原監督、FA人的補償の撤廃訴える 再考の余地はどれほどあるのか

原監督、FA人的補償の撤廃訴える 再考の余地はどれほどあるのか

原監督、FA人的補償の撤廃訴える 再考の余地はどれほどあるのか


■交渉が解禁されたばかり

きっかけとなったのは、スポーツ報知が配信した「原監督がFAに提言『人的補償なくす必要ある』」との記事だ。これによると原が「的補償はなくす必要がある。そしたら他のチームも、もっと参戦すると思う」と意見したという。

巨人は昨年オフに広島東洋カープから丸佳浩、埼玉西武ライオンズから炭谷銀仁朗を獲得。しかし彼らの人的補償で生え抜きの功労者である長野久義と内海哲也を手放した。

両者ともに巨人愛が強かった選手なのは広く知られている。それだけに新たな戦力を獲得した一方で暗いニュースにもなってしまった。


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■美馬らの獲得を目指す?

巨人は今オフにも東北楽天ゴールデンイーグルスの美馬学、千葉ロッテマリーンズの鈴木大地の獲得へ乗り出すと報じられている。2人は金銭か人的補償を必要とするランクの選手とみられる。獲得に至った場合は、いずれかの補償が必要だ。

FA宣言した選手との交渉は3日から解禁されている。このタイミングでの発言――ネット上では「何言ってるの?」や「自分のことしか考えてない」、「彼の目線は明らかに偏っている」など発言を疑問視するコメントが相次いだ。

■一筋縄ではいかない問題

28人のプロテクトが存在するものの、19年から1軍登録選手の人数が29選手に。1軍の選手ですらまともにカバーできないのも事実。球団としてもFAで戦力補強をしたいが、プロテクトから漏れてしまった有望な選手がとられるリスクも潜んでいる。

原は金銭補償の割合を上げる、撤廃ではないにしてもプロテクト枠を40人に引き上げるといった代案も出した。金銭補償については年俸ランクが1位から3位の選手は年俸の80%、4位から10位の選手であれば、年俸の60%もの補償金が必要だ。

すでに高額とも指摘されており、日本プロ野球選手会は「FA補償金の撤廃」を訴えている。仮に補償金の引き上げともなれば、選手会との衝突は避けられないため、非現実的と言わざるを得ない。


■MLBでは…

メジャーリーグでは補償として翌ドラフトの指名権がある。旧所属球団にドラフト上位指名権を譲渡しなければならないの。補償金が足かせとなって人によってはFA宣言すら難しい日本プロ野球と比べると、補償のレベルが段違いだ。

原は以前にも「FAというのは選手にとって名誉なこと」と発言し、FAそのものには肯定的で移籍による球界の活性化を訴えた。しかし自身が出した代案では宣言する選手すら減ってしまう可能性もある。

補償はなんらかの形で必要であるが、選手の人生を狂わせかねない人的補償。撤廃も含めた議論がこれから先、必要になるのかもしれない。


■FAはプロ野球をつまらなくしている?

しらべぇ編集部が全国の20代から60代の男女466人にFA制度についての意識調査を実施したところ、全体の21.2%の人が「プロ野球をつまらなくしている」と回答している。

否定的なファンはそれほど多くないようだ。様々な思惑が絡むFA制度。選手ファーストで考えて今後、制度が進化していくことを期待したい。

(文/しらべぇ編集部・大山 雄也)

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年9月23日〜2016年9月26日
対象:全国20代〜60代の野球ファン466名(有効回答数)

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