“ロマンス職人”ヨン・ウジンが明かす日本人女性の印象とは? 「謙虚さが素敵だと思っています」

“ロマンス職人”ヨン・ウジンが明かす日本人女性の印象とは? 「謙虚さが素敵だと思っています」

映画『夜明けの詩』が、11月25日より日本で公開を果たす。

Netflixドラマ「39歳」や映画『ときめきプリンセス婚活記』などの作品で女性ファンの心を鷲掴みにしてきた“ロマンス職人”ヨン・ウジンさんと、韓国版『ジョゼと虎と魚たち』の繊細な演出と映像美で高い評価を獲得したキム・ジョングァン監督が、『窓辺のテーブル 彼女たちの選択』に続き2度目のタッグを組んだ最新作『夜明けの詩』が11月25日(金)より日本で公開されます。互いに全幅の信頼を寄せ合う二人が女子SPA!インタビューに応じ、本作に込めた熱い思い、国民の妹ことイ・ジウン(IU)の魅力、さらには日本の女性や映画・ドラマに対する印象などを真摯に語ってくれました。

あらすじ:冬の気配が残る韓国・ソウル。イギリスから7年ぶりに帰国した小説家のチャンソク(ヨン・ウジン)は、時間を失くした女、想い出を燃やす編集者、希望を探す写真家、そして記憶を買うバーテンダーと…心に深い葛藤を抱えながらも人生を歩み続ける4人と出会い、自らも心に仕舞い込んでいた記憶と向き合い始める。

◆フィクションとノンフィクションの垣根を超える不思議な魅力

――本作は一言では表現できない不思議な魅力を持っています。キム・ジョングァン監督はどんな思いを込めてこの映画を制作したのでしょう。

キム・ジョングァン監督:フィクションとノンフィクションの垣根を超えるという大胆な挑戦をした作品と言えますね。生と死、時間、記憶といったテーマを軸にして人生を語る映画にしたいと思いました。実は前作の『窓辺のテーブル 彼女たちの選択』と似ている部分があるのですが、その内容を踏襲しながらも、多くのアレンジを加えています。

――韓国で劇場公開された際、観客の反応はどんなものだったのでしょう。

キム・ジョングァン監督:映画は、僕にとって友人である観客の皆さんに贈る“手紙”だと思っているので、受け取った方がどんな反応をしてくれるか、毎回、とても楽しみにしています。ただ、韓国で公開された時、コロナ禍が最もひどい状況だったので、派手に舞台挨拶をしたり、観客とトークイベントで対話をしたり、なかなか交流を持つことができず、直接声を聞くことはできませんでした。これからいろんな感想が聞こえてくると思いますが、日本での反応もすごく楽しみにしています。

――ヨン・ウジンさんにお聞きします、『窓辺のテーブル 彼女たちの選択』に続いてタッグを組んだキム・ジョングァン監督の印象は?

ヨン・ウジン:『窓辺のテーブル 彼女たちの選択』の撮影中、一人の人間として生きる姿勢、作品に対する真摯な姿勢、そして役者としての心構えをたくさん学ばせていただきました。僕にとっては、心から信頼できる監督の一人です。

◆国民の妹・イ・ジウン(IU)は、独自の「話法」を持っている

――作品を拝見して、ヨン・ウジンさんとキム・ジョングァン監督は、とても相性がいいなと思いました。是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』にも出演し、日本でも大人気のイ・ジウン(IU)さんが、ヨン・ウジンさん演じるチャンソクの話相手として登場します。彼女を起用する経緯を、監督にお聞きしたいです。

キム・ジョングァン監督:この映画を撮る前に、Netflixのドラマ「ペルソナ ―仮面の下の素顔―」(エピソード4「夜の散歩」)でご一緒したんですが、その時の撮影が凄く楽しかったんですね。僕が思うに、彼女には独特の“話法”というものがあって、それがとてもユニークなんです。スター性があって、俳優としても、アーティストとしても素晴らしい能力を持っていますが、それに加えて誰にも真似できない彼女独自の個性がある。本作は低予算で実験的な映画ですが、彼女は「新しい何かに挑戦できるチャンス」と捉えてくれたようで、出演を快諾してくれました。そのことについては、とても感謝しています。

※追記:「あくびをしているイ・ジウン(IU)の顔がチャーミングだ」と伝えたら、キム・ジョングァン監督が「そうそう!」と言わんばかりにサムズアップ(親指を立てるジェスチャー)して共感していた。

◆日本で開催されたファン・ミーティング ”早朝の東京の街を楽しんだ”

――ヨン・ウジンさんは、8月に日本で行われたファン・ミーティングに参加されたそうですが、反応はいかがでしたか?

