チョコプラ松尾、さんまの発言に「下品です」。“いさめる力”が絶賛される理由

チョコプラ松尾、さんまの発言に「下品です」。“いさめる力”が絶賛される理由

『チョコレートプラネット』 DVDより

 7月21日に放送された『踊る! さんま御殿!!』(日本テレビ系)で、チョコレートプラネットの松尾駿さんが明石家さんまさんの発言を注意したことが話題になっています。

 りんごちゃんへの「オッサン」発言や、時折かいま見える女性軽視の発言で、「時代とズレてきている」などと、非難の声もあるさんまさん。一方で、芸能界での影響力はいまだ大きく、レギュラー番組も多数あります。

 多少の問題発言は現場で流されていた空気がありましたが、これをきっかけに彼をはじめとする大御所への対応方法も変わっていきそうです。

◆明石家さんまも時代の波にはかなわない?

『さんま御殿』での発言というのは、西山茉希さんの「お母さんにはなるんだけど、女として、妻としての寂しさって埋まることはないんですよ」という発言に対し、さんまさんが「ミルクあげてる時とか、お尻バーッと触ったら嬉しかったんだ?」と返答したもの。

 スタジオの女性出演者たちが苦笑いし、大島由香里さんの「それは違う、余計イラっとします」という言葉にも耳を貸さずに「女として見てほしいんやろ?」と言い返したところ、松尾さんが「さんまさんの女性を見る見方が、すごく下品ですよ」と注意したのです。さんまさんが「それが女性じゃないのね?」と聞くと、松尾さんは「じゃないと思います」とキッパリ。

 松尾さんの発言に、ネットでは「さすがIKKOさんのモノマネしているだけあって女ごころがわかる!」「好感度爆アゲ!」と大絶賛でした。

 大島さんの言葉はスルーして、松尾さんの言葉には受け入れの姿勢を見せたのは少し引っかかる部分ではありますが、さんまさんも納得した様子でした。百戦錬磨のお笑い怪獣もどうやら時代の波にはかなわないようです。

 昨今のテレビ業界で求められているのは、多様性の理解とコンプライアンスの遵守です。そんな時流の中、東野幸治さんも以前、自身のYouTubeチャンネルでさんまさんに対して「アップデートしなければならない」と指摘しており、意識改革の必要性を訴えていました。

 女性軽視や差別意識を盛り込みながらウケていたのは昔のことだと割り切ることが、いまや芸人さんに必要なのかもしれません。

◆大御所と、若手芸人の感覚の違いも

 誰も傷つけない笑いのお笑いコンビ・ぺこぱが人気になり、新しい価値観のお笑い第7世代がもてはやされる昨今、中堅以降の世代は危機感を抱いていることでしょう。

 しかし、さんまさんや松本人志さん、梅沢富美男さんなどの芸能界の大御所が、番組での発言で炎上している姿が今でも見受けられます。彼らは頭では理解していたとしても、感覚が追い付いていないような印象を受けます。

 目先の笑いを取るために不意に出てしまう彼らのグレーな発言をどうたしなめるかが、その周りにいるタレントさんやスタッフたちの現在の課題でしょうね。

◆叱る役割のタレントが重宝される?

 出演するタレントのみならず、スタッフ側も試行錯誤しているのも事実です。線引きがあいまいなこともあり、盛り上がりを取ってギリギリを狙っている部分もあるでしょう。

 その時に重宝されるのが、いさめる立場の出演者です。問題すれすれの発言があっても、少し注意するようなくだりがあれば、配慮しているアピールにもなり、価値観のギャップや発言者の至らなさを笑いにも代えることができます。

 5月に岡村隆史さんがラジオ番組で「コロナが収束したら美人が風俗に来る」と発言したのも大炎上しましたが、それをおさめたのが、翌週に放映された相方・矢部浩之さんの公開説教でした。

 以降、岡村さんの単独出演だったものが、矢部さんも出演するようになり、それはまるで何か再び問題が起こった時のブレーキを設置しているようです。

 大御所やベテランは、長年それでやってきた自負もあり、簡単には性格や思考を変えることはできません。逆に変わってしまうと良さが失われることだってあります。だからこそ大御所の発言をスルーせずに注意できる腕のある人材が今のテレビに一番必要なのかもしれません。

 カズレーザーさんや古市憲寿さんなど、大御所にも物おじせず軽快に反論できる人が重宝されているのはそういったことなのでしょう。

◆企業の炎上も、“いさめる人”がいれば防げたかも

 昨今、企業のCMなど古い価値観がダダ洩れで炎上してしまうことがよくあります。その中でよく聞かれるのが「止める人はいなかったの?」「スタッフの中に女性や若者がいるのになぜ?」などという意見。

 それは、多くの人がかかわり、明らかに違和感があっても、決定権のある年配や力のある人に、中堅世代がいさめることができないことが要因であると言います。

 誰もが違和感なく過ごすためにはテレビ業界だけでなく、普段の会社生活や社会の中でも、中堅や若手世代のいさめる力が必要とされているのかもしれません。

<文/小政りょう>

【小政りょう】

映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦

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