「職場で死なれたら嫌なんだよね」 年齢差別で解雇された高齢女性が提訴

「職場で死なれたら嫌なんだよね」 年齢差別で解雇された高齢女性が提訴

「職場で死なれたら嫌なんだよね」 年齢差別で解雇された高齢女性が提訴

(imtmphoto/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

高齢化社会となり、ずいぶん年をとっても仕事を続ける人たちが増えている。そんな中、80代にして働いていた女性が「年齢を理由に差別的待遇を受けた」として職場を提訴。裁判所はこの主張をどう判断したのか。


■解雇された超高齢女性

今から2年前のこと、英国レディングの病院で働いていた女性(89)が解雇された。

その主な理由は「パソコンの操作をうまくこなせないから」というもので、解雇前には上司たちによる「大昔の秘書の働き方から抜け出せずにいる」といった屈辱的な言葉を受けて傷ついたとのこと。

年齢を理由に他の職員と同じようには扱ってもらえず、ひどい言葉の数々に心をズタズタにされてしまったという。


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■「ばあさんの遺体なんか見たくない」

また職場でとりわけ女性を傷つけたのはある男性職員で、この職員は持病を抱える女性に対し、「床に転がっている遺体を見つけるなんて、俺はごめんだ」「いつもその可能性が気になっている」などと言い放ったとのこと。

おおいに気分を害したという女性だが、15年前には「実際に死にかけたことがある」と認めている。

■心停止で倒れた女性

解雇にいたるまでの10年間は病気で仕事を休んだことは1日もないという女性だが、2004年には心停止状態になり倒れ、医師が実施した蘇生法のおかげで死なずにすんだとのこと。また今も心臓の状態は完璧とは言えず、杖がないと歩けない状態だという。

女性の年齢を考えると日に日に衰えるのは仕方のないことで女性も体調面は気にしているが、同僚の発言はあまりにも残酷だった。


■裁判所の決定

これら侮辱的発言と解雇につき、女性の弁護士は裁判所で「解雇の根底にあるのは差別にすぎない」「高齢者はこういうものという陰湿な思い込みがあった」と上司らを糾弾。

「年齢を理由にひどい扱いを受けた」と訴える女性の主張を裁判官も全面的に認めたため、元雇用側は和解金で解決する方向で話を進める予定だという。

働き方が多様化し、労働者たちの年齢構成も昔とは変わってきている。それでも女性が90歳前とあって雇用側や同僚も困惑してはいたのだろうが、「差別的な待遇を許さない」という女性の決意は固かった。

(文/しらべぇ編集部・マローン 小原)

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