EXILE TRIBE新グループ「PSYCHIC FEVER」に期待。“好感しかない“パフォーマンスとは

EXILE TRIBE新グループ「PSYCHIC FEVER」に期待。“好感しかない“パフォーマンスとは

PSYCHIC FEVER fron EXILE TRIBE(提供:LDH)

メンバー7人全員がマイクを持つフリースタイルグループ「PSYCHIC FEVER from EXILE TRIBE」(以下、PSYCHIC FEVER)が、2022年7月13日(水)に「アーバンドック ららぽーと豊洲」でデビュー記念イベントを行った。これで晴れて、「EXILE」を頂点にLDHが一大エンターテインメント集団を形成する「EXILE TRIBE」へ正式加入となった。

 正式加入ということは、「from EXILE TRIBE」が肩書きとして付け加えられるのだ。LDHから、またしても今後のめざましい活躍が期待できるアーティストが出発したことを素直に喜ばずにはいられない。

 そんなPSYCHIC FEVERのデビューを祝い、「LDHとイケメン」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、彼らのソウルフルな感性を紐解く。

◆登坂広臣の薫陶を受けた弟分

 デビュー日に日付けが変わったタイミングで、あるアーティストのInstagramストーリーが動いた。祝福と応援メッセージの連投は、「三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」(以下、三代目JSB)ツインヴォーカル登坂広臣のアカウントからだった。

 登坂が全国9会場17公演を回ったアリーナツアー『?MI LIVE TOUR 2022 “ANSWER…”』ファイナル公演では、メジャーデビュー直前だったPSYCHIC FEVERの面々が、オープニング・パフォーマンスを担当した。筆者も客席にいた会場では、クラップ(拍手)を促すアクトを鮮やかに記憶している。

 我らが臣君の薫陶を受けた弟分として、彼らを温かく見守りたいと思った。LDH恒例の「武者修行」を経て、今、華々しいデビューを飾った日を臣君がどれほどまでにたくましく思い、喜んだことだろう。そんな兄貴の気持ちを考えるだけで、思わず胸が熱くなる。

◆デビュー記念イベントのミニライブ

 弟分であるのは、三代目JSB他メンバーにしても同じらしい。パフォーマーのELLYがデビュー記念イベントにサプライズ登場したのは嬉しかった。シーサイドのステージは開放感があり、デビューアルバム『P.C.F』にも収録されている4曲のシングルをミニライブで歌い上げた。

 この日は、台風の影響で、ミニライブ後、ELLYサプライズ登場のタイミングで土砂降りに。でもここはさすが兄貴分のスタア・アーティストELLYだ。会場を埋め尽くす観客が思わず歓声を上げた。すると契機付けに追加パフォーマンスを所望。客席がビニール傘で埋め尽くされる中、兄貴の期待に応えるかたちでPSYCHIC FEVERは代表ナンバー「Hotline」を急遽披露した。

 水浸しのステージは足元がおぼつかなかっただろうに、素晴らしいアクトだった。そして何を隠そう、「Hotline」のライブ用振り付けとイントロ構成をしたのがELLYだった。筆者が偏愛するこの曲についてはすこし詳しく解説しておく。

◆「Hotline」のトレンド感

 PSYCHIC FEVERにとってプレデビューシングルである「Hotline」は、一度聴いたらメロディと歌詞が耳にこびりついて離れない。気がつけば何度もリピートしてしまう中毒性のあるこの楽曲のイントロは、今や世界の一大潮流であるトラップ・ソウルテイストでスローにはじまるかと思いきや、彼らの特色であるラップが塗り込められるように重なる。そのままサビまで一気に持っていかれる。

 そしてサビの瞬間。それまでタテノリぎみだった身体が、ぐいんと右にカーブを描くように湾曲する。あのうねるようなヨコノリ感。これがたまらない。メンバー7人全員がマイクを持つ彼らの楽曲は、ラップ担当が多いので、基本的にヒップホップビートがサウンドのベースになっている。現行ビートでありつつ、ヒップホップ・ソウルの伝統と懐かしさを感じもする。ソウルやR&Bに対するさりげない目配せをしのばせているあたり、好感しかない。

