熊谷真実、18歳年下夫と離婚。アラ還での別離はせつなすぎる

熊谷真実、18歳年下夫と離婚。アラ還での別離はせつなすぎる

(画像:熊谷真実 Instagramより)

<亀山早苗の恋愛時評>

 次々と報道される有名人の結婚離婚。その背景にある心理や世相とは? 夫婦関係を長年取材し『夫の不倫がどうしても許せない女たち』(朝日新聞出版)など著書多数の亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)

◆アラ還で、超年下夫と離婚はせつなすぎる!?

 女優の熊谷真実さん(61歳)が、書道家の夫・中澤希水氏(43歳)と3月25日で離婚したことを、所属事務所を通じて発表した。2012年に結婚してから9年、仲むつまじいと評判だっただけに、「やはり女性が年上だとむずかしいのか」という声も多く聞かれる。

 このふたり、結婚当初から「1年ごとに結婚を続けるかどうか話し合う」という“契約”を結んでいたという。年の差があれば、同じ未来は見えづらい。そこを考慮しての契約だったのだろうか。

「契約婚」といえば、グラフィックデザイナーであり舞台美術家の妹尾河童・エッセイスト風間茂子さん夫婦が元祖かもしれない。1961年に結婚したときから、「夫婦といえども一心同体ではない。だから毎年、次の1年をどうするかを話し合う」としていた。

 それ以来、たまにそういう夫婦のあり方を聞くことはあったが、年齢差がある夫婦だと、その話し合いは年々つらくなっていくかもしれない。

◆先を考えると不安になる

 歌手の小柳ルミ子さんが、かつて13歳年下のダンサー・大澄賢也さんとバブル真っ盛りの89年に結婚して大騒ぎになったことがある。11年後に離婚したときは彼女は48歳だった。

「50歳を前にして離婚したら、精神衛生上、よくないよね」

 当時、女性たちの間ではそうささやかれたものだ。離婚の痛手から癒えるには時間がかかる。そうしているうちに年をとってしまうという勝手で意地悪な憶測である。男性が超年下だと、どうしても「女性が捨てられた」とイメージされるものなのだ。

 今回の熊谷さんも、一部報道によれば「捨てられたくない」と不安を覚えていたらしい。それでも潔く、彼の将来を考えて別れたのは断腸の思いだったかもしれない。

◆12歳年下の夫から「他に好きな女性ができた」と離婚話が…

「私は一回り年下の夫から、別れを切り出されました」

 そう言うのはユカコさん(52歳)だ。40歳のとき28歳の男性と結婚、ちょうど10年が経過したとき、夫から「他に好きな人ができ、彼女が妊娠した」と言われた。そのとき彼は40歳、そして相手は一回り下の28歳。ちょうどユカコさんのときと同じ年回りで男女が逆転したのだ。

「なんか“一回り違い”に因縁を感じましたね。女性が男性より年下だと周りは心配しないけど、女性が上だといまだに周りは大丈夫かなと思いがちで、私自身もそれはわかっていました。でも実際に離婚を切り出され、しかも年齢が理由みたいな結果になってみると傷つきましたよ。更年期真っ最中でもあったので、一気に心身ともに崩れました」

 最初から、年の差があることはわかっていた。いつか彼が自分に飽きるかもしれない、年齢差が現実的にイヤになる日がくるかもしれない。それも覚悟の上だった。

 だが、今になってみると「40歳は若かった。50歳の老いをリアルに想像できていなかった」と彼女は言う。人はいつでも通り過ぎた年齢を若く感じるものなのだろう。

◆年齢って何かあると大きな山みたいに女心をつぶしにかかってくる

 離婚を切り出されて、胃腸の調子がおかしくなり、食べることも眠ることもできなくなった。ついには休職するしかなくなり、親しい女友だちが彼を呼びつけてみんなで罵倒したのだという。

「友情には感謝しますが、罵倒しようがどうしようが相手の女性は妊娠しているわけで、どうにもなりません。

 実は、みっともないんですが、『その子を私が育てるから、私を捨てないで』と彼にすがりついたこともあります。彼は『かっこいいユカコが好きだったのに』と呆然としていました。ますます彼の心が離れたのを察知しましたね」

 女友だちの助けもあって、なんとか離婚届けにサインをした。彼は自分のもっている預貯金をすべてくれると言ったが、彼女は断った。

「子どもに罪はないんだから、その子のために使いなさいと言いました。彼にかっこいい女だと思っていたと言われたから、最後までかっこつけなければいけないと思い直したんです」

 彼がいなかった時代に戻ればいいだけ。そう思ったが、喪失感は予想以上だった。更年期が追い打ちをかけたから余計つらかったという。

「還暦前後だったら、さらに自分の老いを意識しているでしょうから、もっとつらいかもしれません。年齢ってふだんは意識しなくても、何かあると大きな山みたいに女心をつぶしにかかってくるような気がします。それを50歳超えてからしみじみと感じていますね」

◆傷を傷のままにしておいたら進歩はない

 とはいえ、“別れ”はいつやってくるかわからない。あれから2年、彼女は当時の傷を抱えてはいるが、傷自体が疼くことは減ったという。彼と、一回り年下の彼女は結婚し、子どもを育てながら仲良く暮らしているらしい。

「もし、これから恋愛したとしても、今度はアラ還で別れるのかと思うと、もう恋愛自体する勇気がないですね」

 気持ちは痛いほどわかる。だが周囲の友人の中には未婚や離婚、夫と死に別れなどさまざまな状況の女性がいるという。

「中には、何度捨てられたっていいじゃない。恋愛するわよと張り切っている人もいます。見習わなくちゃとようやく思えるようにはなってきました」

 傷を傷のままにしておいたら進歩はない。自ら動いて回復、新たに動き出さなければいけないと思うと、彼女はようやく笑顔を見せた。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio

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