ダメ男&ハマる女は今も変わらない。漫画「だめんず・うぉ〜か〜」倉田真由美さんに聞く

ダメ男&ハマる女は今も変わらない。漫画「だめんず・うぉ〜か〜」倉田真由美さんに聞く

『だめんず・うぉ〜か〜』18巻より

かつて『週刊SPA!』で、約13年間にわたり連載されていた恋愛エッセイ漫画「だめんず・うぉ〜か〜」(2000〜2013年)。ダメ男と、ダメ男にハマってしまう女性の姿がリアルに描かれたこの漫画は、ドラマ化もされる大ヒット作となり、「だめんず」という言葉をすっかり世間に定着させました。

 そもそも、作者である漫画家・倉田真由美さん自身が、わざわざだめんずを選んじゃう性(さが)だったことから始まったこの漫画。今年ちょうど50歳になった倉田さんに、作品への思いや近況を聞きました。

◆今も変わらない、ダメ男とハマる女

――「だめんず・うぉ〜か〜」が『週刊SPA!』で連載を開始してから21年、連載が終了してからももう8年経ちますが、いま読み返しても古さを感じないですね。ダメ男も、ダメ男ばかり渡り歩く女性も、相変わらずいますし。

倉田真由美さん(以下、倉田):恋愛って、時代が変わってもそんなに変わらないですからね。最近は若い子と話す機会が減ってしまったのでよくわからないけど、いまも“だめんず”に悩んでいる子はいっぱいいると思いますよ。

――「だめんず・うぉ〜か〜」で、多くの女性が「私の彼氏ってだめんずかも」「あんたの彼氏、だめんずじゃない?」と話題にしやすくなった。それ以前は、彼氏や夫の浮気・借金・DVなどは、女性が密かに耐えるような事態でした。それを、「だめんずじゃん!」って、泣き笑いでネタにできるようになった功績は大きいと思います。

倉田:「私の彼氏もだめんずです」と公にしやすくなったのはありますよね、きっと。

――悩んでいるけど言いにくかったことが言えるようになるって、まさにMeToo運動じゃないですか(笑)。「だめんず・うぉ〜か〜」ってMeToo運動の走りだったのかも。

倉田:そうかもしれない(笑)。連載当初は、取材させてくれた女性たちに会員証を作ろうって話があったんですけど、途中から編集者も誰も会員証の話をしなくなるほど、取材希望者が後を絶ちませんでしたからね。なんにしても、だめんずのことをひとりで抱え込まずに話せた子がたくさんいたのはよかったと思います。

◆アプリで、だめんず遭遇確率は高くなったかも

――時代が変わっても、だめんずは減らないものなんですかね。

倉田:どんな時代にも一定数いるものなんでしょうね。むしろ、マッチングアプリとかが普及していろんな人と簡単に繋がれるようになったぶん、だめんずと出会う確率は高くなっているかも。出会う母数が増えれば、だめんずに遭遇してしまう可能性もおのずと高くなりますからね。

――『だめんず・うぉ〜か〜』連載時とは出会い方が変わり、そういう面でリスクが高くなっていると。

倉田:ただ、いまは昔よりネットやSNSでいろんな情報を得られるようになっているから、だめんずから脱せるチャンスも増えていますよね。DVやモラハラのニュースを見て「これって私の彼のことじゃない?」と気づいたり、彼氏のひどい所業をSNSに投稿したら、周りが「それって普通じゃないよ」と指摘してくれたり。

――SNS上で誰かがDVの相談窓口を教えてくれたり、なんなら慰謝料の請求方法なんかも教えてくれたりしそうですよね。

倉田:そうそう。昔よりだめんずと賢く手を切れる子が増えているんじゃないかな。

◆話題になった「だめんずとの結婚」、その後

――漫画のなかでも描かれていますが、倉田さん自身も“だめんず・うぉ〜か〜”なんですよね。30歳で一度離婚も経験されていて。

そんな倉田さんが2009年に、「600人斬りのバツ3男」である映画プロデューサーの叶井俊太郎さんと再婚したときは、さすが!と思いましたね。「だめんずの最高峰と結婚」と話題になりましたが、その後の結婚生活はどうですか?

倉田:今年で結婚12年目、うまくやってますよ。連載最後のほうで、夫が経営する会社が破産しちゃって、漫画のネタにしましたけど。

 夫は結婚当時は本当にギラギラした男で、ドルガバを着てシルバーのアクセサリーしてたんですよね。ですけど、今は子育てばっかりしているからか、すっかりおばちゃんみたいな男になっちゃって(笑)。

――叶井さんって、映画業界や雑誌業界でも有名な、フェロモンむんむんだったのに……。もはや浮気の心配もない、“非だめんず”ってことですか。

倉田:いや、相変わらず生活費は少ししか入れないくせに金遣いは荒いので、世間一般からすれば“だめんず”かもしれない。でも、人それぞれパートナーに望むものは違うでしょ? 例えば、夫は私の誕生日に何にもしてくれないけど、私はそういうこと全然気にならないの。それが気になる女性にとっては最低でしょうけどね。

 夫は家事も育児も完全に分担してくれるし、娘にとって最高の父親なので、私からすれば“だめんず”ではないんですよ。

◆世間から見て、だめんずでもいい

――そこは結婚前から見抜いていましたか?

倉田:どうかな。でも、彼は独身時代からペットとかをすごく大事にする人で、その姿を見て安心してた面はありますね。猫っかわいがりするわけではないんだけど、エサとかトイレとか、すべて責任を持ってかいがいしくお世話をするんですよ。

――そういう面が子育てにも出ているんですね。

倉田:そうですね。学校の保護者会にも出席するし、学校からのお便りも夫が全部しっかりチェックしてくれるんです。だから私は本当にラク。学校からのお便りを必ずチェックする父親ってなかなかいないでしょ?

――確かに(笑)。『だめんず・うぉ〜か〜』は、「世間的にみてダメ男でも、私が惚れた男ならいいんだ」というメッセージもあった。それを体現してるわけですね。(後編に続く)

<文/持丸千乃 撮影/山川修一>

【倉田真由美】

【倉田真由美】

漫画家、1971年福岡県生まれ。一橋大学卒業後、バイトしながら漫画を書き、「だめんず・うぉ〜か〜」(2000-2013年)でブレイク。その後、様々な媒体で執筆する。2児の母。昨年、弁護士・三輪記子さんと共にYoutube「みわたまチャンネル」をスタート、Twitter(@kuratamagohan)ではたまに漫画も発表

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