 こういうUSトレンドにアクチュアルな日本アーティストが、デビューするのが、筆者としては嬉しい。世界の音楽トレンド感を見据えながら、それをどうやって日本の音楽シーンに落とし込み、自分たちのファンにキャッチしてもらえるのか。そんなことを割と真剣に考えたトラックメイキングは、聴くところはしっかり聴かせて、ノセるところは徹底的にノセる。

◆TikTok上での「武者修行」

 それでいて全体としては非常にキャッチーだから、これは若い世代にウケるのも当然だろう。実際、この楽曲は、2021年はコロナ禍でオンラインでの開催が余儀なくされた「武者修行」のTikTokチャレンジ曲として人気を博した。オンライン開催の逆境を逆手に取り、次世代だからこその感覚で成功に導いた、紛れもないアンセムでもある。

 オートチューンで加工された声の斬新さや、電話ですれ違う若い男女の葛藤が歌いこまれた歌詞世界に合わせて振り付けられたダンスは、バズり必至だった。歌っても、踊っても楽しく、愉快で、遊び心のある音楽が、この「Hotline」には詰め込まれている。

 他にも、「Best For You」は、特にグループの色がうまく配色されたミディアムチューンで、ヒップホップのビートにR&Bの歌ものが溶け合っている。こうやって自分たちのファン層である次世代に訴求しながら、じわじわソウルの魅力が、広く浸透していったらいいなと、素朴に思ってみたりする。

◆本格的なソウルグループに期待

 ここ数年では、シティポップの再燃が世界的トレンドだけれど、そうした流行とは別に、より硬派なソウルを彼らが追求しても面白いかもしれない。メインヴォーカルの小波津志が尊敬する三代目JSBリードヴォーカル今市隆二が、オールドスクールなR&Bのサウンドを追求するように、デビュー後の彼らは今一度、改めて自分たちの音楽的ルーツと向き合うはず。

 では、デビューアルバムをリリースしたあとのシングルとしてどんな楽曲を期待したらいいだろう? これは筆者の好みだけれど、例えば三代目JSBの2ndアルバム『TRIBAL SOUL』(2011年リリース)に収録されたバラードナンバー「旅立つまえに」なんてどうか。隆二さんと臣君が手を携えて吹き込んだこの曲は、リリースから10年以上が経った今でも色褪せることがない。そんな記念碑的なバラードをPSYCHIC FEVER にも打ち立ててほしいところだ。

 さすれば、彼らがYouTube登録者数100万人達成とともに掲げる、「ビルボードグローバルチャート1位」という目標もそう遠くはないと思う。あれだけキャッチーなシングルを続々リリースすると同時に、数値化できない隙間に彼らのルーツを感じる音楽フレイバーを感じるのだから、これは必達目標達成に期待である。いずれにしろ、本格的なソウルグループといってもいいPSYCHIC FEVERが、EXILE TRIBEに正式加入したことをまずは手放しに喜びたい。

【PSYCHIC FEVER(サイキックフィーバー)】

ダンス、ボーカル、ラップ、ビートボックスなど多彩なスキルを持つ7人組ボーカルパフォーマンスグループ。

<メンバー>

小波津志(コハツ ココロ)/ボーカル・21歳

WEESA(イーサ)/ボーカル・18歳

剣(ツルギ)/ラップ・25歳

中西椋雅(ナカニシ リョウガ)/ラップ・24歳

渡邉廉(ワタナベ レン)/ラップ&ビートボックス・22歳

JIMMY(ジミー)/ラップ・22歳

半田龍臣(ハンダ リュウシン)/ラップ・20歳

<取材・文/加賀谷健>

【加賀谷健】

音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。

ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu

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