早大セクハラ騒動、別教授の「口止め」認める ネットの怪文書も話題に

早稲田大大学院・渡部直己元教授セクハラ、別教授の口止め認める ネット怪文書が話題

記事まとめ

  • 文芸評論家・渡部直己氏は教え子にセクハラしたとして早稲田大大学院教授を解任された
  • 女性が相談した男性教授から「口止めされた」と申し立て、大学の調査委員会が認めた
  • はてな匿名ダイアリーの投稿で水谷八也教授と市川真人准教授が名指しで批判されている

早大セクハラ騒動、別教授の「口止め」認める ネットの怪文書も話題に

早大セクハラ騒動、別教授の「口止め」認める ネットの怪文書も話題に

早大セクハラ騒動、別教授の「口止め」認める ネットの怪文書も話題に

(Ekachai050050/iStock/Thinkstock/写真はイメージです)

世間を騒がせている、早稲田大大学院のセクハラ問題。渦中の文芸評論家・渡部直己氏(66)は、当時教え子だった20代の女性に対しセクハラをしたとして、7月に同大教授を解任された。

この件について、女性が被害を相談した別の男性教授から「口止めされた」という女性側の申し立てに対して、大学の調査委員会が「口止めを受けていると感じる発言があった」と認めたことがわかった。

名門大学で起こった事件について、ネット上ではさまざまな声があがっている。

■「外では言わないほうがいい」と口封じ

修士課程に在籍していた女性は、同コースの教授だった渡部氏からセクハラを受けていたという。渡部氏は被害者の女性に「俺の女になれ」と迫るなど、深刻なセクハラ行為を行なっていたことが確認されている。

産経ニュースによると、男性教授が女性から相談を受けたのは昨年4月。

その際、男性教授は「面倒なことに巻き込まれるのは嫌だな」と発言した上、女性の言動について「隙がある」などとコメント。被害について「外では言わないほうがいい」と、事実上の「口封じ」とも言える対応を行なったという。

■「怪文書」も話題に

またこの件について、「はてな匿名ダイアリー」に「早稲田大学現代文芸コースのセクシャルハラスメント報告書がひどい」と題された投稿が行なわれた。

このブログ記事で重要なポイントを抜粋すると、「加害者は、渡部一人ではない」ということで、渡部と同じコースに所属する水谷八也教授と、渡部氏の弟子である市川真人准教授が名指しで批判されている。

「渡部によるセクシャルハラスメントに悩んでいた被害者は、友人同席のもと、当時現代文芸コースの主任を務めていた水谷と三人で面会を行った。また、精神的に落ち込んでいた被害者に代わり、友人は水谷と二人で二回目の面会も行った。

被害者及び友人の申立書によると、水谷は『この件を口外しないでほしい』『口外すると現代文芸コースの存続に関わる問題に繋がるから』『被害者自身にも隙があり、渡部が勘違いしてしまうのもうなずける』といった趣旨の発言をしているにも関わらず、水谷本人が否定していることだけを根拠に、報告書では被害者及び友人の主張を認定していない」(「はてな匿名ダイアリー」より)

ツイッター上では「怪文書」などと評されているこのブログ。

しかし、匿名投稿とはいえ、この騒動の発端となったプレジデントオンラインの報道と合致する部分は多く、現役早大生たちの身の安全などを考えると、しっかりと説明責任を果たしていく必要があるだろう。

■元ゼミ生が語る水谷氏の人柄

しらべぇ取材班は、水谷氏のゼミにかつて在籍していたという男性との接触に成功。今回の件や教授の人柄について、話を聞いた。

−−今回の事件を聞いてどう思いました?

「正直、事実だとするとかなり残念ですね。水谷先生は結構クセのある人で、ゼミ生からの人気もばらついていましたね…授業は面白かったんですが」

−−水谷氏はどんな人物ですか?

「よく言えば研究者肌、悪く言えば社会性に欠けた人物だと思います」

■ゼミ生に対しても壁

−−と言いますと?

「基本的に人との交流を望みません。例えば、うちは戯曲(舞台の脚本)を研究したり、実際に書いたりのゼミだったので、ゼミで赤坂の劇場に芝居を観に行ったことがあるんです。

普通のゼミだと終わってからみんなで飲みに行ったりするもんじゃないですか。でも、水谷先生は一人そそくさと帰っちゃう。ゼミ生に対しても、壁があるんですよね。

とは言え、それは個人の性格なので別にいいんですが…正直、人の心の痛みについて想像できない人なんだという印象もあります」

■元ゼミ生が語るトンデモ体験談

−−人の心の痛みが想像できないエピソードとは?

「僕は生まれつきアトピー性皮膚炎で、肌が赤くなったり、荒れたりしやすいんです。今はかなり良くなっていますが、ゼミ生時代は結構赤くて…

それである日、水谷先生に『どうせならアトピーを題材にした作品を書いたら?  繊細すぎて肌が汚くなって差別を受けてる人の話』と、笑いながら言われたことがあります。その頃、自分は真剣に悩んでいたし、笑いながら『題材にしたら?』と言うことでは確実になかった」

−−水谷氏は、あなたがアトピーで悩んでいたことを知っていた?

「それはわかりません。アトピーがコンプレックスだと明確に伝えたことはないですから。でも、人の容姿について否定的な発言すること自体が、そもそも適切ではないと思います。

本当にショックで、その日は普通に家に帰って泣いたんです。でも、当時は学内ハラスメントに対する認知度も高まってなかったし、学生が訴えてどうにかなるものでもなかったので、我慢するしかありませんでした」

■泣き寝入りするしかなかったあの頃

−−正直、今だとかなりの問題発言だと思います。

「でも、本人はどうせ覚えてないんですよ。人の気持ちがわからない人は、自覚なく人を傷つける。だから後で問題になっても『記憶にない』『そういう意図はなかった』と言う。言い逃れに聞こえるけど、本人的には言い逃れてるつもりはないんだと思います。なぜなら、そもそも傷つけた自覚がないんだから。

今回の件は、ゼミの卒業生として事実であってほしくない案件です。でも、事実だったとしても、僕は正直納得ですね」

■現役学生へのアドバイス

−−現役学生に対してアドバイスなどあれば教えてください。

「研究者としての実績、知名度と人間性はまったく関係ありません。むしろ、大学という閉ざされた機関ではハラスメントは起こりやすいと認識すべきでしょう。

身を守るために録音機器を常に用意したり、言われたことを記録するなど、気になったことがあればすぐ防御することをオススメします。あと、録音機器は常に用意しておくべき。2人でゼミ室にいるときなど、目撃者・証言者がいないですから。

ちなみにこれは余談ですが、大学は文部科学省の認可事業であり、国から毎年多くの補助金が出ています。ゆえに、ハラスメントに声をあげていくことは大学の運営にも数億円単位で影響を与える場合もあることをお伝えしておきます」

■説明責任は果たされるのか?

日本大学の悪質タックル事件、東京医科大の入試騒動など、大学への信頼が揺らいでいる昨今。

匿名の投稿とはいえ、早稲田大学は無視できないはずだ。一刻もはやく説明責任を果たし、場合によっては関わった教員・職員の懲戒解雇など、適正な処分を与えていく必要があるだろう。

(文/しらべぇ編集部・尾道えぐ美)

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