『ウチの夫』はまだマシ? クリエイターが遭遇したトンデモ客3選

『ウチの夫』はまだマシ? クリエイターが遭遇したトンデモ客3選

『ウチの夫』はまだマシ? クリエイターが遭遇したトンデモ客3選

(画像はYouTubeのスクリーンショット)

日本テレビ系で放送中のドラマ『ウチの夫は仕事ができない』。ライトに観られるお仕事コメディである一方、「仕事ができるとは?」を我々に問い続ける面もある本作は、観ていて思わず考え込んでしまう人もいるのでは。

先週放送の第三話では、世界的デザイナーをめぐって主人公・小林司(錦戸亮)と田所(薮宏太)が対立する様子が描かれた。

■第三話のお仕事論争「納期の嘘つきはOK?」

商店街を盛り上げるプロジェクトの社内コンペに、世界的デザイナーのレイジカキタニ(岸谷五朗)を起用したアイデアが通ってしまった司。

超多忙なレイジだったが、その商店街に個人的な縁があったことで、引き受けてくれることに。

しかし、インスピレーションを大事にするレイジは、たとえTシャツのデザインと言えども二ヶ月の時間を要求。それに対し、田所は締め切りが2週間後であることを隠し、仕事の確約を優先させようとする。

これに対し、嘘をつくことができない司は、本当の期日を話してしまう。クリエイターにはよくあることだと言いつつも、腹を立てたレイジはふたりに退席を求めた。

結果的に、未熟なふたりがケンカする様子がレイジのイマジネーションを刺激し、Tシャツは素敵なデザインになったから良かったものの、「嘘をついて仕事を引き受けさせるというのは、仕事のやり方としてどうなのか?」とネット上では議論に。

中には「こんな発注主は信用できないから、長期的には一緒にやりたくない」など、冷静な意見を述べる者もいた。

しかし、このような話はクリエイティブな仕事をする人間には、よくあることのよう。しらべぇ取材班は匿名を条件に現役クリエイター3名に話を聞いた。

(1)友人価格という名のタダ働き

「システムエンジニアという仕事をしていると、サービスを作って起業したいという人や自分の店のホームページを作ってほしいという人から声をかけられることがあります。

若い頃は仲のいい友人の頼みということもあり、手伝うこともあったんですが、いかんせん金がないのでタダ働きなんですよ。『友情があればそんなのいらないでしょ!』と思っていた時期もあったんですが、貴重な土日休みにタダ働きすると考えると、余程じゃない限りやる気はなくなっていくんですよね……

そうなると信頼関係も段々失われていき、逃げるように友人関係を切る……そんなことを何回か経験したら、『友人だからこそ、ちゃんとお金を払ってもらうことが大事なんだな』と思うようになりました。

でも、今でも『友人価格』と言ってくる人は尽きませんね……タダ働きってただの搾取なのに、都合のいい言葉だなあと今は思います」(20代・男性)

(2)「それなりでいい」と聞いていたのに、引き受けたらどんどん要求が上がる

「自分は全国各地を取材する旅専門の写真家・エッセイストをしています。そのため、地方自治体から『来てほしい』と呼ばれることも多いのですが、あるとき、とあるイベントのショーに有志として参加することになりました。

一度個人的にお世話になった人の誘いだからOKしたんですが、これが大きな間違いで……最初は『何回か練習すれば人前には出られるようになるから』と聞いていたし、軽いルポ記事になればいいかと思ったから引き受けたんですけど、いざ参加してみると練習はガチそのもの。二ヶ月間週に何度も練習に参加して、挙句の果てには現地で選抜試験まで受けることに(笑)

しかも、『そんなに事前に時間は食わないから』と言われていたので、『宿代と交通費だけ』しかもらっていなかったんです……練習に出ていたせいでその間仕事の時間はかなり削られ、結果的にそのときは収入も減りましたね。

ちなみに、現地では私と同じような境遇で来た人が何人もいました。そして、私は気づくんです。そのお世話になった人が、クリエイターを本当に軽く見ていて、私たちみたいな人間から搾取することで利益を出していることを……」(30代・女性)

(3)技術へのリスペクトがなく「仕事にかかった時間」で対価を決める

「駆け出しのデザイナーだった頃、とある企業のロゴを作ったことがあります。でも、古い会社なのかクリエイティブなことに対するリスペクトがまったくなくて……。

ギャラの計算方法もそのひとつでした。『作るのに何時間くらいかかった?』と言われ、『30時間くらいですね』と言ったら『じゃあ3万円ね』と言われたんです。

なにかを生み出すには、幼いころからの訓練と絶え間ないインプット・アウトプットが必要です。だから、たとえ30時間のプロジェクトでも、アイデアの良さ・新しさにお金をはらってもらいたいんです。時間給ではなくて。

でも、こういうすれ違いは有名な企業を相手にしてもよくあることなんです。少しでも、クリエイションに対するリスペクトが増してくれればいいのですが……」(40代・男性)

このような目に日々遭っているクリエイターからすると、嘘をつかずに本当の納期を伝える司は、じつはかなり信頼できる発注主なのかもしれない。

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(文/しらべぇ編集部・尾道えぐ美)

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