サンドウィッチマンら芸人絵のバズリきっかけで人気イラストレーターに。意外な“ネタ元”とは

サンドウィッチマンら芸人絵のバズリきっかけで人気イラストレーターに。意外な“ネタ元”とは

サンドウィッチマン (C)shiohida

shiohidaさんというイラストレーターを知っていますか?芸人を悪人風にデフォルメした印象的な作風で、SNSを中心に注目を集めています。

 現在では吉本興業のオフィシャルInstagramにもイラストがアップされているほか、「お笑い実力刃」(テレビ朝日系)の番組イラストや、マセキ芸能社の受注生産グッズで三四郎らとコラボレーションするなど目覚ましい活躍ぶり。

 最近ではアサヒ飲料のワンダブラックの吉本芸人缶イラストも担当しており、作品を目にする機会が増えてきました。

 そこで、女子SPA!ではshiohidaさんにインタビュー。あの芸人イラストはどのようにして生みだされているのかを探ってきました!

◆サンドウィッチマンのイラストが23万いいね!を獲得

――shiohidaさんのイラストでインパクトが強かったのは、2020年7月に投稿されたサンドウィッチマンさんのでしょうか。ツイッターで23万いいね!を獲得して大きな話題を呼びましたね。

「世の中に見つけてもらうきっかけになったのは、確かにあのサンドウィッチマンさんです。

 ただ、あれをアップする前からずっと芸人イラスト自体は描き続けてはいたんですよ。

 最初に描いたのはオードリーさん、ダイアンさん、アルコ&ピースさんですね。僕は完全にラジオっ子なんです。

 芸人さんを描く時は、対象を好きになりたいという思いがあるので、まずその人たちのことをすごく調べるんです。

 ネタもYouTubeもちゃんと見るんですけど、どういう人なのかを知るために一番良いのがラジオなんです。初めて描く芸人さんは、まずラジオをやっているかどうかを確認するくらい」(shiohidaさん 以下カギカッコは同じ)

◆イラストに描いた芸人からツイッターで反応も

――強い芸人愛とラジオ愛のもとに、あのイラストが生まれているんですね。テレビで取り上げられる機会も多くなっていますが、芸人さん自身から反応はいかがですか?

「ご本人がツイッターでリツイートしてくれたり、感想を直接いただくこともあります」

――逆にBRUTUSのラジオ特集で「芸人ラジオ戦国時代!」のイラストが掲載された時は、講談師の神田伯山さんが自分が描かれていなかったことをラジオ番組内で指摘してましたよね。

「あれは監修の方にオーダーされたものを描いたので……。それでも、自分が提案したことが採用されている部分はあるんですよ。

 実は、あのイラストの中には霜降り明星さんが2パターンいるんです。気づかれました?」

――あっ、確かに東西両方にいますね!

「最初はABCだけでいいと言われたんですけど、オールナイトニッポンを外すのも変じゃないかと推したら通りました。

 ただ、結果的に入れられなかった人も多かったし、中部や四国のラジオまでは網羅できなかったっんですけどね」

◆加藤浩次からツッコミも

――テレビ関係でいえば、「スッキリ!」(日本テレビ系)でもMC3名のイラストが紹介されましたよね。加藤浩次さんがあまり納得いってない様子だったのを見た時はどういう気持ちになりました?

「いやー、あれは別にイヤとか辛いとかはなかったですよ。反応してくれたこと自体が光栄だったし、ツッコミを入れてくれて素直に嬉しかったです」

――二度目に描いた極楽とんぼさんのイラストは気に入ってもらえたようで。

「はい。リベンジできたのは良かったなと思います。

 顔の特徴を描かれるのが嬉しくない方ももしかしたらいらっしゃるかも知れませんが、そういう方にも気に入って頂けるようにポップにキャラクターっぽいデザインを高い完成度で描くことを心掛けています」

◆第一印象から工夫して絵に落とし込む

――イラストは、写真や動画を見ながら描いているのですか?

