「不倫のボーダーライン」はどこ?恋愛トラブルと法律のアレコレ

「不倫のボーダーライン」はどこ?恋愛トラブルと法律のアレコレ

写真はイメージです(以下同)

 SNSでの誹謗中傷、デートDV、各種ハラスメント、etc。これらに泣き寝入りしてしまうのは、私が悪いの?とつい思ってしまうからではないでしょうか。

『おとめ六法』は、そんな女性の味方になる法律本。恋愛、仕事、暮らし等々、日々経験する些細なトラブルから、誰にも言えないような深刻な問題まで、女性の立場になって解決しています。

 でも法律って難しそう。そもそも法律って何? 本書によると、「法律とは、国が時に“国家権力”を用いて国民に守らせる“決まり”や“ルール”である」と解説。さらに法律には大まかに言って、「(2)国民一人ひとりの『権利・義務』。(2)『権利・義務』が実現されるための『手続き』」が決められています。

 法律が私達にとって大切なのはわかります。しかし、身近でないことも確か。本書には、女性が遭遇しそうなトラブルや問題、悩みに関してケーススタディにわかれています。困った時にどう対処すればいいのか、辞書のような使い方ができるのが魅力。あなたや友人知人が巻き込まれるかもしれないいざこざ、未然に防げるかもしれませんよ。

◆もし婚約後に彼の浮気が発覚したら…

 恋愛や結婚にまつわる事例を、本書からかいつまんでみます。

【事例1】

「婚約、結納も完了した後に、彼の浮気が発覚。婚約破棄を願い出たのに、彼は応じず、逆に『婚約を解消するなら慰謝料を払え、結納金も返せ』と言ってきた」

 あまりにも悲しく、酷い話です。でも案外身近にありそうな気もしますよね。浮気のダメージに加え、彼の本性が垣間見えたとなっては、やはりタダで済ますわけにはいきません。こんな時、あなたを守る法律は「民法第415条 債務不履行による損害賠償」「民法第747条 詐欺、または強迫による婚姻の取り消し」このふたつです。

 本書いわく、「婚約をしたとしても『必ず結婚をしなければならない』とは考えられていない」と言い、「嫌がっている人を強制的に結婚させることまで、法律は定めていない」のです。事例1には婚約破棄に至る「正当な理由(彼の浮気が発覚)」があり、彼の側に慰謝料を支払う義務が発生するのです。

ちなみに「正当な理由」には他に、

・侮辱・虐待された場合

・相手の家族と良好な関係が築けない

・交通事故や災害等で相手が障害者になった場合

・相手が失業した場合

・莫大な借金や前科、性的不能などの障害を隠していた場合

 などが挙げられるそうです。いずれにしても、自分の気持ちを見極め、前に進む勇気を持ちましょう。様々な経験が、しあわせへの第一歩につながります。

◆不倫のボーダーラインとは?

【事例2】

「相手が結婚しているのを承知で付き合い、相手の配偶者にバレたら慰謝料を請求される?」

 ところで皆さん、不倫のボーダーラインってどこだと思いますか? 次のうち、法的に不倫を認められるものを選んでください。

1. 仕事の打ち合わせで、夫が職場の女性と食事に行った

2. 夫が性交渉までOKの風俗に通っている

3. 夫が交際相手と「キスをした」ことが発覚した

4. 夫が同僚の女性社員に片思いしているが、女性社員からは相手にされていない

◆「不貞行為(性交渉)」があったら不倫

 本書によると、「離婚理由になる不倫は『不貞行為(性交渉)』があった場合」。つまり法律上では2だけになります。3は『不貞類似行為』、2・4は『不貞行為』にあたることはありませんが、妻が嫌だと感じるのであれば、『性格の不一致』で離婚に至ることもあるそうです。

 結論として、「彼が既婚者と知って関係を持ったら不貞行為、すなわち不法行為になり、慰謝料を請求される可能性があります」。

 好きになったら止められない、私のほうが先に彼と会っていれば、等々、こじれた恋愛は神様もお手上げかもしれません。が、もし不倫相手(彼)が「もうすぐ離婚する」「別居していて夫婦関係は破綻している」と吹聴し、それが本当だったら、「平和な結婚生活を送る権利」は既に存在しないので、不法行為にはならないそうです。

 恋愛成就や良縁祈願なら神様は強い味方ですが、不倫がからむと神様よりも法が勝ってしまうみたいですよ。

 いつ何時、自分の身に降りかかるかわからない不運。私は悪くないのに、と抵抗してみても、ひとりの力ではどうにもならないことも。本書の巻末には、どことなく敷居が高い弁護士への相談の仕方や、弁護士にかかる費用など、最初の一歩でつまづかないための知識も掲載。心の常備薬になりそうな、そんな1冊です。

―小説家・森美樹のブックレビュー―

<文/森美樹>

【森美樹】

1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)を上梓。Twitter:@morimikixxx

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