女性に多いめまい、その原因と対策。長時間の同じ姿勢も要注意

女性に多いめまい、その原因と対策。長時間の同じ姿勢も要注意

写真はイメージです(以下同じ)

女性に多いと言われている、めまい。経験したことがなく突然起こると、なにか悪い病気なのでは? なんて焦ってしまいます。気になったらもちろん病院に行くのが一番なのですが、色々な検査をしても結局「原因不明」なんてことも。

 産科婦人科舘出張(たてでばり)佐藤病院の院長・佐藤雄一先生によると、女性のめまいには、ホルモンも関係していることもあるとか。そこで今回はめまいについて、考えられる原因、危ないものとそうでないものの見分け方、日常的な注意点など、佐藤先生に詳しく聞きました。

◆女性のめまいは男性の2.5倍も多い

――めまいは女性に多いといわれているようですが、なぜなのでしょう?

佐藤雄一先生(以下、佐藤)「女性のめまいは男性の約2.5倍多いです。男女とも、めまい症状は加齢変化のため70代で増加します。ただ女性の場合は10代から増加して30〜50代が多く、70歳から再度増加してきます。

 女性のめまいが多いのは、加齢だけでなく女性ホルモン(エストロゲン)の影響および社会・心理的背景の関与が考えられます。女性の方が健康や体調の変化に敏感で、すぐに受診するためとも言われてます」

――めまいが起こったら、まず何をすべきですか?

佐藤「めまいの発作が起きたときは、まずはあわてないことが大切。転倒しないよう注意しながら、座れる場所や横になれる場所へ移動し、楽な姿勢でしばらく休みます。車を運転しているときは、すみやかに路肩に駐車し休みましょう」

◆ストレス、耳、脳の異常まで、めまいの原因はさまざま

――めまいの原因は何ですか?

佐藤「めまいの原因には、次のようなものがあります。

1. 急に立ち上がった時などに起きる血圧の低下である起立性低血圧

特に思春期に多い

2. ストレスや過労や更年期障害での自律神経の乱れ

(ア)過労や睡眠不足、精神的なストレスなどがつづくと、自律神経が乱れやすく、ふわふわしたり、クラクラするめまいがおきる。耳鳴りや頭痛、肩こりなどの症状があらわれることもある。

3. 耳の異常

(ア)突発性難聴やメニエール病

突発性難聴やメニエール病は、突然急に聞こえが悪くなったり、めまいや耳鳴りを起こす病気です。原因不明ですが、過労やストレス、睡眠不足などが関係しているとの報告もあります。なるべく早めに受診することが重要です。

(イ)良性発作性頭位めまい

良性発作性頭位めまいは、内耳にある耳石が、何かの拍子で三半規管の中に入り込んでしまうことでリンパ液の流れに異常を生じ、回転性のめまいを起こします。特定の方向に頭を動かしたときにだけ症状が見られるのが特徴です。長時間同じ姿勢でいることが原因で起こると考えられています。

(ウ)内耳炎、慢性中耳炎

細菌やウイルスの感染による炎症がおこると、難聴・耳閉塞感・耳鳴りなどの聴覚症状や、めまい・ふらつきなどの平衝障害などが現れます。

(エ)加齢性平行障害 加齢によるふらつき

加齢とともに平衡機能に関わる器官の機能が落ちてきます。高齢者のめまい・ふらつきでは筋力の低下、視力の低下、自律神経反射の低下など様々な要因があり、その原因を特定できないことが多く見られます。

4. 脳の異常

(ア)脳梗塞 脳出血

(イ)脳腫瘍など 頭の病気 頻度は高くない

5. その他

貧血や目の問題、循環器(心臓などの脳循環障害おこすもの高血圧)、さまざまな病気の症状としてめまいをおこすこともあります」

◆すぐに救急車を呼ぶべき危険なめまいとは?

――めまいが起こったとき、そのまま休養して様子を見るべきときと、病院に行くべきときの見分け方はありますか?

佐藤「一時的なもので、その後なんの症状もなければ様子を見てもいいかもしれません。繰り返すめまいや、ぐるぐる回るような場合、耳鳴りが起こる場合は、耳鼻科や脳神経外科か神経内科を受診します」

――中には脳の病気が疑われるなど、危険なめまいもありますよね。すぐにでも救急車を呼ぶべきめまいはどんなものですか?

佐藤「めまいには脳の疾患が原因で起こる危険なめまいもあります。激しい頭痛や舌のもつれ、物が二重に見える、手足のしびれなどをともなう場合は、救急車を呼び一刻も早く病院へ行くことをお勧めします」

――めまいを経験したものの、内科や耳鼻科で検査をして「原因不明、疲れやストレスでは?」と結論づけるしかない人もいるようです。原因不明のまま放っておいても良いものでしょうか?

佐藤「原因不明の場合、疲れやストレスだけでなく、更年期障害が原因のこともあります。婦人科に相談してみるのも良いでしょう」

◆目を閉じて直立、片足だけで立つなどの練習も有効

――めまいが慢性化することもあると聞きます。予防や改善のために何かできることはありますか?

佐藤「ストレスや睡眠不足を改善し、適度な運動を心がけ、自律神経を整えるようにするといいかもしれません。

 神経の代謝を促すよう、食事に気をつけることも大切です。ビタミンB群、とくにビタミンB12は必要です。カフェインや香辛料は神経を刺激して興奮させる作用があり、(症状のある方に対しては)めまいを引き起こしたり悪化させる可能性があるので避けた方がいいかもしれません。

 めまいの治療の一環として平衡(へいこう)訓練というものがあります。目や足の訓練をすることで三半規管の機能を高めてめまいを解消することが期待できます。じつは朝起きてから夜寝るまでの日常生活の動作が、全て平衡訓練につながっています。たとえば、洗顔時に目を閉じて直立したり、片足だけで立つ練習をするといいです。またズボンやスカート、靴下を立ったままはいてみたり、階段の上がり下りを積極的に行うなど、生活の中でも平衡機能を鍛えることができますよ」

<佐藤雄一 取材・文/女子SPA!編集部>

【佐藤雄一】

産科婦人科舘出張(たてでばり)佐藤病院 院長。順天堂大学産婦人科学教室非常勤講師。女性の生涯にわたるメディカルアドバイザーであることをライフワークとし、プレコンセプションケアの観点から食事や栄養、運動など生活習慣の大切さを指導している。女性アスリートの健康支援やNPO法人ラサーナ理事として子宮頸がん、乳がん検診率向上や予防に向けた活動にも力を入れている。

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