元主将が慶應大応援部の盗撮事件を語る 「異様な絶対服従体質は変わってない」

元主将が慶應大応援部の盗撮事件を語る 「異様な絶対服従体質は変わってない」

元主将が慶應大応援部の盗撮事件を語る 「異様な絶対服従体質は変わってない」

「慶應義塾大学・応援指導部の男子リーダー部員の盗撮、のぞき、パンティ泥棒の疑惑報道を聞いたとき、私が思い浮かんだのは、明治大学応援団で2007年に3年生の男子部員が4年生による暴行・しごきを苦痛にして首吊り自殺した事件です」

そう語るのは東京六大学の一つで応援部の主将を務めたA君だ。

「あのときは六大学の応援部が事態を深刻に受け止め、下級部員の先輩への絶対的服従は見直そうという機運がありました。少なくともそれまで認められていた上級生による下級生への体罰という名の暴行は根絶しようとなりました。合宿所でチアリーダーが入浴しているときに、下級生に盗撮、のぞきなどをさせたことは上下関係の過酷なまでの厳しさの表れです」


■盗撮や下着泥棒も

週刊誌やスポーツ紙、ニュースサイトなどで報じられているが、事件を簡単におさらいしよう。

『週刊新潮』が報じたのは、慶大応援指導部の男子リーダー部員の不祥事。応援指導部を構成するリーダー部幹部の男子学生が、合宿中に後輩に指示してチアリーディング部の女子学生の風呂を覗かせたり、盗撮させたりしたほか、下着泥棒もはたらいたなどとしている。

2名の当該部員が3年生の時は後輩部員に女子風呂ののぞきを強制し、「○○はあそこの毛が濃かった」とか「○○は胸が小さかった」などと報告させ、悦に入っていたという。

当該部員2人が4年生になると、スマートフォンを後輩部員に持たせて女風呂を盗撮させ、動画を自慢していたとのことだ。


関連記事:慶応大アメフト部が無期限活動自粛 合宿中に部員が女子風呂盗撮の疑い

■SNS・公式サイトを削除

慶大応援指導部は事件が明るみに出るのを恐れてか、ホームページには12月3日から「應援指導部は、現在活動を自粛しております」とのみ記載され、9日に予定されていた定期演奏会の中止も報告している。

部員の紹介ページや部員の写真が載っているSNSもすべて削除された。問題を起こした部員2人が晒されるのを恐れたからだろうか。

■部や部員とは連絡とれず

じつをいうと筆者は六大学の応援部・応援指導部の取材を20年来しており、あまたの部員たちと接してきた。慶大の定期演奏会も行く予定で10月27日にチケット代を振り込んでいる。

応援指導部が公の場でパフォーマンスをしたのが三田祭・最終日の11月24日。本来ならば11月末くらいまでに届くチケットが送られてこず、3つのメールアドレス(一つは3年リーダー部員の個人のアドレス)に問い合わせしたが返事が来なかった。

そこにきて、今回の報道。記事には「当該部員2名に直撃」とあるから、記事になることがそこで発覚し、部内が機能停止になったと見るのが妥当だろう。


■大学は回答拒否

前出のA君は語る。

「定期演奏会というのはリーダー部・チアリーダー部・吹奏部の四年生にとって最後の花の見せ場。ご家族・親戚・ご友人が見に来て、終了後、懇談をする。それが終わると4年生は卒業となり、3年性に引き継がれるため、涙を浮かべて抱き合う光景も見られます。男子部員のたった二人のために他の数十名いる4年生があおりをくらい、花の舞台に立てないのは、彼ら彼女らにとって本当に苦痛なことだと思い、心中を察します」

明治大学で部員が自殺したときは明治大学はリーダー部を廃部にした。今春にリーダー部に体験入部した新年生に、虐待とも言える訓練を課して、全治2ヶ月の大けがをさせたことが発覚したのも1ヶ月前。

慶應義塾大学の広報は、取材に対して「プライバシー保護」をたてに回答を拒否。部員には取材箝口令を強いているともいわれる。はたして、これだけ問題を起こしたリーダー部が単なる自粛で終わるのか。明大のように廃部へと英断するのか。そのモラルが問われている。

(取材・文/及川健二)

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