デニーズ「冷凍ビーフシチュー」のレベルが高すぎる!レストラン並みなアイテムは他にも

デニーズ「冷凍ビーフシチュー」のレベルが高すぎる!レストラン並みなアイテムは他にも

ビーフシチューを湯せんで温めて、ニンジンとブロッコリーを添えてみました

高いのになぜ人気!?

 コロナ禍以降、日々の食事に対する考え方や中身に、ある変化が表れているようです。その大きな要因となっているのが、長引くコロナ禍での行動制限が生んだ“食のマンネリ感”。

 それによって強まったニーズは、「旬のものを食べたい」、「行ったことのない飲食店を利用したい」、「食べたことのないメニューを食べたい」という新しい体験欲求なんだそう(※)。確かに自分の願望と照らし合わせてみたときに、違和感なく共感できる声が多いように感じます。

 そんな中、デニーズのプチリッチな冷凍食品が人気であることを耳にしました。「Denny’s Table」というブランドで、2022年5月から本格的にデニーズ店内で販売されはじめ、753円(以下、税込)の1人分ビーフシチュー、580円のグラタンやドリアの売れ行きが好調なんだそうです。

 これは、食料品値上げラッシュに悲鳴を上げている状況とは別次元の話とも言えますが、決してお安くはない冷凍食品が一体なぜ人気になっているのでしょうか?今回はその秘密についてデニーズの冷凍食品デニーズテーブル事業統括/外販事業推進部部長の堀川淳子さんに話を聞いた上で、実食をした素直な感想をお届けしてみたいと思います。

※2022年9月22日(株)リクルートプレスリリース「コロナ禍での食に対するマンネリ感や新たなニーズを調査」より

◆デニーズに行ってみたら、冷凍コーナーが充実していた

 コロナ前は頻繁に利用していたデニーズ。久しぶりに足を運んでみたところ、店内入口に近い壁際スペースに冷凍ケースが置かれていました。

 2022年11月時点での商品数は18種類。ジャンバラヤやベジタブルキーマカレー、ビーフシチューは店内で提供されているものと同じです(アレンジ、盛り付けなどは若干異なります)。価格帯は、160円のコーンスープを除いて500~1200円台で、決してお安くはありません。

 スーパーやコンビニで販売されている冷凍食品のレベルはぐんぐん上がっていますから、それらとシビアに比べてみたときに本当に納得できるものなのか? デニーズの実力を冷静に判断するために、まずは気になる5種を購入して自宅で食べてみることにしました。

◆本格味、プロ調理に感動

 今回私が購入したのは5種。

・モッツァレラ&粒マスタード白いソースのハンバーグ(680円)

・パッケリ~トマトクリームアメリケーヌ仕立て(494円)

・オマール香る海老ドリア~ターメリックライス(580円)

・ビーフシチュー(753円)

・低温でじっくり仕上げた3元豚のしっとりロゼ色ポーク(753円)

 温め方は商品によって異なりますが、電子レンジ加熱、湯せん、冷蔵庫での自然解凍が基本。ジャンバラヤ(今回は購入せず)を除き、誰でも食べたいときに1人分が味わえるようになっています。

 はじめに食べてみたのは、人気ナンバーワンのビーフシチュー。

◆ビーフシチューは文句ナシのおいしさ。肉のゴロゴロ感にも大満足

 一口食べて、そのおいしさには強く納得してしまうものがありました。いわゆる市販の冷凍食品のレベルとは一線を画するレベル感であり、その違いをデニーズの堀川さんに聞いてみたところ、根本的に原料の牛肉の選び方から違うとのことでした。

 甘味と旨味があるショートプレート(バラ肉と呼ばれる部位の一部)を使用し、レストラン品質にこだわり、濃厚ながらもキレのある味わいに仕上がっています。

 この違いは大人だけでなく子どもに食べさせてみると違いがすぐにわかるでしょう。このおいしさであれば店内での価格と比較することになりますから、デニーズのビーフシチューを食べたいという欲求を満たすためには高いという概念は生まれないのです。

◆マンネリ感を癒す「白いハンバーグ」にも感激

 次に、「白いハンバーグ」を試してみました。ハンバーグと言えば、デミグラスソース、トマトソース、和風ソースが主流な中、こちらはモッツァレラチーズとマスタードを効かせたホワイトソースベースになっています。

 味の好みが分かれそうではありますが、いつもの家庭料理にマンネリ感を抱いていたグルメ派の心を掴むような斬新なテイストであることは間違いありません。

 重くなりがちなホワイトソースをあえてハンバーグソースに採用するのは自信がなければやらないはずで、食べてみると粒マスタードの酸味と食感が良い変化をもたらしていました。

 これは小食の人でもぺろりと食べられてしまいそうです。ちなみにこのハンバーグ、“しっとり柔らか”を追求し、煮こごりを入れるなど工夫が隠れているとのこと。

◆自然解凍で食べられる「低温調理ポーク」にときめいた

 そして私がもっとも驚いたのは、低温調理された「3元豚のしっとりロゼ色ポーク」でした。この商品は冷蔵庫で自然解凍すれば加熱なしでも食べられるようになっていますが、好みの厚さに切って味わうようブロック状にカットされているのが嬉しいポイント。

 私はやや厚めに切り分けて、パスタ用のバジルソースを添えてみたところ、家庭料理の枠をはるかに飛び越えたハイレベルなおいしさに言葉を失ってしまいました。しみじみ最高です……。

 低温調理肉がこれほど簡単に味わえるだなんて、過去に聞いたことがありません。そして店内メニューには存在しないことも考えると、冷凍食品シリーズの目玉としては申し分のない華やかさがあります。

 しかも1人分というよりは家族で取り分けて食べる用途としても活躍できるサイズ感(180g)になっています。

◆グラタンやドリア、パスタはやや物足りない点も…

 ひと通り食べていて感じたのは、ロゼ色ポークやビーフシチューといったホームラン級の名品はあれど、すべてが同様でもないということです。

 世の中の冷凍食品全体のレベル感がぐんぐん上がっていますから、500円超を払ってでも食べたいと思わせるには、それなりの工夫や実力が必要となります。

 その差別化が実感しにくかったのが、グラタンやパスタ類。グラタンやドリアはレンジ加熱での調理ゆえに、オーブンで焼きあげるような香ばしさとはやや別モノ。

 また200円前後の冷凍パスタでも麺のおいしさにこだわった商品も多くそろっているせいか、あえてシビアに判定すればリピート欲は刺激されませんでした。この点においては、さらなる飛躍を期待したいところです。

 競合は冷凍食品だけにあらず。もはや食品の世界も垣根のない状況になっているということは間違いありません。

 消費者はさまざまな食体験をしていますから、味だけでなく、時短、コスパ、利便性、特別感といった様々な側面から評価された上で、「700円でも買いたい!」と思わせるチャンスは今後も大いに生まれることでしょう。

<取材・文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】

食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

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