石田ゆり子、沢口靖子も。「ジブリ作品」で声優をやっていた芸能人たち

石田ゆり子、沢口靖子も。「ジブリ作品」で声優をやっていた芸能人たち

『Lily ――日々のカケラ――』(画像:Amazonより)

 5月16日、女優の石田ゆり子がインスタグラムに24年前に撮影された写真をUPしました。写真は1996年に撮影されたものだとし、「えーーっと…27歳?ちょうど もののけ姫の声を吹き込んでいた年齢ですね」(原文ママ)とコメント。

 石田は映画『もののけ姫』(スタジオジブリ)で主人公のサン役をつとめており、ファンからは「サンの声、最高でした」という称賛の声ととともに、「サンの声はゆり子さんだったのですか!! びっくり」という驚きの声も上がっています。

 さらに、6月26日より、全国372館の劇場で『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ゲド戦記』が上映されます。そこで、今回は石田の他にもジブリ作品で声優をつとめた芸能人を紹介します。

◆『もののけ姫』 モロの声はあの大御所

 冒頭で紹介した石田の他にも、『もののけ姫』では豪華俳優陣が声優として出演。ジコ坊役の小林薫や、甲六役の西村雅彦、ヒイさま役の森光子、乙事主(おっことぬし)役の森繁久彌など、実力派俳優が名を連ねています。

 その中でも、「黙れ小僧!」「おまえにサンが救えるか!」など、数多くの名言を残した、モロ役の美輪明宏が強く印象に残っている、という人も多いのではないでしょうか。犬神のモロは、人間に捨てられたサンを自分の娘のように愛し育てるという設定でした。犬神という神聖な存在のなかにも母性に満ち、畏れなど全てを包括した存在であるモロを、声だけで表現した美輪の演技は圧巻です。

 歌手としてデビューした美輪は、声優としては『もののけ姫』の出演が初めてだったそうですが、美輪はモロ役で東京スポーツ映画大賞助演男優賞を受賞しています。

◆『耳をすませば』 天沢聖司といえば…

 図書カードを通じて出会った月島雫と天沢聖司の2人が、いつしか共に夢を追いかけ恋愛関係になるという青春ストーリー、『耳をすませば』。1995年に公開されたこの作品では、当時14歳の高橋一生が天沢聖司の声をつとめています。雫に思いを寄せながらも、バイオリン職人になるためにひたむきな聖司を、高橋は見事に演じています。

『耳をすませば』の近藤喜文監督によれば、出演者を選ぶ際に「日常的な芝居が普通にできることと、実年齢が持つ空気や存在感を大事にしたい」と考えていた、とインタビューで語っており、その要素を全て兼ね備えた高橋が、等身大の聖司を見せてくれました。

 高橋は、2017年にドラマ『カルテット』(TBS)でヴィオラ奏者である家森諭高の役を演じてSNSで話題に。「『耳すま』でバイオリン職人を目指していた聖司が、ヴィオラ奏者になってる!!」「リアル天沢聖司じゃん」と、『耳をすませば』ファンから感激の声があがりました。14歳の少年だった高橋の演技は、時を経てもまだ人々の心に残っているようです。

◆『千と千尋の神隠し』 湯婆婆、千尋の母親、おしら様は?

『千と千尋の神隠し』では、異世界の町を支配する魔女・湯婆婆の役を女優の夏木マリが演じています。湯婆婆といえば、ビジュアルのインパクトもさることながら、厳しい態度で「油屋」を経営するなど、圧倒的な存在感を放っています。

 そんな恐ろしいイメージの湯婆婆ですが、夏生は「とにかくかわいくて面白い『愛すべき人物』」と語っており、「時代を一生懸命に生きる中で、そのアグレッシブさから世間的には悪い人だと思われてしまう…。そんなイメージで湯婆婆を演じた」と『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ系) 公式ツイッターでは語っています。

