医師が自分の子どもに送ったワクチンについてのメッセージが「分かりやすい!」と話題

医師が自分の子どもに送ったワクチンについてのメッセージが「分かりやすい!」と話題

イラストは文章をもとに女子SPA!が作成(絵:とあるアラ子)

新型コロナに詳しい医師が、自身の子どもたちに向けてつづった新型コロナ・デルタ株とワクチンについてのメッセージが、SNSで話題になっています。

 名古屋検疫所 中部空港検疫所支所所属の守屋章成医師が、離れて住む10代の子どもたちに、デルタ株が感染拡大する現状やワクチンについて8月はじめに送った文章を自身のフェイスブックに公開したところ多くシェアされました。

 さらにメッセージ内容をキャプチャしてツイッターに投稿する人もあらわれ、1万7千いいね!が付き、大きな反響となっています。

 デルタ株が今までとどう違うのかなど、とても分かりやすく解説されたこちらのメッセージを、守屋医師の許可をもらい掲載します。(以下、守屋医師の寄稿です。)

◆ワクチン接種券が未だ届かぬ子どもたちに送った

 私には離れて暮らす10代の子どもが2人います。

 彼らのもとには残念ながらまだワクチンの接種券すら届いていません。

 コロナ禍ですっかり会えなくなったので,第5波とワクチンについてメッセンジャーアプリで下記のようなメッセージを送りました.8月はじめのことです。

 やや厳密さを欠いたり単純化した言い方もしていますが,メッセンジャーアプリで子ども向けにわかりやすく書いたものとしてご容赦ください。

 子ども達は2人とも「ワクチン打つよ!」と力強く返信してくれました。

 1日も早く彼らにも接種順序が回ってきますよう。

◆デルタ株は「もはやコロナではない」ぐらい感染力が強い

■今回の第5波は過去最悪だった第4波の3倍以上の感染者数になるよ。しかも、高齢者は大半がワクチン済みなので、感染者の殆(ほとん)どは赤ちゃんから50代まで。一番多くなるのは20代。

■病院は日本中であと数日したら満杯になる。すると10代や20代でも病院に入院できずに亡くなる人が出るかもしれない。

■アジアの某国から命からがら緊急帰国した人たちを検疫でお預かりしてるんだけど、その人たちから「20代の日本人が現地でデルタ株に感染して、医療崩壊した現地でどこの病院にも診てもらえないまま亡くなった」って、涙も凍る話を聞いたばかり。

■デルタは「もはやコロナではない」と言いたいぐらいに別の病原体になっちゃった。

■潜伏期間はアルファが平均5日ぐらいだったのがデルタは平均3日ぐらい。でも最長14日。検疫やってても帰国後10日目に陽性になる人珍しくないからね。

■最初のコロナウイルスは1人の感染者から平均2.5人に感染させてた。でもデルタは1人から5-9人に感染する。全然次元が違う。

◆「今までと同じ気を付け方」で感染しちゃう人が続出中

■ワクチン済みの人も結構感染しちゃってる。ただし、幸いに重症化はしてないよう。それもワクチンの効果。割合としては、感染者の95%ぐらいがワクチン打ってない人。

■「今までと同じ気を付け方」で感染しちゃう人が続出中。例えば「スーパーマーケットにいつものように短時間買い物に行ったぐらいしか感染経路が思い当たらない」みたいな人も出てる。恐ろしい。

■忘れちゃいけないのは、報道発表で「軽症」ってのは「入院させて大量酸素投与まではしなくて済んでる」のレベルだからね。

 現実の症状はインフルエンザの10倍ひどい。40℃が7日間、咳が寝ても起きても止まらなくて眠れない、全身死ぬほど痛い、水飲むのもしんどい。でも酸素測ったらどうにか92%あるから、入院は後回し。

 これが「軽症」。

■ワクチン打ったけど感染しちゃった人は、これよりは軽い。本当の意味で「軽症」と呼べるレベル。でもしんどさはインフルエンザ並みと思った方がいい。

■最悪の場合、ごくごく少ない人数だと思うけど、小学生や中学生でも亡くなる子が出るおそれすら否定できない。

◆ワクチン接種で打ってない人に比べ5分の1までかかりにくくなる

■ワクチン打つとデルタは80%ぐらいの予防効果。つまり打ってない人に比べて5分の1までかかりにくくなる。

■お父ちゃんはワクチン打ったから、運悪くかかったとしても、たぶんひどいことにはならないし、ほぼ死なない。

■まだ打ってない大人は、50%の確率でむちゃくちゃひどい症状(でも「軽症」扱い)になって、5%の確率で大量酸素や人工呼吸やECMOが必要になって、1-2%亡くなる。

■問題は、5%の状態になったときに病院に空きがあるかどうか。

◆マスクありで部屋の中でゲームするだけでも感染

■とにかく、感染しないで。今までと同じ注意だと感染しちゃうから、今までよりも自分に厳しく。

■残念だけど、「いつもの友達」とも遊ぶのはキャンセルしてね。マスクありで一緒に部屋の中でゲームするだけでもあっさり感染するウイルスになっちゃった。

■ワクチンのチャンスが回ってきたら、是非打って。もう身体は大人同然だから、重症化したり死ぬリスクも大人と同じ。

 死ななかったとしても、若いが故にとにかくひどい症状になるし、何カ月も続く後遺症にもなりやすい。

◆副反応は心配だけど、コロナ感染はもっと高い確率で心筋炎に

■若い子がコロナにかかると、2%は心筋炎になる。心筋炎ってのは心臓がダメになること。突然死もする。

■10-20代の人がコロナワクチンを打つと、男の子の場合で100万分の40、女の子の場合で100万分の4の確率で、副反応(副作用)としての心筋炎になっちゃう。

 それは心配だけど、コロナに感染したら100万分の20,000の確率で心筋炎になっちゃう。

■コロナワクチン打たずに感染して100万分の20,000で心筋炎になるか、コロナワクチン打って副作用で100万分の40とか100万分の4で心筋炎になるか。

■お父ちゃんとしては、君たちにもワクチン打ってほしい。死んでほしくないし、むちゃくちゃ苦しい症状になって欲しくないから。

■100万分の40とか4の確率で心筋炎になるのは接種から3-4日以内。

 だから心臓への負担を避けるために、接種から1週間は激しい運動を避ける。

 これまで研究報告された中では、接種後心筋炎の全員が軽症で良くなっている。

◆デルタ株では「感染しなければ」が通用しにくくなった

■「感染しなければ大丈夫」ではある。そりゃそうだ。ところが、デルタは「マスクつけてても誰かにしばらく近付いた」だけで感染するぐらいに別次元のウイルスになっちゃった。だから「感染しなければ」が通用しにくくなっちゃった。

■お父ちゃんは医者であるおかげで、人様よりも早くワクチンを打つことができた。本当にありがたい。間もなく君たちにも順番が回ってくる。地元の役所からお手紙が届く。是非打ってほしい。

■お父ちゃんは今コロナワクチンに日本で一番詳しい医者たちの1人のつもりです。プロ中のプロのつもりです。そのお父ちゃんの願いとして聞いて欲しい。

<文/守屋章成医師 イラスト/とあるアラ子>

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