2023年「三代目JSBの再始動」に期待できるワケ。年末の紅白をふまえて考察
2023年02月02日 15時02分女子SPA!

『JSB3 LIVEFILM / RISING SOUND』©2023 松竹株式会社
LDH勢が年末恒例の「NHK紅白歌合戦」に出場しない年だってそりゃあると思う。過去には2005年と2006年が不出場だったが、2022年の不出場は特にネット上で騒がれた。
そんなことを騒いだって仕方ないのになとひとりごちた筆者だが、全然悲観していないというか、事の次第をむしろ楽観的に捉えていた。それはなぜか?
「イケメンとLDH」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」(以下、「三代目JSB」)再始動のタイミングだからこそ、彼らの“遊撃”開始の合図に2023年の動向を見定めてみたい。
◆「第73回NHK紅白歌合戦」の記憶
2022年末の「第73回NHK紅白歌合戦」は筆者にとって記憶に残る放送年となった。理由は大きくふたつある。まずひとつはSNS上で「違う、そうじゃない」が話題沸騰の鈴木雅之や、慎ましい伴奏を披露した小室哲哉のなど、レジェンダリー・ミュージシャンたちが会場を大いに盛り上げたこと。特に玉置浩二率いる「安全地帯」の勇姿には目頭を熱くした(「B’z」のサポートメンバーとしておなじみのキーボーディスト、川村ケンさんが大きな両の手を振る神々しさ!)。
そしてふたつ目。「EXILE」を頭領とするLDH所属グループがひとつも出場しなかったことだ。ダンス&ヴォーカルの盤石な体制によって画面の奥からむあっと熱気を送り込んでくれるLDHアーティストが映らないと、なんだか肩透かしを食らうというのか、肌感覚として大晦日の冬の夜に暖を取るのが大変だった。K-POPグループの躍進やジャニーズ勢の気概に気圧(けお)される“EXILE魂”ではなかろうに。
◆「三代目JSB」メンバー7人の“充電期間”
LDH不出場については、その理由や解説記事などがネット上に出回り尽くしているので本稿で今さら云々言うつもりはない。
ただやっぱり年の瀬に、LDHの大黒柱である「三代目JSB」を見られないのは個人的には寂しい。2012年、7thシングル『0~ZERO~』のリード曲「花火」を引っ提げて紅白に初出場して以来、2018年末まで7年連続出場だった「三代目JSB」。でもこのグループのすごさは、紅白出場有無ではとても語りきれないところにある。
ひと言でいうなら、ダンス&ヴォーカル体制の伝統に根ざしながらメンバー7人全員が抜きん出ていることである。デビューから丸12年が経過し、13年目に入った今、メンバーはそれぞれソロ活動を展開し、全員が全員ソロでも大きな基盤と成功を得ている。2022年はグループ全体として主だった活動はなかったものの、その分だけソロ活動に打ち込めた、彼らにとっての“充電期間”だった。
それは、今市隆二がパーソナリティを務めるJ-WAVEのラジオ番組「SPARK」で「パワーをためる期間でもあった」と公言していた通りだ。
◆再始動という名の“遊撃”開始の合図
要するに、LDHアーティストが誰一人として紅白に出場しなかったのは、「EXILE」に次ぐ若頭である「三代目JSB」が通年の充電を必要としていたからだ、くらいに理解しておくのはどうだろうか?
さらに言えば、充電期間だった2022年の休眠を経て、十分に栄養を蓄えた彼らは翻(ひるがえ)ってこれまで以上に暴れだすということ。実際、沈黙を破って再始動する2023年の「三代目JSB」が2月1日にリリースする待望のシングル『STARS』の表題トラック「STARS」は、サビで彼らのサウンドを特徴付けるEDMの4つ打ち爆音をさわやかがんがんに響かせている。
同シングル収録の「この宇宙の片隅で」が、「三代目JSB」恒例の新年サプライズとして1月5日に投下リリースされたばかりだが、UTAがサウンドプロデュースを手掛けたしっとり系のこのバラードナンバーは、本命曲「STARS」までのささやかな前奏曲のような深い趣がある。そしてそれが再始動という名の“遊撃”開始の合図となり、すでにのろしは上がっている。
◆復習と予習のブランク期間
今年の「三代目JSB」は、恐ろしいくらいの勢いと加速で駆け抜けようとしている。2月18日からは静岡公演を皮切りにいよいよ全国ツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2023 “STARS”~Land of Promise~』が開幕する。サプライズ好きの彼らだ。おそらく開幕と同時にさらなるビッグアナウンスを用意しているに違いない。
ツアー開幕の2月以降はスケジュールがびっしり埋まりそうだが、ではそれまで残りの約半月は何をして待てばいいのか。簡単です。全国で公開中の『JSB3 LIVE FILM / RISING SOUND』を観るために劇場へ運べるだけ足を運ぶまでのこと。初のライブ映画から浮かび上がる立体的な音像を体感すべく、出来ることなら「ドルビーシネマ」が完備された上映館で鑑賞したいところだが。
本作によってこれまでの「三代目JSB」を復習しつつ、今後の予習にもなるという一石二鳥。しかも復習と予習のブランク期間を半月も与えてくれているのだから、まったく心憎いばかりの充実感である。
◆“三代目JSB遊撃隊”に参加
それで筆者もこの期間に、いざ出陣!という気持ちで本作を観に行った。噂通り、ドルビーシネマで観るライブ映画では、もはや生のライブ体験と同じ興奮を味わえた。過去のオンラインライブ映像などで構成された全編は、カットが替わると舞台セットやメンバーの衣装が自由自在にチェンジ(転換)している。そうした映像演出も映画ならではのギミック。
レコード大賞初受賞のダンスチューン「R.Y.U.S.E.I.」からいきなりはじまるセットリストは反則技満載で、4曲目「Feel So Alive」のラスト、名前をコールされた岩田剛典と山下健二郎が思い思いにパフォームする姿は激アツ。続く「Summer Madness feat.Afrojack」は、「三代目JSB」印のEDMサウンドがドルビーシネマによる爆音上映を演出する。
まるでスペースシャワーTVやMTVを見るようにシームレスにパフォーマンス映像が続く。紅白ではよく大物ミュージシャンが中継で出演するけれど、今年の「三代目JSB」出場枠は電波ジャックでもしてこのライブ映像を延々と流してくれないかな。それは冗談として、相当気が早いけれど、今年の「三代目JSB」を見納めたくらいの満足度なのは、筆者に限ったことではないだろう。
「誰も邪魔できない Stars shine」
「STARS」のこの意識的なフレーズに鼓舞されて、この指とまれ。2023年は、“三代目JSB遊撃隊”に参加するまでだ!
