性教育のマンガが話題。体の“自分だけの大事なパーツ”4つをまず知ろう

性教育のマンガが話題。体の“自分だけの大事なパーツ”4つをまず知ろう

『おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方』(KADOKAWA)

「赤ちゃんはどうしてできるの?」。大人が子どもに聞かれて困る質問ナンバーワンとも言えるこのクエスチョン。自分の子どもに限らず、もし小さな子に聞かれたら。あなたは何と答えますか?

 こうした性に関する子どもの素朴な質問への答え方から、性犯罪の被害者・加害者にならないための日々の言葉かけまで、性教育についてマンガを交えてわかりやすく解説した『おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方』(KADOKAWA刊)は、2020年3月に発売され、13万3000部を突破したベストセラー。子育て中の人に限らず、大人女性が自分のために読んでもためになる内容が満載なんです。

◆私たちは「正しい性教育」を受けそびれた!?

 とくに1980〜1990年代に性教育を受けた現在30〜40代の女性は、性に対して「恥ずかしい」、あるいは「後ろめたい」という気持ちを持ってしまう傾向が強いと言われているそうです。

「大人の皆さんも、正しい性教育を学び直してみてはいかがでしょう」と語りかけるのは、マンガイラストレーターのフクチマミさんとともに本書を著した村瀬幸浩(むらせ・ゆきひろ)先生。半世紀にわたり性や性教育に携わっている村瀬先生に、30〜40代の女性を代表して話を聞きました。その内容を、本書のマンガとともにご紹介しましょう。(以下、コメントはすべて村瀬先生)

◆命・体・健康について学ぶことで、自己肯定感が高まる

 私たちが性について学び直すと、どんなメリットがあるのでしょう。

「性教育は『命・体・健康』についての学問です。正しく学ぶことで、自分の性や体に対して肯定的に捉えられるようになり、自己肯定感の高い人間になることができます。自己肯定感の高い人は自分だけではなく相手も尊重できるため、幸せな人間関係を築く力の土台となるんです」

 辞書によると「自己肯定感」とは、自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉。性教育といえばセックスやポルノを連想するのは、どうやらかなり古く偏っているようです。これは、アップデートしなくては!

◆セックスとは「トラブルを覚悟すること」でもある

 大人になるとどうしても、「性」と聞くと真っ先にセックスを連想しがちではありませんか? 村瀬先生によるとセックス、つまり性交は、性教育の数あるテーマの1つだそう。冒頭の質問「赤ちゃんはどうしてできるの?」に堂々と答えるためには、セックスの意味を問い直す必要がありそうです。

「もちろん、性交について考えるのも大切なことです。性交とは、お互いのプライバシーを明け渡し、命を預け合う行為とも言えるんですよ。

 性交時は基本的にお互い裸になるため、逃げられない状態です。もし相手が暴力的な行為に及べば、命と体が危険にさらされかねません。また互いに性感染症を移したりして、健康を害する恐れがあります。HIV感染・エイズが拡大したときの一番の安全対策は、『NO SEX(セックスしないこと)』と言われました。ほかにも、予期しない(望まない)妊娠をする可能性もあります。

 つまり、セックスをすることはなんらかのトラブルを覚悟することでもあるのです。

 そういったトラブルと無縁の人生を送るために、性に関する正しい知識と行動力が大切。性交について正しく理解することは、慎重な性行動と、幸せにつながる性行動を生み出します。性的トラブルを避けられるようになりますし、万が一トラブルにあっても、解決に向かって適切に対処しやすくなります」

◆口も大切な「プライベートパーツ」

「プライベートパーツ」という言葉を聞いたことがありますか? 性教育を学び直すためには、この言葉が欠かせません。

「そもそも体は全部その人のもの。その中でも特に、他人(親であっても)が勝手に触ったり触らせたりしてはいけない部分があります。自分だけ触っても良い大切なところ、それが『プライベートパーツ』です。

 プライベートパーツとは、『口・胸・性器・お尻』の4箇所を指します。体の内部につながり妊娠、出産、性愛などその人のいのちに直接かかわる部分です。プライベートゾーンや水着ゾーンという呼称もありますが、この呼び名では布でおおわれた箇所しかイメージできないかもしれないので、私はあえてプライベートパーツと呼んでいます。口も、大切なプライベートパーツの1箇所です。

 お子さんがいらっしゃる方には、『プライベートパーツはあなただけのものだから、大切に扱わなくてはいけないよ。優しく清潔にしよう。もし勝手に触ったり見たりしようとしてきた人には、イヤだ!! と言って、逃げなさい』と教えていただきたいです。もちろん、大人も同じく大切にすべき箇所です。セックスは単に肉体や性欲のことだけではなく、大切に守ってきたプライベートパーツを相手に明け渡す、命を預けるような行為なんですよ」

 性教育を学ぶことは、自分の心と体を大切に守ることにつながる。このことを念頭に、次回は防犯のための「NO・GO・TELL」についてお伝えしていきます。

―大人が学びなおす“性”のこと―

<村瀬幸浩 取材・文/内埜さくら、女子SPA!編集部>

【村瀬幸浩】

東京教育大学(現筑波大)卒業後、私立和光高等学校保健体育科教諭として25年間勤務。この間総合学習として「人間と性」を担当。1989年同校退職後、約25年間一橋大学、津田塾大学等でセクソロジーを講義した。現在一般社団法人“人間と性”教育研究協議会会員、同会編集による『季刊セクシュアリティ』誌編集委員、日本思春期学会名誉会員。著書に『3万人の大学生が学んだ 恋愛で一番大切な“性”のはなし』、『おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方』(ともにKADOKAWA刊)など多数。

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