友達づくりの上手な人が“やらないこと”とは。バーのマスターに聞いて納得

友達づくりの上手な人が“やらないこと”とは。バーのマスターに聞いて納得

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【BARのマスターに聞く!第1回】

こんにちは、コラムニストのおおしまりえです。

最近、友達関係って難しいなと思うことがあります。1つは、コロナ禍になり、友達づきあいの形や距離が変わったこと。もう1つは個人的なことですが、私が妊娠をしたため、生活リズムや興味関心が変化し、今まであった「子どもができると疎遠になる友達」という状態を、別の立場から見られていることです。

特に何か大きな問題が起きたわけでもないし、ものすごい孤独感に襲われた、というわけではない。けれど、じわじわ感じる交友関係の変化に、ちょっとだけ不安が残ったりもします。そもそも、大人になってからの適度な友人関係ってどんなものなのでしょうか。

今回は、渋谷のワインバー「BAR BOSSA(バールボッサ)」の店主であり、作家として『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』(幻冬舎刊)などの著書をもつ、マスターの林伸次さんに取材。憧れの“バーのマスターに人生相談”をしながら、答えを探ってみました。

◆大人にとっての心地よい友達関係って、一体どんなもの?

おおしま: 冒頭で話した通り、「大人になってから友達が減ったな」と思うことがあります。その分仕事やパートナーとの時間は充実してはいるのですが、もともと友達が少ない方なので、ちょっと寂しさもあったりして。林さんが思う「心地よい友達関係」って、どんなものだと思いますか?

林: そもそも、年齢とともに友達が減るって仕方ないことだと思います。一説によると、人は“狭い場所”でしか友達を作れない生き物だと言われているそうです。たとえば中学高校などの狭いコミュニティですね。これを大学の単位制にすると、友達ができにくくなると言われています。

友達って、性格や興味が合うことでできると思われがちですが、本質はそこにはなくて、毎日顔を突き合わせて色んな話をぶつけ合っていく中でできていくんです。

おおしま:なんだか、いきなり安心しちゃいました! 普通に生活していると、友達関係が新しくできるよりも、減る方が多いと感じるのは当然のことなんですね。

林: そうですね。だからこそ、孤独を感じるときがあるなら、意識的に作らないとダメとも言えます。

もちろん結婚はしたい人がすればいいし、したくない人はしなくていいと思いますが、僕はもし結婚をしたいと思っているのなら、結婚推進派です。それは独りだと話し相手がおらず、早死にのリスクが高まるから、というところから来ています。人は一定量の会話をしないと、精神的に参ってしまうと言われています。「結婚相手が一番の友達」であれば、少なくとも会話不足で孤独になるリスクは、ある程度回避できますからね。

◆“第三の場所”をいかに持つかが、孤独感回避のカギ

おおしま: 日本人はよく勤勉と言われますが、最近はその勤勉さが繋がり不足を誘発していると思うときがあります。たとえば、家と職場の往復だけをしていた中年男性が、社会との繋がり不足で孤独になったり。子育てママさんが社会から離れた結果、孤独感を募らせ子育てで行き詰まるというのも、構図としては似た印象を受けます。

林: 日本人は、欧米にくらべて“第三の場所”を持ちにくいカルチャーではあるかもしれません。僕は新型コロナ流行以降、よりリアル店舗の重要性が増したなと感じるときがあります。

少し前は、お店というものは今後デリバリーやEC(通信販売)によってなくなると言われていました。でも、実際は第三の場所としての機能をお店に求められることが多くなった印象です。今後は、会員制とかサブスクのお店といった、居場所としてのお店はニーズが高まるのかなと思っています。

BOSSAも会員制にはしませんが、ここへ来れば繋がりができるみたいな場所になれたらいいなと思っています。

◆大人からの友達づくり、上手な人は何が違うのか

おおしま: 続いて、大人からの友達づくりについてお聞きします。ずばりコミュニケーション力の差なのかもと思いますが、友達づくりが上手い人と苦手な人がいると思います。その違いを見つけていけたらと思うのですが、林さんは何だと思いますか?

林: 僕は、「あんまり気にしない人」だと思います。誘ったら迷惑かなとか、こんなこと言ったら嫌われるかなみたいなことを考える前に「ご飯行きましょう」が言える人。良い意味で相手のことを考えすぎずに行動できると、その分友達づくりの打席も増えて上手くなるのかなと思います。

BARにいらっしゃる方の中には、必ず誘うと決めている人もいたりしますよ。その場で言って日程を決めるとなって断られても、そこで縁が途切れるだけなので、ダメージって意外と少ないんだそうです。

おおしま: 打席っていう考えは恋愛と同じですね。私が思う友達づくりが上手い人の特徴は、「適度に寂しがり屋」かなと思います。適度な人は、寂しさを感じないための社交性が高かったりします。仕切りが上手いとか、面倒見がいいとか、フットワークが軽いとかですね。こうした性格が寂しさを感じさせない交友関係を作っているんです。

ただ、実は自分の父親がこのタイプなんですが、家族としては全然家に居なかったり、突然家族ぐるみの付き合いを望まれたりして、迷惑したこともありますが(笑)。

◆一生かけて、作っては離れ、また新しい形へ

林: ちなみに僕の妻は、「大人になってからは積極的に友達をつくることが大事だよ」って常々言っていて、実際友達をつくるのが凄く上手いんですよ。ヨガとか習い事で繋がりをつくるだけでなく、インスタなどで知り合った人とも積極的に交流しています。その中で「この人とはずっと付き合えるな」って人も見つかったりするそうです。

おおしま: 積極的ですね! SNSからの友達っていうのは、私も同業者の方ならありますが、自分から積極的に探しに行ったりはしないです。

林: その中で妻は「昔と友達をつくる基準が変わった」という話をしてくれて、とても興味深いんです。昔は友達といえば、趣味とか服のセンスが似ているとかで作っていたことが多かったらしいんですが、今はそういうパーソナルな一致よりも、住まいや生活環境が似た人と友達になりやすいそうです。例えばランチにこのくらいの金額が出せて、この辺に住んでいる人ってなると、話題や好みも合いやすく、安心して誘ったりできるそうです。

おおしま: それは初耳かもしれません。何にせよ、友達という繋がりは一生かけて、作っては離れていき、また新しい形をつくることで、充実していくんですね。

【林伸次さん】

渋谷のワインバー「BAR BOSSA(バールボッサ)」店主。中古レコード店、ブラジル料理店、ショット・バーで働いた後、1997年「BAR BOSSA」をオープン。バーを経営する傍ら著作家としても活躍し、cakes「ワイングラスの向こう側」など多数の連載をもつ。著書に『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』(幻冬舎)など。

<取材・文/おおしまりえ 写真/林紘輝>

【おおしまりえ】

水商売やプロ雀士、素人モデルなどで、のべ1万人以上の男性を接客。現在は雑食系恋愛ジャーナリストとして年間100本以上恋愛コラムを執筆中。Twitter:@utena0518

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