「私がセクハラ?! 先輩とデートしたいだけなのに…」後輩でも“セクハラ加害者”になりうる

「私がセクハラ?! 先輩とデートしたいだけなのに…」後輩でも“セクハラ加害者”になりうる

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こんにちは。恋愛婚活コンサルタントの菊乃です。

長年、配偶者との出会いのきっかけが「職場」という方は約3割です。とはいえ今は一定以上の規模の企業において、職場におけるハラスメントを防止するため、雇用管理上の必要な措置をとることが義務化されています。

大きな会社であればハラスメント対策の相談窓口が人事課などにあるでしょう。たとえ自分は「恋愛」のつもりでも、相手がセクハラだと感じれば、それは恋愛でなくハラスメント。職場のハラスメント対策担当者から事情聴取されるリスクがあるのです。

でも一体、どこからがセクハラにあたるのでしょうか。職場で気になる人ができてしまったら、どうアプローチすればセクハラにならないのでしょう。男女問題を多く扱っている日本橋兜町の法律事務所ミッションの代表・野間口 寛 弁護士に話を聞きました。(以下、「」内コメントすべて野間口弁護士)

◆部下から上司、女性から男性へのセクハラもある

「昔は体に触れるということがあればアウトといわれた時代もありましたが、今は触れていなくてもセクハラに該当するケースがあり、どこからがセクハラに当たるのかが年々難しくなってきています。

指針はありますが個別に具体的に見ていかないとセクハラにあたるのか何とも言えないです。ただし、された方がセクハラだと思ったとしても、裁判になった場合に、慰謝料請求が認められるとは限りません」

セクハラに関しては、次のような誤った認識を持つ人も少なくないとか。

「上下関係がない同期だからセクハラにならないとか、セクハラは男性が女性にするものというイメージをお持ちの方もいますが、違います。女性が加害者のセクハラ事案もあります。『彼氏とヤッたの?』のように性的なからかいも、『恋人いるの?』と性的なことを尋ねることもセクハラに該当することもあり得ます。

同性同士であってもセクハラに当たるケースもあり、被害者がセクハラに感じればセクハラと認定されることもあり得ます。

そのため、役職が上の立場にある人が被害者になる事もあり得るのです。

従業員が常時10人以上いないと就業規則を設定する義務がないので、傾向としては事業規模が小さいところほどセクハラやパワハラは起こりやすく、見過ごされがちかもしれません」

同期同士、同性同士であってもセクハラになり得るとは筆者も意外でした。

◆気になる人へ、セクハラをしてしまわないために

ここで、職場の気になる人を、セクハラにならないように誘うコツがあるのか聞いてみました。

「しつこくない通常のアプローチはセクハラとはいわないのではないでしょうか。LINEで誘うと証拠が残ります。証拠が残らない口頭で誘うのがベストですが、仮にLINEでも『食事に行きませんか』と誘っている文面があるからといって、それだけでセクハラになるという訳ではありません。断られているのにもかかわらず何回も誘っていればセクハラになり得ます」

本人は「めげずに好きな人へアタックしている」つもりでも、相手からすると「しつこく誘われて困っている」ということもありますね。恋愛以外でも当たり前のことですが、相手が嫌がっているかどうかを見極めなくてはなりません。ですが職場においては、それが難しい場合も多々あります。

◆迷惑だと思っても無碍にできないのが“職場”

仕事上の付き合いがある人から食事に誘われた場合に、相手との今後の付き合いもあるから関係が悪くならないようにと、「今月はちょっと忙しくて無理」など何か理由をつけて断る場合もあるかもしれません。婚活サービスなど共通の知り合いがいない場で知り合った相手と違って、仕事の関係者に対してははっきりとした意思表示はしにくいでしょう。

ですがそれを相手が文字通りに受け取り「じゃあ、来月ならいいのかな」と思って来月も誘えば、嫌がっているのに繰り返し誘っているという状態になってしまうかもしれません。

社内恋愛の難しさは、脈アリなのか脈ナシなのかの判断が難しいというところです。「迷惑なら断るだろう」と思っていても、迷惑だと言って断られることはなかなかないでしょう。

同じ職場だからこそ「焼き肉食べに行きたいけど、一人じゃ入りにくいので付き合ってもらえませんか?」のように、口実を使って遠まわしに誘うケースもあるでしょう。「ダイエット中だから焼き肉は無理」と断られたら、焼き肉がNGだからもう一回誘ってみるべきなのか、もうあきらめた方がいいのか、判断も難しいのです。

また、実際に誘う前の段階で気になる相手に交際相手がいるのかどうかを確認する質問をしてもセクハラになり得ますよね。

◆もし相手からセクハラと思われてしまったら?

もしも、不本意ながら相手からセクハラだと思われてしまったらどうしたらいいのでしょうか。

「もしも、相手をセクハラと感じさせてしまったら弁護士に相談するのが一番です。事実確認をして、そのうえでセクハラに該当するのか判断し、対策を一緒に考えます。

厚生労働省が設置している都道府県労働局雇用均等室に寄せられる相談の、4割以上がセクシャルハラスメントです。甘く考えていたら、裁判や調停を申し立てられ裁判所から書類が届いてその時点で大事だと気づくケースも珍しくはありません」

触ったわけじゃないから、自分は女性だから大丈夫というわけではなく、線引きが難しくなっています。だからこそ、専門家に頼った方が良いのでしょう。

真っ先に同僚に相談しようとする人もいるかもしれませんが、もしセクハラと相談窓口に相談があった場合、必要に応じて第三者にもヒアリングが行われます。同僚に相談したことがマイナスに影響することもあり得るのかもしれません。

職場恋愛でもいいと思いますが、相手があることだからこそ十分に気を付ける必要があります。

昔の価値観で気持ちのままに関係を押し進めようとして、身を亡ぼすことのないようにしたいものですね。

【野間口 寛 弁護士】

日本橋兜町の法律事務所ミッション代表。離婚、不倫慰謝料など男女問題を多く扱っている。

<取材・文/菊乃>

【菊乃】

恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt

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