セックスレス妻の地獄を描いたマンガに「涙しかない」/著者ポレポレ美×伊織もえ対談

セックスレス妻の地獄を描いたマンガに「涙しかない」/著者ポレポレ美×伊織もえ対談

(c)ポレポレ美/Vコミ

 夫婦のセックレス問題を克明に描き、話題を集めている漫画『今日も拒まれてます〜セックスレス・ハラスメント 嫁日記〜』(縦型漫画サイト「Vコミ」で連載中)。

 作者であるポレポレ美さんと、作品のファンを公言するカリスマコスプレイヤーの伊織もえさんが、メールを通じてリモート対談を行いました。

“コロナ離婚”も騒がれる昨今だからこそ考えたい、夜の結婚生活をめぐる理想と現実。女性2人の本音が交錯する、赤裸々トークをご覧ください。

◆きっかけはラジオのコーナー

ポレポレ美(以下、ポレ美): 伊織もえさん、はじめましてこんにちは。この度は、メール対談をご快諾いただきまして、ありがとうございます。伊織さんは本作(=漫画「今日も拒まれてます〜セックスレス・ハラスメント 嫁日記〜」)をお読みになってくださっているそうですが、きっかけは何だったのでしょうか? 教えていただけると嬉しいです。

伊織もえ(以下、伊織): こちらこそ、はじめまして。伊織もえです。作品を読むきっかけになったのは、TBSラジオ「たまむすび」のコーナー、「コミックシーモア presents みんなが選ぶ!電子コミック大賞2020」でした。私はそのスペシャルナビゲーターに選ばれていたのですが、エントリーのなかにポレポレ美先生の作品があって、読ませていただきました。

ポレ美: 早速のお返事ありがとうございます。そうだったんですね、コミックシーモアのエントリーによって知っていただけたなんて、私生活を切り売りしていてよかったなぁ、としみじみ思います……。

◆泣きながら朝4時まで読んだ

伊織: 作品を読み進めて、本当に衝撃を受けました。変な意味ではなく、女性としてスゴく自分のためになる、いい作品だなと。ポレ美先生は、現在お元気に活動されているとは思うのですが、作品のなかではどんどんと傷つかれていたので、読んでいるときの私のリアルタイムな心境としては、「ポレ美さんがヤバイ! 気をつけて!!」と先生の身を案じながら応援していました。結果、気がついたら朝の4時になっていました。

ポレ美: 新刊のコミックス『今日も拒まれてます〜セックスレス・ハラスメント 嫁日記〜 心の異変編』(ぶんか社)では、伊織さんに帯のコメントをいただきました。そこに「令和で一番泣いた漫画。泣きながら朝4時まで読みました」とあって、「ああ、こんな風に言っていただけるなんて」と嬉し涙が出そうになりました。素敵なコメントをいただき、本当にありがとうございます。ちなみに、印象に残ったシーンなどが、もしあったら教えてほしいです。

伊織: 「ポレ美さんが土下座をする」シーンが、特に印象に残っています。「お願いします! 私とセックスしてください」って。読んだ後、心のなかで「ポレ美さんは何も悪くないじゃんっ!!」という気持ちが大きくなってきて、私も本当に悔しい思いになりました。

ポレ美: あのシーンは、私自身も描くのがシンドくて仕方がなかったところなので、そう言っていただけるとありがたいです。一連の言動は、もう体と口が勝手に動いてしまった結果なのですが、自分の存在価値や女性としてのアイデンティティなど、自分自身で破壊していったように思えました。描くことで記憶が蘇るのもシンドかったですが、描いた後も空っぽな気持ちが続いたのを覚えています。

◆やっぱり浮気していた

伊織: ポレ美先生は、ご自身でほかに描くのがツラかったのはどんなシーンですか?

ポレ美: 詳細は作品に描いているので省きますが、父の土下座シーンでしょうか。あとは、山木さんが浮気を告白してから、その後の浮気相手を交えての話し合いまで。途中、様々な人たちが登場するので、土下座や自殺未遂とは違う意味でイヤすぎて、途中「キツイ、キツイ!」と何度、口に出していたかわかりません……。

伊織: 私が思うに、フミハルさん(=ポレ美の旦那である山木フミハル)は、自分より弱い者を悪者にして、自分を正当化するのが上手だなと。どうしても、そう思っちゃいます。自分を棚上げするにしても、「そんな高い棚ってある???」って感じです。

ポレ美: そうやって分析できるのってスゴイですね。私はまったく、そういう風な捉え方ができなかったので。今、伊織さんの意見を聞いて「ああ、そうなんだな。なるほど」と。私自身がどうしようもない部分が多い人間なので、山木さんから意見を言われたときも「自分が悪いんだな。自分のせいだな」と、ずっと思っていました。

伊織: 私が作中のポレ美さんというキャラクターに持っているイメージは「家族思いで寛容な人」。二人の問題にきちんと向き合って、解決しようと歩み寄れる人だなと。自分が抱えられるだけ抱えてあげて、相手にを余裕を与えてあげられる、とても優しい人だと思います。

◆子づくりは自然の摂理だと思っていた

ポレ美: そう言ってもらえると……ありがとうございます。伊織さんは、理想の夫婦像や結婚観というものはありますか?

伊織: 夫婦といっても、人と人の付き合いなので、お互いに自立し合っているのがいいですね。人はひとりで抱え込める量が決まっていると思います。だから、あまり自分が寄りかかりすぎちゃうと、相手の負担になりすぎてしまう。お互いに自立し合えていれば、二人とも余裕ができて、だから何か困ったことがあれば二人馬力で頑張れるんだと考えています。

あとはお互いに、相手への思いやりを持って接すること。夫婦になった瞬間から、気を使えなくなる人が多いかなと思えるので。

ポレ美: そんな伊織さんが私の作品を読んだら、確かに衝撃を受けちゃいますよね。既婚者の方から感想をいただくなかには、「結婚前にこの本を読んでいたら、結婚しなかった」というものもあります。私自身は、自分の両親をはじめ、みんな大人になると「出会って結婚して子どもをつくる」ことが当たり前だと思って生きてきました。極端に言えば、自然の摂理のようなものだと感じていた。でも、自分が作中に描いたような一連の体験をして、「結婚って何なんだろうな」と考えさせられることが、とても増えていきました。

伊織: 私が持っている結婚観とあまりに違う内容に、正直「こんなことが現実に起きているのか」と思いました。自分の想定外の家庭を見させてもらうことで、女性として新たな知識を得ることができたのがよかったです(後編に続く)。

(Vol.1〜3)

<文/ツクイヨシヒサ>

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