日用品の値上げで家計が大打撃!節約だけじゃ生活を守れない、今すべきこと

日用品の値上げで家計が大打撃!節約だけじゃ生活を守れない、今すべきこと

※イメージです(以下、同じ)

<女性が一生、お金に困らないためのレッスン vol.19/経済評論家・佐藤治彦>

 テレビのニュースや情報番組などで、値上げが取り上げられています。毎日の食料品や、光熱費など、家計を直撃するものばかり…不安ですよね。

 いま、生活を守るために、どうすればよいのでしょうか?

 新著『素人はボロ儲けを狙うのはおやめなさい 安心・安全・確実な投資の教科書』が話題の、経済評論家・佐藤治彦さんが解説します。(以下、佐藤さんの寄稿)

◆実質賃金はマイナス状況で、物価高が進む

 岸田首相が1億総株主、資産所得倍増政策を打ち出しました。

 若い人は知らないでしょうが、その名称は、岸田首相の所属する派閥、宏池会の首相である1960年代の池田勇人首相の所得倍増計画を思い起こさせます。

 いま日本は過去30年間、経験したことのない物価高の環境に置かれています。

 一部の大企業を除くと総じて実質賃金はマイナスという状況の中で、物価高が進んでいるのです。

◆食料品や光熱費の値上げで家計を直撃

 この2年の間にも、モノの価格が上がるということはありました。新型コロナウイルス感染防止によるステイホームの影響を受け、パソコンや白物家電といった耐久消費財が人気で品薄になり、実質販売価格が上昇したのです。

 でも、今回は様相が違います。値上げの主体は、パンや食用油、マヨネーズにケチャップ、ビール、コーラやジュースなどの清涼飲料水、インスタントラーメンや冷凍食品に至るまでのほぼ全ての食料品に加え、トイレットペーパーなどの日用品。回転寿司、ハンバーガーやフライドチキンなどのファーストフードや、ラーメンや立ち食いそばなどに至るまでの庶民向け外食。

 さらに電気代、ガス代、ガソリン代といった生活必需品、生活に欠かせないものが値上げの中心なのです。

 同じ物価高でも、衣類や耐久消費財などは我慢して買うのを先延ばしにもできます。しかし、毎日の食料品や光熱費はそういうわけにはいきません。

 すでにほとんどの家庭で節約はし尽くしています。乾いたぞうきんをさらに絞るような生活です。今回の物価高は、全ての家計を直撃するのです。

◆給料が上がっていないのに物価高

 本来の物価高は、景気がよく賃金も上がって、モノの価格が上がっていくもの。

 しかし、今回は、海外からの要因です。例えば天候不順による不作、ロシアのウクライナ侵攻、新型コロナウイルスによる世界的物流の混乱、そして、円安といったことが複合的に絡み合っているので、一筋縄にはいきません。

 国民の所得、給料が上がるのを待っていられますか?

◆節約だけじゃもう生活を守れない

 岸田首相が資産所得倍増政策を打ち出した背景には、自ら投資をして資産を増やして生活を守ってください。そんな本音が透けて見えます。

 多くの家庭が、買い控えを中心とした節約をしていると思います。ただ、そのうえで、例えば賢い節税、賢い支払い方、賢い資産運用などの工夫の余地は残されているのではないでしょうか?

 私たちは生活を守るためにも、生活全般の見直しを、単に安く買う、少なく買うというレベルから一段上げなければならないのです。

 例えば、光熱費やスマホなどの通信費も、見直しや契約の仕方によって大きく支出を下げることができます。そこを工夫してもらいたいのです。

◆貯蓄ゼロ時代なのに、首相の政策に乗るには資産が必須

 なぜ、こんなことを申し上げるかというと、岸田首相のいう、資産所得倍増政策。この流れに乗るためには、資産があることが必須だからです。

 平成の中ごろまでと比べ、様変わりしたのは、今や国民の4割近くが資産、貯蓄がゼロの時代だということ。

 貯蓄が全くない人は、資産所得倍増の恩恵にはほとんど預かれません。そこが、池田勇人首相の打ち出した所得倍増計画との決定的な違いです。

 また、4月から公的年金の支給は大きく減らされました。すでに年金の受給者の多くから、年金が減って困ってると相談を受けています。

 無駄な支出を削ってくださいと申し上げると、もう無駄な支出などありませんと反論されます。確かにそのとおりでしょう。

 しかし、ただただ、金利ゼロの貯蓄に眠らせている資産のある年金世代も多いことは事実です。

 投資は増やすどころか減らすリスクもある。だから、定期預金などに入れているのはよくわかります。しかし、考えていただきたいのが、ゼロ金利のまま物価が上がれば、安全確実だと思われる、定期預金や普通預金の虎の子の資産も目減りしてしまうということです。

◆賢い投資とは何か、学ぶべき

 私たちの生活は、節約だけではもう守りきれません。

 少なくとも賢い投資とは何か、学ぶべきではないでしょうか?