ヨン・ウジン:まだまだコロナ禍の厳しい状況だったんですが、たくさんの方が会いに来てくださって、僕自身とても嬉しかったです。皆さんと楽しくコミュニケーションをとらせていただいたんですが、その中で、一人お年を召した女性がいらっしゃって、凄く感動されて泣いておられたんです。その姿を見たとき、こういう方々のためにも、これからもっともっと自分は頑張らなきゃいけないと感じました。そしてもっともっといい作品に出演して、皆さんと幸せを共有したいと、心からそう思いました。

――コロナ禍ではありましたが、少しは日本を満喫できましたか?

ヨン・ウジン:コロナ禍もそうですが、非常にタイトなスケジュールだったので、今回はそれほど観光する時間はありませんでした。その代わりといってはなんですが、朝食前に、ホテルから銀座までウォーキングしたり、公園で瞑想したり、まだお客さんの少ないスターバックスに入ってコーヒーを飲んだりと、早朝の東京の街を楽しみました。個人的にはとても充実した幸せな時間を過ごせました。

――お二人にとって、日本映画はどんな印象ですか? また、好きな作品、監督、俳優なども教えていただければ。

キム・ジョングァン監督:私が最もリスペクトしているのは、成瀬巳喜男監督ですね。あとは小説家になりますが、夏目漱石と松本清張。最近の作品でしたら、寺島しのぶさんが主演された『オー・ルーシー!』や連続ドラマの「重版出来!」が面白かったです。日本の映画・ドラマにはとても関心があって、『ジョゼと虎と魚たち』をリメイクしたのも、その思いが高じたからなんです。凄く影響を受けていると思いますね。

ヨン・ウジン:少し前に濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』を劇場で観たんですが、一人大泣きしてしまいした。最近ではこれがベストムービーですね。キム・ジョングァン監督と同じように、僕も以前から日本の映画やドラマに関心を持っていて、たくさん観させていただいているんですが、一番の特徴は、「感情を強要しない」というところですかね。余韻を残しておいて、「自ら湧き起った感情を楽しむ」という作品が多いように思います。これは素晴らしいことですよね。チャンスがあれば、僕も日本の映画やドラマに出演してみたいです。

◆日本女性の美徳は心の距離感と辛抱強さ

――最後に、女子SPA!の読者を代表してお聞きしますが、ロマンス職人の異名を持つヨン・ウジンさんにとって、日本の女性はどのように映っていますか?

ヨン・ウジン:これは凄く難しい質問ですね(笑)。(少し考えて…)僕はそれほどおしゃべりでもないですし、声が大きいわけではなく、どちらかというと、『夜明けの詩』の主人公であるチャンソクのような静かな性格なんです。日本の女性は、そんな寡黙なタイプでも、辛抱強く、ちゃんと話を聞いてくれる印象があります。相手の気持ちを尊重するというか、見えない線があって、それ以上は越えて来ない。その謙虚さが素敵だなと個人的には思っています。

――付き合いが深くなればまた違うかもしれませんが、確かに、「程よい距離感を保つ」という印象はあるかもしれませんね。さすがはロマンス職人、観るべきところが違います。

ヨン・ウジン:(キム・ジョングァン監督と爆笑しながら)いやぁ、その表現、実は凄く恥ずかしいんです。

――そうですか? ロマンス職人…ヨン・ウジンさんにピッタリだと思いますよ!

ヨン・ウジン:恋愛に関しては、僕自身も作品を通して学んでいる身なんですが、ただこの年(現在38歳)になって、まだメロドラマやロマンチックコメディーができるということに対しては、一人の俳優としてありがたいことだと思っています。もちろん、年をとることによって恋愛感情も変わってくると思いますが、オファーがある限り、そういった変化も採り入れながら表現していきたいとは思っています。あと10年は頑張りたいですね(笑)。

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 今回はリモートでのインタビューとなったが、画面越しながらも、その人柄の良さがヒシヒシと伝わってくる真摯な二人。キム・ジョングァン監督が作り出す繊細で美しい映像世界の中で、ヨン・ウジンがどんな姿を魅せてくれるのだろうか。イ・ジウン(IU)とのコラボレーションも楽しみな映画『夜明けの詩』が、この秋、日本をロマンス色に染め上げる。

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<取材・文:坂田正樹>

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