「給料の中抜きをされていた」ツイートが注目。告発者に経緯を聞いた

「給料の中抜きをされていた」ツイートが注目。告発者に経緯を聞いた

写真はイメージです

暴露系ユーチューバーのガーシーを筆頭にネットでの告発が相次ぐ昨今、名もなき個人の発信力も高まっている。時に社会を揺さぶるほどの破壊力を持つ告発は、なぜ起きたのか? 当事者たちを直撃した。

◆会社が支払総額を改ざんして“給与の中抜き”を実施か!?

〈先月まで務めていた企業(A社・東京都)に給料の中抜きをされておりました〉(原文ママ)

 6月には、こんなツイートが一部で大きな注目を浴びた。給料の中抜きとはどういう意味か? 告発者のコリー氏(@snoopy_ns2)が話す。

「SNS上で繋がりのあった方が役員を務めるA社で昨年11月から経理の仕事に就いたのですが、年が明けてからその役員から『確定申告をやっといてあげる』と言われて、私は何も考えずに任せてしまいました。このときに申告収入を水増しされたのです。

 手取り15万円という約束で昨年は12月の1か月だけ働いたはずが、申告書にはその3倍以上となる約60万円の給与収入が記載されていた。当然、私は数字がおかしいと訴えました。すると、その役員は昨年10〜12月分の新しい給与明細を、送りつけてきたんです。私は10〜11月に働いてないし、お金ももらってないのに……。

 おそらく、60万円の給与を支払ったことにして、実際の15万円との差額を懐に入れたりしたのでしょう」

◆さらに「一方的な雇用形態の見直し」も

 にわかに信じがたい所業だが、昨年12月末に受け取った給与明細の金額と、役員から送られてきた“新しい給与明細”の支給額には2万円の差がある。

「おまけに、私は5月頭に『今月いっぱいで退職したい』と伝えたのに、なぜか4月末で社員からパートに切り替えられ、健康保険の脱退手続きが取られていました。給与改ざんも一方的な雇用形態の見直しも違法なのに、A社はその役員が『すべて勝手にやったこと』と取り合おうとしないんです……」

 コリー氏は損害賠償請求訴訟も辞さない構えだが、請求額が小さいためか、弁護士探しが難航しているとか。告発が結実するまでには時間を要しそうだ。

◆告発者が敗れるケースも。SNS告発の法的リスク

 SNSの浸透で告発のハードルは下がったと言っていいだろう。だが、法的リスクも少なからずある。ベリーベスト法律事務所の浜上慎也弁護士が話す。

「特定の個人や企業の評判を著しく下げるような内容であると、名誉毀損で訴えられるリスクが生じます。そこで重視されるのが、告発内容の公共性と目的の公益性。重大な不正や犯罪に絡むことならば公共性・公益性があると認められやすく、違法となるリスクは低くなる。

 なお、クローズドな講演会などでの不適切発言を晒した場合には、著作権侵害にあたる可能性もある」

◆SNS告発をする際に注意すべきことは?

 では、SNSなどで告発する際に注意すべきこととは?

「伊藤詩織さんが元TBS記者からの性暴力を訴えた裁判では伊藤さんの主張が認められましたが、著書で『ドラッグを使われた』と書いた点のみ、真実と信じるに相当な理由が認められず名誉毀損に当たると判断されました。真実性が疑われる情報を晒す行為にも注意が必要です」

―SNSで告発する人たち vol.2―

<取材・文/吉岡 俊 池垣 完(週刊SPA!編集部)>

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