野菜は切らずに“丸焼き”がサイコー!BBQのプロ“焼師”に聞く極意

野菜は切らずに“丸焼き”がサイコー!BBQのプロ“焼師”に聞く極意

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バーベキューといえば、野菜を切ったり、肉を用意したり、準備が面倒くさいもの。食材がワンパターンになることも多いですよね。

 そこで今回、バーベキューのプロとして、全国を飛び回る“焼師”の中村圭一さんに、おすすめのバーベキュー食材、準備や片付けのコツを教えてもらいました。おうちでバーベキュー気分を味わいたいという人のために、ホットプレートで楽しめるレシピも紹介していますよ。

 中村さんは、医療機器メーカーの営業から焼師に転身、異色のキャリアを持っています。前編では「肉の選び方、肉の焼き方」について語ってくれました。

◆野菜は切らずに丸ごと焼こう

――前回は大きい肉をそのまま焼こう!というお話を聞きましたが、今回は野菜について聞きたいです。バーベキューでピーマンを焼くとパサパサになるし、カボチャは表面が焦げて中が生……なんてことも多く、あまり美味しいと思えません。

中村圭一さん(以下、中村):肉も野菜もそうなのですが、切れば切るほど、断面から水分が出てしまうので、パサパサになりやすいです。

 肉厚のピーマンやパプリカは、切らずに丸ごと焼くといいですよ。野菜から出た水分が中に閉じ込められるので、振るとチャプンチャプンと音がします。食べるときにジュワッと汁が溢れるので、小籠包みたいになります。

 カボチャの丸焼きも美味しいですよ。ただ、さすがに時間がかかるので、レンジで加熱してから焼くのがおすすめです。中身をくり抜いて、チーズを入れるとチーズフォンデュ風になります。

 アルミカップを活用するのもおすすめですよ。ニンニクとごま油を入れて、グツグツ加熱すると1品できます。あと、キノコも切って焼く人が多いじゃないですか。たとえば、エリンギを丸ごと焼いたら、水分がすごいんですよ、ぜひ思いっきりかぶりついて下さい。

◆アボガドやロメインレタスも焼くと美味しい!

――切らない方がジューシーで美味しそう……。バーベキューは焼くものがワンパターンになってしまいがちなのですが、おすすめの食材はありますか?

中村:基本的には、旬のものがおすすめです。春ならタケノコやアスパラがいいですね。あとはアボカドも焼くと美味しいんですよ。半分に切って、タネをとって、凹みに卵を落として、皮付きのまま焼く。粉チーズをふって、もう一回焼くと完成です。

 ロメインレタスもおすすめですね。半分に切って、断面を下にして焼いて、ベーコンのっけたら「温かいサラダ」になります。野菜は切らなくてもいいです。食べるときに切ればいいんですよ。

 野菜の丸焼きや、アボカド焼き、ロメインレタスのホットサラダなどは、ホットプレートでも楽しめるので試してみてくださいね。

◆火起こしでは炭をジェンガのように積み上げる

――火起こしなど、バーベキューは準備がとにかく面倒くさいのですが、コツはあるのでしょうか。

中村:火起こしはめちゃくちゃ時間がかかりますよね。火起こしのポイントは、炭をジェンガのように積み上げることです。上昇気流を利用すると、「煙突効果」という現象ですぐに炭に火がつきます。筒状の火起こし器があると便利なんですが、炭を積み上げるだけでも効果的ですよ。着火剤を置いて、炭を積み上げて、着火剤に火をつけて……。さらに、手持ち扇風機で風を当ててあげるとめちゃくちゃ簡単ですよ。

――手持ち扇風機がバーベキューの火起こしで活躍するとは思いませんでした!「炭は備長炭が良い」というイメージがあるのですが、どうでしょうか。

中村:備長炭は金属のように硬いんですよ。そして火がつきにくい。高級焼き鳥屋さんとかで使われていますが、業務用のコンロで火をつけています。一般家庭では無理ですよね。

 僕の場合は、「オガ炭」という、オガクズを固めて炭にしたものを使います。こちらも比較的火がつきにくいですが、備長炭よりはつきやすいです。煙も出にくいので、食材や身体にニオイがつきにくいです。

◆バーベキューの網は熱いうちに洗うべし

――肉を食べて楽しかった! で終わればいいんですが、最後の片付けが面倒くさいです。使い終わった網を綺麗に洗うのに苦労します。

中村:熱いから網が冷めてからやろう、面倒くさいから翌日片付けよう、と放置してしまう人が多いんですよね。網がアツアツのときに洗うのがポイントです。中性洗剤を網にかけ、金たわしでゴシゴシ擦ると綺麗になります。ただ、かなり熱いので厚手のグローブをつけてくださいね。

 バーベキューで使った炭は、火消し壺に入れるなどして、空気を遮断すると、すぐ火が消えます。使い終わった炭は「消し炭」って言うんですけど、火がつきやすいので、次回のバーベキューで活躍しますよ。炭を使わない場合は、燃えるゴミとして捨てましょう。

◆環境を変えてバーベキュー気分を味わおう

――住宅地だと、庭があってもバーベキューをしにくい雰囲気があります。

中村:バーベキューは煙が出てしまうので、お家でやりにくいイメージがありますよね。

 煙が上がるパターンは2つあります。炭や着火剤そのものから煙が出る場合と、肉汁が炭に落ちて煙が出る場合です。肉汁から出る煙はいいニオイなんですけど、着火剤は薬品のようなニオイがします。炭は煙が出にくいオガ炭がおすすめです。

 煙が出ないバーベキューグリルも販売されているので、それをお家で使うのも良いと思いますよ。

ーーおうちでバーベキュー気分を味わうにはどうしたら良いでしょうか。

中村:それなら、ぜひお庭やバルコニー、屋上など屋外で! もちろん近隣の迷惑にはならないように。

 そのときは、焼肉用のスライス肉ではなくて、大きい肉を焼いてみる、野菜を丸ごと焼いてみる……少し変えるだけでも気分が変わると思います。前半でお話ししましたが、ホットプレートでも焼けますよ。

 あとは、焼肉のタレをあえて使わないこともおすすめです。焼肉のタレを使うと、バーベキューというより焼肉っぽくなってしまいますよね。片手にご飯を持ちたくなってしまう(笑)。普段のバーベキューと趣向を変えて、焼肉のタレの代わりに、市販のシーズニング(スパイスやハーブに塩などをブレンドしたもの)を使うのがおすすめです。

 そうは言ってもやっぱりタレも食べたい! って方もいらっしゃると思います。その場合は普段使うタレに調味料を加えてみましょう。タレを変えるだけでも本格的なバーベキュー気分を味わえると思います。

<焼肉のタレのアレンジレシピ>

「焼肉のタレ+ごま油+ニンニク・生姜チューブ」をよく混ぜる。ごま油は、焼肉のタレの1/3くらいの量を入れる。

<取材・文/梅原しおり>

【梅原しおり】

早稲田大学人間科学部卒、管理栄養士免許をもつライター。Twitter:@unchieiyoushi

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