『美味しんぼ』最大の風評被害!? 完全に悪者にされた「GDL豆腐」がじつは激ウマ

『美味しんぼ』最大の風評被害!? 完全に悪者にされた「GDL豆腐」がじつは激ウマ

『美味しんぼ』最大の風評被害!? 完全に悪者にされた「GDL豆腐」がじつは激ウマ

日本を代表するグルメ漫画『美味しんぼ』は、実写化もされるなど、かなり人気のあるコミックだ。読むとさまざまなグルメの知識が身に着くが、残念なことにじつは誤った情報であることも多い。

■『美味しんぼ』の風評被害

その代表として「蜂蜜を離乳食として勧めた回」があったが、乳児に蜂蜜を与えると乳児ボツリヌス症になる可能性があったとして、作者が後に謝罪している。

他にも誤った情報はあり、その中でも最大の風評被害と言っていいのが「豆腐とにがり」の回だろう。

■作中の描写では…

その回では「本物の豆腐はにがり(塩化マグネシウム)を使って固めたもの」として、他の凝固剤は「豆乳を薄めて大量に作るためのまがい物」のように紹介されている。

たとえば『グルコノデルタラクトン(GDL)』という凝固剤を使うと、にがりよりもはるかに多くの豆腐を作ることができるため、「偽物豆腐用の素材」のように扱われているが、じつはそうではないらしい。

■ビフィズス菌を増やす凝固剤

だが、ネット上で多くの豆腐店がグルコノデルタラクトンで作る豆腐を『美味しんぼ』と同様には扱っておらず、にがりとおなじように凝固剤のひとつとして紹介しているのである。

さらにグルコノデルタラクトンはでんぷんを発酵させて作るもので、ビフィズス菌を増やす作用もあり名前からのイメージとは異なる、健康的な素材のようだ。

■GDL豆腐を入手

そんなグルコノデルタラクトンを使った「GDL豆腐」を作っているマジメな豆腐店『気合豆腐埼玉屋』のGDL豆腐と、昔ながらの製法で作った絹ごし豆腐2種類を手に入れたので食べ比べてみることに。

パックを開けないときの見た目はほぼ変わらないが、皿にあけてみると…

■昔ながらの絹ごし豆腐を試食

まず、昔ながらの製法で作った絹ごし豆腐『塩田』を食べてみる。ひと口食べると口いっぱいに大豆の風味が広がり、猛烈にウマい!

コレは醤油などほかの調味料を加えず、そのままシンプルにいただきたい最高の豆腐である。

■GDL豆腐を試食

お次はグルコノデルタラクトンを使った絹ごし豆腐をいただく。微妙に塩田よりツヤっとしているが、『美味しんぼ』のGDL豆腐のように豆乳を薄めて作ったものではない。

酸で豆腐を固めているため、フレッシュチーズのような爽やかな酸味があり、コレはコレで絶妙にウマい!

そのまま食べても美味しいが、オリーブオイルと塩でモッツアレラチーズのように食べたり、蜂蜜をかけてドルチェのようにしてもウマいだろう。

■悪いのはグルコノデルタラクトンではない

『美味しんぼ』だけ見るとグルコノデルタラクトンが悪者に見えてしまうが、悪いのは当時グルコノデルタラクトンを使って薄い豆腐を大量に作っていた業者であって、凝固剤ではない。

凝固剤そのものは悪くないことをしっかりマンガに入れれば風評被害には至らなかっただろうに、描写が足りなかったことは非常に残念だ。

チーズを作る際にも、レンネットやレモン汁などさまざまな凝固剤があり、それぞれに違った風味があるので、豆腐も同じことなのかもしれない。

(取材・文/しらべぇ編集部・熊田熊男)

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