病と生きる猫・小太郎くん。肥大型心筋症と闘うスコティッシュフォールドと飼い主の絆

病と生きる猫・小太郎くん。肥大型心筋症と闘うスコティッシュフォールドと飼い主の絆

病と生きる猫・小太郎くん。肥大型心筋症と闘うスコティッシュフォールドと飼い主の絆の画像

【今日のにゃんこタイム〜○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.71】

 スコティッシュフォールドは、日本でも人気がある猫種です。しかし、その特徴的な折れ耳は骨や軟骨が正常に成長しない「軟骨異形成」によるもの。軟骨異形成を持って生まれた猫は「骨軟骨異形成症」という病気を発症するケースもあります。

 もしも、愛猫がそんな病気を患ったら、飼い主として自分はなにをしてあげられるだろうか……。そう悩む方に知ってほしいのが、小太郎くんと暮らしているkotaochanlove(@kotaochanlove)さんの暮らしです。

 小太郎くんは1歳の頃に骨軟骨異形成症を発症し、その後、肥大型心筋症を患いました。現在、飼い主さんのサポートを受けながら長寿にゃんこを目指しています。

◆一目惚れした愛猫が1歳で「骨軟骨異形成症」に

 飼い主さんは、とあるペットショップのホームページに載っていた小太郎くんに一目惚れ。

「今のように保護猫の知識もなく、飼うならペットショップしかないと思っていて。精神的に辛かった時期に猫と暮らしたいと思い、お迎えしました」

 小太郎くんは、おうちで伸び伸びとした姿をたくさん披露。その度に飼い主さんを笑顔にしてくれます。猫との暮らしを心の底から楽しんでいました。

 しかし、小太郎くんが1歳になった頃、歩き方に何となく違和感を覚えたため、病院で診てもらうことに。すると、骨軟骨異形成症を発症していたことが判明しました。

「最初はフローリングで痛めたのかもしれないと言われましたが、数日後、あきらかに片足を庇うように歩いていたので再び検査をしてもらい、発覚しました」

◆治療を開始とともに、脚の負担を減らす部屋作りも

 治療の開始とともに、飼い主さんは自宅の模様替えを決意します。フローリングにはカーペットを敷き、段差が大きい場所にはペット用の階段を設置。キャットタワーは段差の間隔が狭いシニア用に変更し、小太郎くんの脚にかかる負担が少しでも軽減されるように工夫しました。

 そして、骨軟骨異形成症の治療は痛みの緩和が主となるため、獣医師と相談し、アンチノールとコセクインパウダーというサプリを毎日飲ませたり、明らかに痛みが出ていそうな時は処方された鎮痛剤を与えたりして、愛猫の病気と付き合っていくようになりました。

◆肥大型心筋症も判明して投薬治療を開始

 そのように骨軟骨異形成症と向き合う道を見つけた後、再び悲しい出来事が飼い主さんたちを襲います。それは、小太郎くんが6歳の頃のこと。なんと、年に1回連れて行っていた健康診断で「肥大型心筋症」であることが判明したのです。

 肥大型心筋症とは、心室壁が厚くなり、左心房から左心室への血流が制限される病気のこと。

「スコティッシュフォールドは肥大型心筋症になりやすいと聞いたことがあったので覚悟はしていたつもりだったんですが、やはり実際に告知されると辛かったです」

 病気発覚後、小太郎くんにはすぐに心拍数を抑える薬と血栓をできにくくする薬が処方され、投薬治療がスタート。それに伴い、飼い主さんは1日1回必ず動画を撮り、呼吸に変化がないかチェックすることが日課になりました。

室温は小太郎くんが過ごしやすいよう、23〜24度になるように配慮し、湿度は50%前後をキープ。月に一度検査して、経過を診ています。

 そんな環境の中で小太郎くんは、まったりライフを謳歌。飼い主さんと2人きりの時には、ベタベタの甘えん坊さんに大変身しちゃいます。

「小太郎は大人しくて、温厚な子です。3歳の時にもう1匹猫を迎え入れたのですが、その時に初めて威嚇する姿を見て驚いたほど。シャーって言えるんだって思って(笑)」

 生まれ持った個性を丸ごと受け入れてくれる飼い主さんのもとで、小太郎くんは今日も命を輝かせています。

◆日頃から健康診断をしっかり受けてほしい

 骨軟骨異形成症や肥大型心筋症は早期発見することが、なかなか難しい病気です。自身の経験で、その事実を痛感したからこそ、飼い主さんは愛猫のささやかな変化を見逃さないようにして欲しいと訴えかけます。

「猫は、痛みを隠すのが上手な動物。骨軟骨異形成症は程度の差こそあれど、多くの折れ耳スコさんに発症すると聞きますし、肥大型心筋症は症状が出てからでは、かなり進行している場合が多いと聞くので、定期的な検査は必ず行ってほしいです」

 実は小太郎くん、病気発覚前から血液検査は頻繁に行っていましたが、数値に異常が見られることはありませんでした。そのため、飼い主さんは定期健診の際は血液検査だけでなく、レントゲンやエコー検査もしっかり受けてほしいと語ります。

◆ともに生き、ともに病気と闘う

 なお、小太郎くんの治療をする中で飼い主さんは、同じ病気を持つ猫と暮らしている飼い主仲間に支えられてきたからこそ、現在、骨軟骨異形成症や肥大型心筋症の愛猫と暮らしている方に向け、「大変なこともいろいろあるけれど、一緒に頑張ろう」とエールを送っているのです。

 病気の猫だから大変だとは、まったく思わない。「ともに病気と闘う」と捉えている――。闘病生活を、そんな言葉で表現する飼い主さんは1日でも長く小太郎くんと生き続けられるよう奮闘中です。

 病気の猫にはしばしば「かわいそう」という声が向けられることがありますが、それは必死に今を生きている猫や明るい未来を信じている飼い主さんの心を傷つける言葉。

 人間と同じで動物も、いつどんな病気になるか分からないからこそ、小太郎くんたちの日常は病気になった時にできる「うちの子の愛し方」を考えたり、他の猫へかけている言葉を見直したりするきっかけにもなるはずです。

<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>

【古川諭香】

愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291

関連記事(外部サイト)