瀬戸康史が語る理想のベテラン俳優像「小日向文世さんのようになりたい」

瀬戸康史が語る理想のベテラン俳優像「小日向文世さんのようになりたい」

瀬戸康史さん

2022年も主演映画『愛なのに』や、大人気シリーズにきっちり爪痕を残した『コンフィデンスマンJP―英雄編―』、北条時房を演じる大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、主演舞台など、役の幅を広げる瀬戸康史さん。現在、波瑠さんが演じる恋愛経験ゼロの独身女性・聡子の恋の、お相手・涼介に扮したラブコメ『恋に落ちたおひとりさま〜スタンダールの恋愛論〜』がAmazon Prime Videoで独占配信中です。

 ラブコメと謳ってはいるものの、なかなか周囲と関係性を築けず一歩を踏み出せずにいる大人の女性を勇気づける人間ドラマに仕上がっています。人とのコミュニケーションで大切なのは、「自分を“晒す”こと」と話す瀬戸さんにお話を聞きました。また、瀬戸さんといえば、その落ち着いた“声”も魅力ですが、瀬戸さん自身は「特徴のない声だと思っている」とか。

◆19世紀のコスチュームでの撮影は大変だった

――本作は、主人公の聡子(波瑠)が「恋愛論」の作者スタンダールを名乗る男(小日向文世)にアドバイスを仰いでいく、恋愛ノウハウドラマのイメージがありますが、実際には恋愛に限った物語ではない、人生ドラマです。それを、瀬戸さんと波瑠さんが19世紀のコスチュームで登場する妄想シーンを挟んだりして、軽やかに見せてくれます。

瀬戸康史さん(以下、瀬戸)「そうですね。脚本も本当に楽しくざっと読めました。暑い時期の撮影だったこともあって、繊細で大掛かりな衣装の19世紀の部分は大変でしたけど、でも完成したものを見ると、その場面もすごく爽やかで面白くなっていて、良かったなと思いました」

――涼介は謎めいたキャラクターとして登場し、後半に変化を見せる役です。

瀬戸「前半はいろんな方向に捉えてもらえればいいなと思いました。普通の爽やかな青年として、『主人公の聡子はこの人と恋愛していくんだな』と思ってもらってもいいですし、『この涼介って人、何考えているのか分からない!』『え、今なんでちょっと悲しそうな顔をしたの?』とか。そして後半は彼も色々なことが明らかになっていくので、注目してもらいたいです」

◆人と関係を築くには、自分を“晒す”ことが大事

――聡子は最初は人との関係を恐れていますが、次第に周囲とつながりを持って行きます。瀬戸さんご自身が人とのコミュニケーションで大切にしていることはありますか?

瀬戸「人にはロボットと違って心があるので、『相手を信頼できるな』『自分を信じてくれているんだな』という思いは、相手に伝わると思います。そしてそこに絆が生まれていく。だから、そうした思いを含め、自分を“晒す”ことは大事だと思います。そうしないと相手も心の内を明かしてくれないと思うので、僕は思ったことは口に出して言うようにしています」

◆心がほんわかしたSNSのコメント

――身近な人だけでなく、瀬戸さんはSNSなどで見えない多数の方とも大きな意味で繋がっています。

瀬戸「たとえば新型コロナの影響でみんなが家にいたときに、僕は有難いことにいろんな人が見てくれる立場にいて発信することができました。少しでも多くの人がハッピーになってくれたらいいなと思って続けています」

――それは瀬戸さんご自身の力にもなっていますか?

瀬戸「はい。コメントも見ますし、それこそ世界のいろんな場所から見てくれている人がいます。日本の中でも、たとえば『今日は京都は雨です』なんて言葉も、相手の声は聞こえなくても、心がほんわかして、今日も頑張ろうと思えます」

◆自分では特徴のない声だと思っている

――声といえば、瀬戸さんは声もとても魅力的です。

瀬戸「それは嬉しいです。舞台をやっているときも、発声を含めて『声がいいですね』と言ってもらえることがあります。旅番組のナレーションをさせていただいているのも、僕の声を聞いてそうしたお仕事をくださったのでしょうし、声も表現のひとつですから、これからも挑戦していきたいとは思っています。でも自分自身では、特徴のない声だと思っているんです」

――ええ!? すぐに分かりますよ。

瀬戸「そう言っていただけて嬉しいです。なので、いつもそのたびに『この声に生んでくれてありがとう』と思いますが、僕自身は特徴のある声だと思っていません。たとえば声優の花江夏樹さんとか、ベテランの方だと野沢雅子さんとか、明らかに聞いたら分かるのが、特徴のある声だと思うので、僕なんかは全くわからないだろうと思っていて。でも大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の発表のとき、最初、声だけの発表だったんです。それでも『すぐに分かった』と言われました(笑)」

◆入りやすい隙がある、愛されるベテランになれたら

――今回、ベテランの小日向さんがスタンダールを演じていますが、瀬戸さんがベテランと呼ばれる年代になってきたとき、どんな役者になっていたいですか?

瀬戸「それこそ、コヒさんのような人になりたいです。ベテランなのに、すごく話しやすくて、いい意味で入りやすい隙がある。愛される人ですよね。ものすごくナチュラルで、裏表が全くないんです。楽屋裏の感じのままに舞台挨拶に出て、いつも本当にそのままです。そうした人柄もあったうえで、お芝居がしっかりされている。すごい方だと思います。僕もそうなれたらと思います」

◆読者へのメッセージ

――最後に改めて本作をまだ見ていない読者へメッセージをお願いします。

瀬戸「タイトルに“おひとりさま”と入っていますが、それがいい悪いでなく、ひとりでもひとりじゃなくても、その人が充実していればいいよねと感じられる作品だと思います。同時に、スタンダールの言葉や聡子さんの行動が背中を押してくれる作品なので、特に悩んでいたり、一歩を踏み出せないと思っている人に見てもらえたら嬉しいです」

『恋に落ちたおひとりさま〜スタンダールの恋愛論〜』はAmazon Prime Videoで配信中

<撮影・文/望月ふみ>

【望月ふみ】

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi

関連記事(外部サイト)