行政が何度も見過ごしていた虐待 県は「あくまでネグレクトと捉えており…」

行政が何度も見過ごしていた虐待 県は「あくまでネグレクトと捉えており…」

行政が何度も見過ごしていた虐待 県は「あくまでネグレクトと捉えており…」

(Bavorndej/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

鹿児島の女児暴行事件。市が虐待の事実を認知していたのにも関わらず、それを見過ごしていたことが判明した。札幌市でも児相が警察からの通報を無視し、虐待による死亡事件が起きたが、また同じようなことが繰り返されてしまった。

しらべぇ取材班は、関係各所を直撃した。


■4回警察に保護されていた

鹿児島県出水市で4歳の女児が死亡し、母親の交際相手の男が暴行の疑いで逮捕された事件。薩摩川内市によると、3月16日、児相に虐待を思わせる動画を見たとの匿名通報があった。

18日、19日の両日、児相や市職員、警察官が自宅を訪ねたが虐待が疑われる様子はなく、動画も確認できなかった。

直後の3月22日、28日、29日、4月2日の計4回、女児が自宅近くの路上や駐車場で一人でいたところを発見され、薩摩川内署に保護された。

警察は、児相に「親への指導の必要性がある」「一時保護の必要性がある」などネグレクト(育児放棄)の疑いもあるとして2回通告。保護の際、太ももに約2センチの薄いあざを確認したが虐待と判断せず、児相も保護しなかったという。


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■市がショートステイ費用を援助

市は、女児の母親の「引っ越しの準備のために、シュートステイの施設を紹介してほしい」という申し出を受け、6月12〜18日まで民間の施設を斡旋し、費用の一部も負担していたという。

この時に女児に虐待についての聞き取り等は、行っていなかった。その後、この親子は同じ県内の出水市に転居。薩摩川内市から、出水市には一連の経過の報告書が送られていたという。

■複数のあざの報告を市は確認せず

出水市によると、7月22日、女児は自宅のテーブルで頭部を打ったとして嘔吐の症状を訴え救急外来を受診。8月5日には別の病院で顔などに複数の青あざが確認された。

病院からの報告を受け8日、15日、21日に自宅を訪問するも親子には会えずに、「連絡をほしい」という文書を投函したという。

そして22日、23日は母親の電話が繋がらない状態が続いた。その後、保健師と市の児童相談員が暴行事件前日の同26日に自宅を訪ね、母親と女児に面談したが、顔や頭部といった外見だけを見て、身体の状態は確認せずに、虐待を疑わせる異常はないと判断した。

市が認知したことは、警察や児相にも報告していなかったという。市のこども課の担当課長は取材に対して「原因究明のための警察の捜査を待って、今後検証しなければならない」と述べた。

鹿児島県は「児相としては、あくまでネグレクトと捉えており、虐待という認識はなかった」と答え、厚生労働省子供家庭局は「この件については、現在事実関係を確認中」と話した。


■なぜ児相が保護しなかったのか

このような重大事態が起きていたにも関わらず、なぜ児相が保護しなかったのかという声があがっている。

「自力で逃げることができない幼児を、どうして児相で保護できなかったのだろう」


「本当に同じ年頃の子供を持つ親としては、胸が痛くて想像しただけで涙が出てくる」


「子供に生まれる環境を選ぶことはできないが、せめて助かる命は救ってほしい」


「行政のミス」で幼い命を救うことができなかった。一部の児相、そして児童担当課からは、本気で児童を守る姿勢が感じられないと言わざるを得ない。

(文/しらべぇ編集部・おのっち)

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