アリさんシュレッダー係の男性は今「ガイア」が再び密着レポート

アリさんシュレッダー係の男性は今「ガイア」が再び密着レポート

アリさんシュレッダー係の男性は今「ガイア」が再び密着レポート

(アリさんマークの引越社と裁判で争う現役社員の男性 画像提供:(C)テレビ東京)

2016年2月9日『ガイアの夜明け』(テレビ東京系)で放送された「密着!会社と闘う者たち〜”長時間労働”をなくすために〜」は、同番組における2015年度の最高視聴率を記録した。

同放送では、2015年4月に厚生労働省で発足した「過重労働撲滅特別対策班」通称「かとく」への密着で、複数企業の長時間労働の実態や未払い賃金に関する実態を紹介。

とりわけ大きな反響を呼んだのは、大手引っ越し会社・アリさんマークの引越社で働く男性が、労働組合に加入して会社との交渉を開始した結果、シュレッダー係に異動を命じられる――その闘いに密着したドキュメントだ。

彼は今、どうしているのか? その様子をレポートした『ガイアの夜明け』「密着!会社と闘う者たち 第2弾」が、今日7月25日夜10時から放送される。

しらべぇ取材班は放送を前に、担当プロデューサーのテレビ東京・久保井恵一さんに話を聞いた。

■8.4倍の反響

――昨年2月の放送の反響は?

久保井さん:Twitterをはじめとして、番組関連のキーワードに対するコメントが、1週間で通常の8.4倍あったと報告を受けています。番組宛のメールも多く、翌日だけで100通ほどの反響をいただきました。

いつもですと50代以上の方の反応が多いのですが、この回に関しては20代・30代の反響も大きかったようです。

■シュレッダー係の男性は今

――アリさんマークの引越社の男性に関しては、5月に和解報道も出ていたが。

久保井さん:この事案については、争点が3つありました。まず第一に、シュレッダー係から元の職種に戻すこと、第二に長時間労働の未払い金の支払い、そして就業中に事故を起こした際に支払わされた弁済金の返還です。このうち和解に至ったのは、最初のシュレッダー係から元の職種への異動だけで、彼は現在も、同社で働きながら、会社と闘っています。

会社を辞めて、お金だけの解決を求めても…と思うのですが、彼は『今の仕事が嫌いじゃないし、今いる会社の社員たちのためにも、会社側におかしいことをわかってもらいたい。仲間たちのためにも、きちんと勝ち取りたい』というモチベーションで闘いを続けているんです。

その後の男性の様子は放送で紹介されるが、再び元の職に戻ってからも、会社側は適切とは思えない条件を提示するなど、真の和解とはほど遠い状況があるようだ。

■報われない若者たち

(長時間勤務していたことをどう証明するか…頭を悩ます弁護団と労働組合 画像提供:(C)テレビ東京)

――闘う人たちに密着している中で、感じることは?

久保井さん:若い人たちから、『やりがい搾取』という言葉が聞かれるなど、報われないと感じながら働いている人が多い。前回の放送での反響もあるように、そうした声をもっと吸い上げて、広く伝えなければいけないと感じました。

2年前に密着していた頃は、そうした声がなかなか出てこなかった。でも、景気が上向きになる中で雇用状況も変わり、社会全体も働くことへの意識が変わってきて、企業も『きちんとしないといけない』という方向に変わりつつあります。ただ、そうした中でも、長時間労働やサービス残業といった問題はなくなっていません。

その状況で、弱い立場にあって、声を上げているけれど報われない、聞き入れてもらえない――それでも立ち向かう姿は、すごいと思います。

そうした1人の声が、会社という大きな組織を変えていく、人間ドラマやそのエネルギーを見てほしいですし、番組を観た同じような状況の人が、勇気づけられ、何かできると思ってもらえれば――そう考えながら、取材をしていますね。

■経営者の対応が消費者の評価を分ける

――労働者だけでなく、企業側にも取材をする中で思うことは?

久保井さん:弱い立場に寄り添って見えるところもありますが、報道の公平性という点で、企業側にも取材します。その中で、こうした形で取り上げられても、きちんとした経営判断のもと、真摯に、誠意をもって対応する企業は、結果的に消費者からネガティブに思われることはないですね。

例えば、前回の放送で取り上げられたドン・キホーテですが、会社のトップが取材に応じ、長時間労働について改善する姿勢を明言。速やかに対応したことが、悪い印象を深めずに済んだ要因だと感じました。

ネット社会で多くの人が情報発信できる今、労働環境に関しても、会社が社員の声を反映して改善することは、もしかすると一時的に利益を損なうことがあったとしても、長期的に見て良い評判や利益に繋がると思います。

今回の放送では、アリさんマークの引越社の男性のその後だけでなく、大手飲食チェーン『しゃぶしゃぶ温野菜』のアルバイト学生が訴えた、元店長のパワハラや「4ヶ月間連続で休みなし」「1日23時間の長時間労働」などの問題も、レポートされる。

ドキュメンタリーだからこそ浮き彫りになる、そのリアルな闘いに、今回も大きな注目が集まりそうだ。

【ガイアの夜明け「密着!会社と闘う者たち 第2弾」】
放送日:2017年7月25日(火)22:00〜22:54
出演者:案内人・江口洋介、ナレーション・杉本哲太
取材先:DWE JAPAN/ブラックバイトユニオン/アリさんマークの引越社/プレカリアートユニオン/旬報法律事務所

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(取材・文/しらべぇ編集部・くはたみほ)

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