辺野古県民投票、玉城デニー沖縄県知事が特派員協会で会見 「結果がすべてです」

辺野古県民投票、玉城デニー沖縄県知事が特派員協会で会見 「結果がすべてです」

辺野古県民投票、玉城デニー沖縄県知事が特派員協会で会見 「結果がすべてです」

3月1日、日本外国特派員協会にて玉城デニー沖縄県知事と『「辺野古」県民投票の会』元山仁士郎代表が会見を行った。玉城知事は会見前、安倍晋三首相と会談し、2月24日に行われた辺野古基地建設の是非を問う県民投票の結果を伝えた。

元山氏は、県民投票を実施しない沖縄県自治体が複数出たときにハンガーストライキを行い、注目された27歳の青年だ。

■県民の純粋な民意を示すために

「はいさい、ぐすーよー、ちゅーうがなびら。皆さんこんにちは。沖縄県知事の玉城デニーと申します」と沖縄言葉で挨拶した玉城知事は、

「私は名護市辺野古に基地を造らせないことを公約に、昨年9月30日、過去最多の得票を得て当選し、第8代の公選知事に就任いたしました。

普天間基地の危険性除去・閉鎖の問題は辺野古移設が唯一といわれておりますが、司法ではなく対話によって解決策を求めていくことが重要であると考え、日本政府に対し繰り返し対話による解決を求めてまいりました」

とまず述べ、県民投票を実施した理由を次のように説明した。

「日本政府は、昨年の県による埋め立て承認の取り消し以降も工事を強行し続けてきています。県民の請求による2月24日の県民投票や、その結果が出るまでの工事中断を求めていた米国におけるホワイトハウスへの署名活動の動きすらもまったく無視しているかのようでした。

普天間飛行場の辺野古移設へ反対という民意は、過去2回の県知事選挙、翁長雄志知事の選挙、そして私の選挙など一連の選挙でも反対の民意は示されてまいりました。

しかし、日本政府首脳からは、『選挙はさまざまな政策でそれぞれの候補の主張が行われた結果である』という発言もありました。

そのため、沖縄県民の純粋な民意を示すためには1つの争点に絞って、つまり今回のような県民投票で県民の意思を問う、意思を示す必要があったわけです」

■県民投票に至った経緯

日本の地方自治法では、有権者の50分の1以上の署名が集まれば自治体に条例の制定を求めることができる。沖縄県の有権者は約115万人で、そこから計算すると約2万3000人の署名が必要だった。

2018年5月から7月にかけて行った署名活動では、必要数を大きく超える約9万3000筆の署名が集まった。そして、沖縄県に制定請求された県民投票条例案は、県議会で審議され可決となり、2018年10月31日に交付、施行された。

その結果、2月24日に県民投票が行われたわけだ。

■7割が辺野古基地建設に反対

投票資格者総数115万3600人のうち、52.4%の沖縄県民が投票に参加した。その結果、「埋め立てに賛成」が11万4933票、「埋め立てに反対」が43万4273票。そして、「賛成でも反対でもどちらでもない」という投票が、5万2682票となった。

投票総数の71.7%に当たる43万4273人もの人々が、辺野古の埋め立てに反対という結果を示した。これは玉城デニー知事が昨年9月の知事選挙で、辺野古に新基地は造らせないという公約を掲げて当選したときの得票数、39万6632票をはるかに超える。

■「日本の民主主義が問われている」

玉城氏はこの結果について、

「今回の辺野古埋め立てに絞った県民投票によって、辺野古埋め立てへの反対、すなわち辺野古移設断念を求める県民の民意が初めて明らかになった、極めて重要な意義があるものと考えております」

と異議を強調した。そして、

「本日、その結果を条例に基づいて安倍総理大臣に直接手渡すとともに、トランプ大統領宛ての通知を、駐日米国大使館、ジョセフ・ヤング特別臨時大使に託しました。

民主主義国家であるわが国において、県民投票により直接示された民意は何より重く、また尊重されなければなりません。今まさに日本政府の民主主義が問われていると思います。

『辺野古が唯一』との日米合意に固執することは普天間飛行場の危険性を固定化することにほかならないことから、県民はより早い普天間基地問題の解決を求める思いで、辺野古埋め立てに反対という意思を示したものと思います。

あらためて政府に対して辺野古移設断念を強く求めるものです」

と語った。

■民主主義の基本に立ち戻り建設中止を

玉城氏に続いて元山氏は、

「72.2%が埋め立て反対票を投じたことは、非常に思い意味合いを持った民意の表明。1つの争点につき、明確な県民の意思を表明したという点において、今回の県民投票は民主政治の歴史に新たな意義ある一歩を刻んだと確信しております。

