水族館の魚がとった「驚きの行動」に目を疑う… エモすぎる光景にネット民感動

卒業から10年、数十年と経過しても、不思議と記憶に残っているのが「国語の教科書」の内容。たとえすぐに思い出せなくとも、タイトルを聞いた瞬間に内容がフラッシュバックする…という人は、少なくないはずだ。

以前ツイッター上では、とある水族館にて目撃された「国語の教科書を連想させる光景」が話題となっていたのをご存知だろうか。

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■水族館で現れたのは…

今回注目したいのは、ツイッターユーザー・じょうだんさんが投稿した1件のツイート。

「小学校のときスイミーを読んで、本当に魚群って大きな魚に見える形になるの? って疑ってたけど、旅行先の水族館で疑いが晴れた歴史的瞬間がこちら」と綴られた投稿には2枚の写真が添えられており、巨大な水槽の様子が確認できる。

アクアマリンふくしま

どちらも大量の魚が群れをなした構図となっており、注目すべきは2枚目の写真。こちらに写った魚の群れは、それ自体が「1匹の巨大な魚」とでも呼ぶべき形状となっていたのだ。


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■そもそも『スイミー』とは?

『スイミー』は絵本作家のレオ・レオニさんによる作品で、ここ日本では小学校2年生の国語の教科書に載録されていることでお馴染み。

赤い魚たちが全員で協力して「巨大な魚」を作り出し、その中で1匹だけ真っ黒な色をした魚・スイミーが「魚の目」の役を担って見事、巨大なマグロを追い払う…といった内容になっており、ツイート写真の「巨大な魚」は、まさに『スイミー』のワンシーンである。

こちらのツイートは投稿からすぐさま話題となり、わずか数日で2万件以上ものRTを記録。他のツイッターユーザーからは「確かにスイミーを思い出します!」「リアルスイミーですね」「なんて感動的な光景…!」「魚ってこんなにキラキラしてるんあ…」といった称賛の声が多数寄せられていた。


■ツイートまでの経緯が意外すぎる

アクアマリンふくしま

投稿の経緯について、ツイート投稿主・じょうだんさんは「旅行の終わりに写真を見返してたところ、たまたま水族館の写真の魚群が魚の形に見えて投稿しました。 撮った時は何も思わなかったので、見返してみてびっくりでした」と振り返っており、その場では「スイミー現象」に気づいていなかった様子。そうした意味でも、まさに「奇跡の1枚」と言えるだろう。

そこで今回は、こちらの奇跡的なショットをめぐり、写真が撮影された福島県の水族館「アクアマリンふくしま」に詳しい話を聞いてみることに。すると、写真に収められた魚は「キンメモドキ」という名称であることが判明したのだ。

■「スイミー現象」のレア度を尋ねると…

小学校の時スイミーを読んで、本当に魚群って大きな魚に見える形になるの?って疑ってたけど旅行先の水族館で疑いが晴れた歴史的瞬間がこちら pic.twitter.com/ibRFh9wLp8

— じょうだん (@joudan555) January 2, 2023

今回のような「魚の群れが巨大な魚に見える」現象はしばしば起こり得るのか尋ねると、担当者からは「キンメモドキの群れは先頭の仲間に付いて行こうとするため、丸い塊や細長い形、時には大きな魚の形など様々に形を変えます。魚の形に見えてもすぐに群れの形は変わります」との回答が。

アクアマリンふくしま

また「夜に餌を求めて活発に行動する夜行性なので一般のダイバーでも、群れて魚のような形で見える機会は少ないかもしれないです」とも補足しており、写真に収めることはもちろん、その瞬間に遭遇すること自体かなりレアケースであることが窺える。

なお、アクアマリンふくしまでは、日中でも時折水槽の上から餌を撒き、群れを動かしているそうだ。

アクアマリンふくしま

担当者は「他の水族館と比較しても多い数(2023年1月現在で、約1万匹)のキンメモドキを展示しているため、大きな魚のような形に見える機会は多いかと思います」ともコメントを寄せていた。


■つくづく『スイミー』に縁がある?

2000年7月にオープンしたアクアマリンふくしまでは、様々な展示から「環境」に対する工夫が感じられる。

アクアマリンふくしま

たとえば、福島の沖合は日本列島の南と北から何千キロもの旅をしてきた黒潮と親潮が出会う「潮目の海」を形成していることから、同施設は「潮目の海」を展示のメインテーマとし、福島の川から海へ、そこから海流を辿りながら親潮、黒潮のふるさとへ展開するストーリーを構成しているのだ。

アクアマリンふくしま

また、従来の水族館のように、水中の生き物を「展示」するだけでなく、自然の中で、日ごろ生き物たちが生活している自然をそのまま再現した「環境再現型の展示」にこだわり、自然の中のありのままの生き物たちの姿が見られる点にも注目したい。

企画展「絵本すいぞくかん〜アクアマリンふくしま✖️スイミー〜」にキンメモドキを展示しました。リアルスイミーです。#アクアマリンふくしま #スイミー #水族館 pic.twitter.com/gXamDb9GoZ

— 【公式】アクアマリンふくしま (@aquamarinestaff) January 1, 2023

そして、なんと同施設では、昨年7月から「絵本すいぞくかん~アクアマリンふくしま×スイミー~」なる企画展を開催しており、キンメモドキによる「リアルスイミー」のツイートが話題を呼んだことに、運命に似た何かを感じてしまう。

こちらの企画展では『スイミー』の世界を通して海の不思議と多様性、そして自然環境を守る大切さを紹介しており、作中に登場する海の生き物たちも展示されているそうだ。

アクアマリンふくしま

同展は5月7日まで開催中なので、ぜひ『スイミー』に縁があるアクアマリンふくしまに、一度足を運んでみてほしい。


【施設詳細】

アクアマリンふくしま

「アクアマリンふくしま」

福島県いわき市小名浜辰巳町50

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