がしにかかる。相手の攻撃を「受ける」ことに定評のある佐藤名人だが、さすがに耐えることができず、無念の投了。

これで電王戦の通算対戦成績は、ソフト側の14勝5敗1引き分け。なおPonanzaについては、元タイトルホルダー2人を含むプロ棋士に対して全勝しており、棋士を凌駕しているといえる。

■若者は人工知能の台頭に不安

2012年の開始当初は「プロ棋士が勝って当たり前」だった電王戦だが、トップ棋士の敗戦が続き、ついに現役の名人をも圧倒。今では「棋士よりコンピュータのほうが強い」という認識が定着しつつある。

このようなコンピューター、いわゆる人工知能(AI)の台頭はあらゆるところで見られており、人間の存在を脅かすのではないかいう懸念もでるほど。

ちなみに、しらべぇ編集部が全国の20代〜60代の男女1,336名に人工知能の台頭について調査を実施したところ、20代の3割が「不安である」と回答。

©sirabee.com

若い人のほうが新しい技術に興味・関心がある分、「自分の仕事を奪われるのでは」「人間を凌駕するのではないか」と考える人の割合が高いのだろう。

一方で、7割はそこまで不安を感じていないのも事実。やはり最後は「人対人」と考えているのだろうか。

■将棋ファンに聞いてみた

将棋ファンのSさんに、電王戦や人工知能の台頭について意見を聞いてみた。

「2局とも完敗でしたので、人工知能が棋士の頭脳を越えたといわざるをえません。ただ、棋士が人工知能に負けたからといって人間同士の対局に価値がないとは思いませんし、人の心が指し手に影響する、人対人の戦いのほうが、ドラマがあって面白いと思います。

ほかの業界でも同じく、AIより人間のほうが温かみや親切心がありますし、機転もきくのではないでしょうか。いくら性能が優れていても、『対人間』を求めるのではないのかと。

しかし人件費削減のために、人工知能を使ったサービスを導入する経営者はいるでしょうね。そうなると、やはり人間の職は脅かされるのかも…。でも最終的に人間に回帰すると信じたいです」

頭脳スポーツといわれる将棋で人間を凌駕した人工知能。その進化は素晴らしいものがある反面、優秀すぎて怖くもなってしまう。

・合わせて読みたい→名人がソフトに完敗の将棋電王戦…「歴史的役割」は終わった?

(取材・文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2017年4月21日〜2017年4月24日
対象:全国20代〜60代の男女1,336名(有効回答数)