県民投票の実現に尽力された人々、全ての方に敬意を表するとともに御礼を申し上げ、その成功を喜びたい。

今回の県民投票は、目の前で強行されている辺野古埋め立ての賛否を問うもの。『普天間基地の危険性を除去するために唯一の解決手段として辺野古への移設を行うのが唯一の選択肢だ』という国の是非を問うものでもありました。

沖縄県民は、この投票により明確な反対の意思を示しましたので、政府としてはこの民意を重く受け止め、民主主義の基本に立ち返って埋め立て工事を中止、断念すべきだと考えております」

と述べ、辺野古基地の建設の即時中止を求めた。

■外国人記者からは日本の報道への疑義も

米国人で『新月通信』代表のマイケル=ペン氏は、質疑において次のように大手メディアの偏向報道を質した。

「県民投票に関して、例えばNHKでは『72%が反対票』というよりは、『あらゆる有権者、投票に行かなかった人も含めると37%だった』というような数え方をしており、読売新聞に関しては県民投票は(一面の)見出しにもなっておりませんでした。

今回に関して、編集・報道は公平であり、民主主義を体現しており、そして日本を前に進めるような報道がなされているとお考えですか」

玉城氏は、

「名護市の市長選挙が昨年の2月にありましたが、そのときの選挙結果に対して菅官房長官は、『選挙結果が全てだ』とはっきり言いました。

私の選挙も、今回の県民投票も、選挙の結果が全てです。数字の捉え方、考え方はさまざまありますが、私たちは『辺野古の埋め立て反対という投票が、間違いなく投票した方々の71%以上に至った』という、その結果が全てだと思います」

と、名護市長選挙で与党系候補が勝ったときに「選挙結果が全てだ」と言い切った菅官房長官の言葉を使い、「県民投票も結果が全て」と反駁した。

■7割の米軍基地が沖縄に集中

玉城氏は会見の最後に、

「70.3%の米軍基地が沖縄にあります。47都道府県ある日本の中で13の都道府県が米軍基地を引き受けています。なぜ沖縄に基地が置かれ続けているのか、その基地があるがゆえになぜ日本国内で二度も安全保障のテーマで県民投票を行わなければならないのか。

その根本的なことを皆さんでしっかりと見つけてほしい、考えてほしいと思います。その根本的なことを国民全体で考えていかない限り、政治の堕落や政治の不道徳、不条理を拭い去る、切り替えることはできないのではないか」

と述べ、会見を締めた。

■自民・公明支持者の半数が反対に投票

県民投票を取材し、会見にも出席したフリージャーナリストは会見を受けて、次のように解説する。

「県民投票の投票率52.48%は、雨の中で、しかも自民、公明が投票そのものを無視していたことから考えると極めて高い。朝日新聞の調査では自民支持層でも辺野古移転に『反対』が45%に登り、『賛成』の43%を上回りました。

公明党支持層では58%が反対と答えました。まさに『オール沖縄』が反対したのです。安倍首相はその民意を尊重すべきです。基地をつくる大浦湾側でマヨネーズ状の超軟弱地盤の存在が判明し、工事は不可能。

ある試算では強行したら十数年かかり、費用も2兆数千億円に膨れ上がる。民主主義の面でも、技術面からも、財政面からも基地建設の計画は破綻しているのです」

■日米の政権とも「民主主義尊重しない」

沖縄の現状と今回の知事会見を、海外記者はどう見たのか。筆者は、あらためてマイケル=ペン記者に意見を聞いた。

「県民投票の結果は沖縄の民意の証拠です。右翼的な人たちの中から、沖縄は本当は辺野古基地建設に反対していないというフェイクな情報が流れていましたね。しかし今回の結果で、沖縄県民が辺野古移転に強く反対していることを力強く証明しました。

私は沖縄政策が大きく変わることを望みます。しかし、悲観的な予想になってしまいますが、これだけの結果を受けても政府は既定路線を変えないのではないでしょうか。

米国のトランプ政権も日本の安倍政権も、民主主義を尊重しない政権だからです。これは本当に残念なことです」

沖縄はこれまで多年にわたって辛酸をなめ続けてきた。いつまで民意を踏みにじられるのだろうと思う県民が多数だろう。アメリカや日本が本当に民主主義国家というのであれば、民意を尊重し、辺野古基地建設をあきらめるべきだろう。

(取材・文/しらべぇ編集部・及川健二)

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