 一方、掟を破り食事をしたことで、豚にされてしまった千尋のお母さん・荻野悠子役を沢口靖子が演じています。沢口と言えば、クラッカー商品『ルヴァン』(ヤマザキナビスコ)のCMで爽やかなイメージが強いのですが、『千と千尋の神隠し』では、冷たくドライな印象のお母さん役を演じています。「お母さんの声は沢口靖子だったんだ」と意外に感じた人もいたのではないでしょうか。

 他にも、「油屋」の客である巨大な大根の神様・おしら様を安田顕が演じています。名前を呼ばれることも言葉を発することもなく、唸っているシーンのため、あれが安田顕の声だったのか、と驚く人もいるのではないでしょうか。

◆『ハウルの動く城』 豪華な声優陣にビックリ

『ハウルの動く城』では、主人公・ハウルの役を木村拓哉が演じています。宮崎駿アニメでも屈指のイケメンキャラのハウルを木村が演じているのですが、紳士ながらもミステリアスなハウルと木村の声が、劇中で見事にシンクロしていました。

 そして、ソフィーに魔法をかけた荒地の魔女役を、美輪明宏が演じています。美輪と言えば先述した『もののけ姫』でもモロを演じていますが、『ハウルの動く城』でも、若い男性が大好きで、手下を使ってハウルの心臓を狙う、という強烈なキャラクターを演じています。魔女から魔力を奪われて弱々しい老婆になった声も、全て美輪が演じており、あまりの豹変ぶりに驚かされます。

 さらに、物語序盤でソフィーにからむ兵士A・Bを、これまた安田顕と大泉洋が演じており、少ししか出演しない役柄までも豪華俳優人で固めていることに驚きます。大泉は他にも、案山子に変えられた王子・カブも演じています。

◆『となりのトトロ』 サツキとメイのお父さんはあの人

『となりのトトロ』では、サツキとメイのお父さん・草壁タツオ役を糸井重里が演じています。入院している母親に代わってサツキとメイの面倒を見る、温かくて優しいお父さんのキャラクターと、糸井の素朴な声がマッチしています。

 糸井は、『となりのトトロ』のキャッチコピーも担当しており、作品には「このへんないきものは、まだ日本にいるのです。たぶん。」という言葉が添えられています。他にも『蛍の墓』『もののけ姫』『魔女の宅急便』など、糸井はジブリ作品の多くのコピーもてがけています。

 ジブリ作品では声優をメインキャストに使わないことが多く、これに対しサツキ役を演じた日のり子(58)は、『トトロ』Blu-ray発売トークイベントで、「声優にもチャンスが欲しいなぁと思いますね」としつつも、「糸井重里さんのお父さんは、声優では出せない飄々とした、ちょっと照れくさそうな雰囲気が凄く良かったです」とコメントしています。

◆『崖の上のポニョ』 宗介のお母さん・リサは誰?

 さかなの子・ポニョと5歳の少年・宗介の物語である『崖の上のポニョ』では、宗介の母親のリサを山口智子が演じました。あっけらかんとした性格ながらも、貨物船の船長をしている夫の耕一が仕事で帰ってこられないと拗ねるなど、かわいらしくも心優しいリサは、山口のイメージそのままでした。

 津波で町が水に覆われてしまったとき、自分の働く「ひまわり園」にいる老人たちを心配し、リサは見に行こうとするのですが、リサと一緒に行きたいと言う宗介に対し、「宗介ね、いまこの家は嵐の中の灯台なの。真っ暗ななかにいる人は、みんなこの光にはげまされているわ」と、優しくも力強い母親の言葉で諭します。

 リサのこのセリフは、公式サイト『金曜ロードシネマクラブ』(日本テレビ)が発表した、『崖の上のポニョ』の「名セリフdeキター!」ランキングで1位を獲得。リサの深い愛情と親子の絆を感じさせました。

 また、同作品ではリサの夫・耕一(54)を長嶋一茂が演じています。

 声だけで、キャラクターがもつ背景や物語の世界観まで表現してしまう、役者さんの演技に圧巻させられます。そして意外な配役ながらも、作品を見れば見るほど「納得」の配役であることに、改めて気づかされます。

<文/瀧戸詠未>

【瀧戸詠未】

ライター/編集者。趣味は食べ歩き・飲み歩き。

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