外出自粛中にアプリでマッチした男女、「リモートお弁当」で本気になるまで

外出自粛中にアプリでマッチした男女、「リモートお弁当」で本気になるまで

写真はイメージです(以下同)

 みんなが外出自粛していた4〜5月。新たな出会いなんてあるわけない…と思いきや、ごくわずかなコミュニケーションをきっかけにお付き合いを始めたカップルがいました。

 WEBサービス系の会社に勤務している都内在住の雪本さん(仮名・34歳)は、一人暮らしのため人と話をする機会がめっきり減ってしまい、寂しさをまぎらわすべく興味本位で4月の中旬頃に婚活アプリに登録をしたそうです。

◆趣味が合う男性と意気投合

「もともと周りの友達にも『婚活アプリにまで頼りたくない』って豪語してた人間なんですけどね(笑)。その時はいつまで続くかわからない自粛生活で、このまま永遠に新しい出会いもなく年をとってしまうのでは……と、急激に不安になってしまって」

 本気で恋人を見つけるというよりも、とにかく人と接したい気持ちが強かったという雪本さん。運が良いことに、趣味も年齢も近い男性とマッチングでき、頻繁にメッセージを送り合うようになったそうです。

「軽い気持ちで始めた婚活でしたが、意外なほどサックリと理想的な相手が見つかって。趣味がかなり合ってたんですよ。アプリ上のメッセージの応酬がすぐにLINEになって、同じテレビ番組を見ながら感想を言い合って盛り上がったり、好きな音楽を送り合ったり。どんどん心の距離が縮まっていくのを感じました」

◆ビデオ通話で初めての対面

 2人のやりとりが文字上から電話での会話、さらにオンラインでのビデオ通話に切り替わるのにもそう時間は掛かりませんでした。

「顔を初めて合わせるって時には、もうめちゃくちゃ緊張しましたよ。ステイホーム中に初めてしっかりメイクもして(笑)。

 私はよく芸人の友近似って言われることがあるので、それを伝えてあったんですけど『友近より可愛い』って言ってくれて嬉しかったです。彼の方は年齢よりちょっと若く見える、ミキの弟の方みたいな感じでしたね。お互い芸人っぽい顔してるってどうなんだよって笑っちゃいました」

 そのうち毎日のようにオンライン晩酌デートをするようになった2人。こうなると、やっぱり一度直接会ってみたいと願ってしまうのは当然のこと。でも雪本さんにはこのご時世にアプリで知り合った人とデートなんて……と躊躇してしまうところがあったようです。

 ところが、日課となったオンライン晩酌中、彼がポツリと「雪本さんの手料理が食べてみたいなぁ」と言ったひと言が彼女の中に火をつけました。

◆お弁当を届けることを思いつく

「その日はお酒の肴にネギ入りの出し巻き卵とスナップエンドウの煮びたしを作っていたのですが、それを食べてみたいって。そこで、私は彼にお弁当を作って届けることを思いついたんです」

 実は雪本さんと彼の共通の趣味がランニング。2人の住む場所はそんなに離れておらず、雪本さんはちょうどその中間地点あたりに小さな公園があるのを見つけました。雪本さんは運動不足の解消も兼ねて週に1〜2回ほど近所で早朝ランをしていたのですが、そのコースを変更することを思いついたのです。

◆公園でお弁当を渡して、一瞬で帰った

「彼もその頃も定期的に近所を走っていたらしく、その案にのってくれました。早朝デートが実現したのは、5月中旬くらいですね。ランニング用のリュックにお弁当を詰めて、待ち合わせの公園まで走りました。

 直接会えたあの日の感動は忘れられないです。あ〜彼は本当にいたんだ!みたいな。いくらビデオ通話で顔を見て喋っていても、やっぱり実在してるのかどうか5%くらい不安だったし(笑)」

 とは言っても、長時間その場に留まって話をすることはなく、顔を合わせたのは本当に一瞬。お弁当を渡して、そのまますれ違うような形で自宅へと戻ったそうです。

◆ビデオ通話ごしにお弁当を食べる彼

 すると家に帰ったらすぐに彼からビデオ通話がきたんだそう。

「画面の向こうでお弁当を食べてくれる姿には感動しました。鮭フレークとバターのおにぎり、めっちゃ美味しそうに食べてましたね〜。卵焼きも明太マヨバージョンもいれたらすごく喜んでくれて。

 次のランニングの日には、彼がお礼だって近所で買ったらしい美味しいパンを用意してくれていました。そんな感じで、5月いっぱいはデートを重ねました」

◆ようやくランチデートに

 そしてようやく緊急事態宣言が解除され、公園での逢引(あいびき)の時間が少し長くなってきた今日この頃。雪本さんは今週末に彼とのランチデートの約束をしているそう。

「もうランニングですっぴん見られてるし今さらなんですが、何を着ていこうかどういう髪型にしようか今からドキドキなんです」

 緊急事態宣言が明けた今、ようやく2人の恋が動き出しそうです。

<文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】

フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。

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