岸井ゆきの、浜辺美波との共演作を語る「自分や周りの人を考えるきっかけをくれる映画」

岸井ゆきの、浜辺美波との共演作を語る「自分や周りの人を考えるきっかけをくれる映画」

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’17年に映画初主演を果たしてから、5年弱。いまや映画、ドラマ、舞台と大活躍の俳優・岸井ゆきの。彼女の最新主演映画『やがて海へと届く』が、4月1日に劇場公開される。

◆映画の後も人生は続く。だから、きっかけになる映画が好きなんです

5年前に失踪した親友・すみれ(浜辺美波)を思い続ける真奈(岸井)の心の変遷を描く物語だ。喪失がテーマの本作、最近の映画には珍しく観る者に解釈をゆだねる。

「答えをこれだ!と提示する作品もいいですが、映画館を出た後も人生は続く。だから私自身は、そのまま生活に作用するような、自分や周りの人を考えるきっかけをくれる映画が好きです。世界がちょっと広がって、視線が上を向く。そういった作品を作ることができて嬉しかったです」

◆溢れる映画愛

本作の製作中、中川龍太郎監督と映画について会話する機会も多く、岸井のアイデアが取り入れられたこともあるという。受け身ではなく、有機的に作品作りに関わる彼女の眼差しには、映画愛が溢れている。

「エイミー・アダムスが主演した『メッセージ』を観たときに、過去も未来も同じという時間感覚が理解できませんでした。自分の未来を知ったうえで現在を生きていくなんて、私だったら絶望する。なのに、この作品が頭から離れない(笑)。最近は『それでも自分でいたい、人生を究めたいんだ』と思えるようになりました。

何度も観てやっと落とし込めるような映画に自分も出たい、と思っていたんです。『やがて海へと届く』が誰かにとってのそんな存在になれたら、とても幸せです」

◆全部忘れさせてくれる映画館は大切な“逃げ場”

出世作の『愛がなんだ』は、劇場公開されるとリピーターが続出し、ロングヒット。岸井もまた映画館に特別な感情を抱いている。

「あのスクリーンと椅子、音響、周りは真っ暗で映画の明かりだけがそこにある状況がもう最高じゃないですか。予告が終わり、ゆっくり暗転していくときの『ショーが始まる』というワクワク感も大好きです。日本にいながら外国にも別世界にも、どこにでも連れていってくれる。自分にとっては、大切な“逃げ場”でもあります。

映画を観ている間は、自分が日本人だとか女性だとか、全部忘れて何も考えないでいられる。だからいつも、映画が終わると『現実に帰ってきちゃった……』と席から立ち上がるのが寂しい。そんなに暇じゃないはずなのになんでこんなに映画館に通うんだろうと自分でも思うのですが(笑)」

◆そのときにしか出合えないものに、出合っていたい

最近では、「『ディア・エヴァン・ハンセン』は3回観たし、『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』も『コーダあいのうた』も初日に観に行きました! 最高でしたね」と声を弾ませる。映画トークは勢いを増すばかり。

「映画館で観ると、観賞体験が桁違いで、自分の中に残る記憶の濃さもまったく別もの。それに映画館のマジックもありますよね。映画館では『人生ですごい大切なことを言ってる!』と感動したのに、あとで配信を観たら『あれ、普通のこと言ってたかも』と思うことってあるじゃないですか(笑)。

そこも含めて、私はいつも『何かに出合いたい』と思って映画館に行くし、忙しいときほど行きたくなる。そのときにしか出合えないものに、出合っていたいです」

作り手として、観客として。岸井ゆきのは、これからも映画と共に生きていく。

やがて海へと届く

4月1日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

?2022 映画「やがて海へと届く」製作委員会

【岸井ゆきの】

神奈川県出身。’09年に女優デビュー。’17年、映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』で映画初主演を務める。『大河への道』『神は見返りを求める』『ケイコ 目を澄ませて』など、話題作の公開を控える

取材・文/SYO 取材/村田孔明(本誌) 撮影/加藤 岳 ヘア/YUUK メイク/Yumi Endo スタイリスト/Setsuko Morigami

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