 特に今は、まだ生活にある程度の余裕のある中間所得層やそれ以上の家庭で、投資について考えてみるべきなのかもしれません。

 そして、資産がゼロの世帯は工夫して資産を少しでも作っていく家計に変えることができないか。今いちど考えていただきたいのです。

◆今が投資をはじめる絶好のチャンス?

 なぜこんなことをいうかといえば、近いうちに資産運用を始める絶好の機会が来るかもしれないと考えているからです。少なくともその可能性はあります。

 資産運用を始めるいい機会というのは、わかりやすくいうと、安く買えるということです。

 投資で利益を出す基本は、安く買って高く売る。これに尽きます。

 そして、市場は時おり暴走し、経済の基礎的要件を無視して歪(ゆが)んでしまうことがあります。大きく歪んでしまった時は、遅かれ早かれ歪みは是正されていく。

 その歪んで、市場が暴走してしまった時こそ、資産運用を始めるいい機会になることがあるのです。

◆インフレと金利に注目

 今は3つの注目ポイントがあります。

 ひとつはインフレと金利。欧米の物価高からくる金利上昇と株価の動き。日本でも明確なインフレ傾向になっており、今までの金融緩和政策が転換される可能性も出てきたのです。

 特にアメリカは11月の中間選挙を前にしてインフレをなんとか収めようと、矢継ぎ早の金利引き上げをおこない、欧州もとうとう7月からそれに追随します。

 金融緩和から引き締め、これが世界の潮流となりつつあるのです。金融の引き締めとは、とどのつまりは金利が上がることです。金利が高くなれば、リスクのある株式などリスクのある資産から預金などにお金が流れることになります。つまり株式が売られて価格が下がる可能性があるわけです。

 大きな3つの要因の残りのふたつは、このところの世界の平和と経済を覆っている暗雲、ロシアのウクライナ侵攻と新型コロナウイルスで混乱している経済的な苦境もいつまでも続くわけがないということです。

 このような暗雲が晴れれば、再び経済が回り出す可能性があります。例えば、物流が正常化していく。出張や旅行、エンタティメントなどに人々が戻ってくる。外に出かけることが多くなれば、この3年近くは買い控えていた衣類や水着も売り上げが伸びる。経済の環境が変わり、動いていくわけです。

 しかし、これも景気が良くなるという側面と、景気が良くなって特に欧米のインフレが進む可能性もあるわけです。どちらも経済環境を変える可能性があるのです。

◆投資は始める前に勉強をしておくことが大切

 投資はいつでも始められますが、それはいつでも損をすることがある、ということです。投資は始めるタイミングがとても大切で、その前にきちんと勉強をしておくことが大切なのです。

  欧米の金融担当者と違い、日銀総裁の黒田東彦氏は異次元の金融緩和を続けると明確に発言しています。物価高でもゼロ金利は堅持する、と。そのため、市場関係者は日本と欧米との金利差がますます開くと考え、6月初めには円安が128円前後から一気に134円ほどまで進みました。

 円安が進めば、さらなる物価高も考えられます。しかし、これも当局が物価上昇に着目していると発言するだけで、流れは変わる可能性もあります。

◆働いて得た所得や年金だけでは守れない時代に

 普通にやっていれば生活はなんとかなる。

 そんな考えは出来るだけ早く捨て去ってほしいと思います。家計は、働いて得た所得や年金だけでは守れない時代がすぐそこまで、やってきているのです。

 そして、投資をする絶好のチャンスがやってきたときに、投資の準備、勉強をしているのではチャンスを逃してしまいます。岸田首相が自ら資産所得倍増計画と発言しているのです。今こそ、投資をすべきかの知識と勉強をしていただいて、新しい時代にどういう姿勢で臨むか、皆さん、それぞれが考えていただきたいのです。

<文/佐藤治彦>

【佐藤治彦】

経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『年収300万~700万円 普通の人がケチらず貯まるお金の話』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』『急に仕事を失っても、1年間は困らない貯蓄術』など多数 twitter:@SatoHaruhiko

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