「それだと単なる模写になっちゃうので、最初に受けた第一印象をおさえて絵に落とし込むという流れで描いてます。『この人はあの動物っぽいな』とか、『この人の顔はここが特徴だな』とか」

――これまで描いた芸人さんの中で、実はちょっと難しかったという人はいますか?

「具体的にこの人っていうのはないんですけど、やっぱり描きづらい人と描きやすい人はいますよね。

 僕の場合は、女性が苦手なんです。画風がちょっと悪そうだったりモンスターチックだったりするので、正直あんまり可愛くはないし失礼になっちゃう……。女性を描く時にはテイストを変えることもあります」

――でも、M-1グランプリの時にアップされていた上沼恵美子さんは画風そのままでしたよね(笑)。

「あれは思い切りました(笑)。男女限らずある程度は気を使って描いている部分はありますが、気を使いすぎてつまんない絵になるのも嫌なので、ちゃんと思い切るようにしています」

◆風刺画に衝撃を受け、そこからブラッシュアップ

――芸人さんを描くにあたって、なぜあえて悪人風にデフォルメしようと思ったのですか?

「別にそうしようと思ったわけではないんですよ。自分の趣味をぶち込んでカッコ良く描こうとしたら、ポケットに手を入れたり腕を組ませたりするポージングになって、結果的に悪人ぽくなってしまっただけなんです」

――純粋にああいう作風が好きってことなんですね。shiohidaさんのイラストレーターとしてのルーツはどういったところにあるのでしょうか。

「僕は昔から風刺画が好きなんですよ。ラルフ・ステッドマンのドキュメンタリー映画『マンガで世界を変えようとした男』を見て衝撃を受けて、ああいう絵を描きたいという気持ちでやってきました。

 何年かかけて徐々にブラッシュアップして、今のイラストの形になってるんです」

――アメコミ風と言われることもあるそうですね。アメコミのテイストは意識してました?

「それが、僕はぜんぜんアメコミを知らなかったんですよ。だからずっと違和感があったんですが、最近ちょっと調べるようになったら好きになってしまいました(笑)」

◆SNSでバズったのがきっかけでイラストレーターに

――イラストレーターとしての活動歴はどのくらいになるんですか?

「それこそ、サンドウィッチマンさんのイラストがバズった去年の夏からですよ。あれをきっかけにして、いろいろとお仕事を戴くようになって今に至ります」

――ええ〜、まだ一年くらいってことですか?!まさにSNS時代の申し子みたいな経歴!!

「この一年で、本当に状況ががらっと変わりました。僕は去年までダラダラ大学生をしていて、就職活動もしてたけどコロナ禍あまり上手くいかず……。ただ趣味で絵を描いていただけなんです」

――絵の勉強をしたことはないんですか?美術系の大学に通ってたりもしてない?

「大学の専攻はIT系でした(笑)。イラストに関しては本当に独学です。

 もともと漫画を描くことが好きで、でもそれも誰に見せるわけでもないものを描き溜めていました。漠然(ばくぜん)と絵で生きていけたらいいなとは思ってましたけど、まさかこんなことになるとは。正直、ラッキーって感じです。

 今、好きなことと仕事が一致してる、本当に幸運なことだと思います」

◆とにかく描き続けていくことが目標

――芸人さん以外のイラストにも挑戦する可能性は?

「今は需要が芸人さんメインですけど、オファーがあれば芸人さん以外の絵も全然描きますし、実際今も描いてます」

――では、最後にshiohidaさんの今後の目標を教えてください。

「継続、ですね。めちゃくちゃ売れたいじゃなくて、ほんと継続していきたい。イラストを飽きられないように見てもらえればそれでいいと思っています。

 これからも僕の絵を好きな人が反応を返してくれれば嬉しい。とにかく描き続けていくことが目標です」

――ありがとうございました!

<文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】

フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。Twitter:@kyan__tama

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