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu
そんなことを騒いだって仕方ないのになとひとりごちた筆者だが、全然悲観していないというか、事の次第をむしろ楽観的に捉えていた。それはなぜか?
「イケメンとLDH」をこよなく愛する筆者・加賀谷健が、「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」(以下、「三代目JSB」)再始動のタイミングだからこそ、彼らの“遊撃”開始の合図に2023年の動向を見定めてみたい。
◆「第73回NHK紅白歌合戦」の記憶
2022年末の「第73回NHK紅白歌合戦」は筆者にとって記憶に残る放送年となった。理由は大きくふたつある。まずひとつはSNS上で「違う、そうじゃない」が話題沸騰の鈴木雅之や、慎ましい伴奏を披露した小室哲哉のなど、レジェンダリー・ミュージシャンたちが会場を大いに盛り上げたこと。特に玉置浩二率いる「安全地帯」の勇姿には目頭を熱くした(「B’z」のサポートメンバーとしておなじみのキーボーディスト、川村ケンさんが大きな両の手を振る神々しさ!)。
そしてふたつ目。「EXILE」を頭領とするLDH所属グループがひとつも出場しなかったことだ。ダンス&ヴォーカルの盤石な体制によって画面の奥からむあっと熱気を送り込んでくれるLDHアーティストが映らないと、なんだか肩透かしを食らうというのか、肌感覚として大晦日の冬の夜に暖を取るのが大変だった。K-POPグループの躍進やジャニーズ勢の気概に気圧(けお)される“EXILE魂”ではなかろうに。
◆「三代目JSB」メンバー7人の“充電期間”
LDH不出場については、その理由や解説記事などがネット上に出回り尽くしているので本稿で今さら云々言うつもりはない。
ただやっぱり年の瀬に、LDHの大黒柱である「三代目JSB」を見られないのは個人的には寂しい。2012年、7thシングル『0~ZERO~』のリード曲「花火」を引っ提げて紅白に初出場して以来、2018年末まで7年連続出場だった「三代目JSB」。でもこのグループのすごさは、紅白出場有無ではとても語りきれないところにある。
ひと言でいうなら、ダンス&ヴォーカル体制の伝統に根ざしながらメンバー7人全員が抜きん出ていることである。デビューから丸12年が経過し、13年目に入った今、メンバーはそれぞれソロ活動を展開し、全員が全員ソロでも大きな基盤と成功を得ている。2022年はグループ全体として主だった活動はなかったものの、その分だけソロ活動に打ち込めた、彼らにとっての“充電期間”だった。
それは、今市隆二がパーソナリティを務めるJ-WAVEのラジオ番組「SPARK」で「パワーをためる期間でもあった」と公言していた通りだ。
◆再始動という名の“遊撃”開始の合図
要するに、LDHアーティストが誰一人として紅白に出場しなかったのは、「EXILE」に次ぐ若頭である「三代目JSB」が通年の充電を必要としていたからだ、くらいに理解しておくのはどうだろうか?
さらに言えば、充電期間だった2022年の休眠を経て、十分に栄養を蓄えた彼らは翻(ひるがえ)ってこれまで以上に暴れだすということ。実際、沈黙を破って再始動する2023年の「三代目JSB」が2月1日にリリースする待望のシングル『STARS』の表題トラック「STARS」は、サビで彼らのサウンドを特徴付けるEDMの4つ打ち爆音をさわやかがんがんに響かせている。
同シングル収録の「この宇宙の片隅で」が、「三代目JSB」恒例の新年サプライズとして1月5日に投下リリースされたばかりだが、UTAがサウンドプロデュースを手掛けたしっとり系のこのバラードナンバーは、本命曲「STARS」までのささやかな前奏曲のような深い趣がある。そしてそれが再始動という名の“遊撃”開始の合図となり、すでにのろしは上がっている。
◆復習と予習のブランク期間
今年の「三代目JSB」は、恐ろしいくらいの勢いと加速で駆け抜けようとしている。2月18日からは静岡公演を皮切りにいよいよ全国ツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2023 “STARS”~Land of Promise~』が開幕する。サプライズ好きの彼らだ。おそらく開幕と同時にさらなるビッグアナウンスを用意しているに違いない。
ツアー開幕の2月以降はスケジュールがびっしり埋まりそうだが、ではそれまで残りの約半月は何をして待てばいいのか。簡単です。全国で公開中の『JSB3 LIVE FILM / RISING SOUND』を観るために劇場へ運べるだけ足を運ぶまでのこと。初のライブ映画から浮かび上がる立体的な音像を体感すべく、出来ることなら「ドルビーシネマ」が完備された上映館で鑑賞したいところだが。
本作によってこれまでの「三代目JSB」を復習しつつ、今後の予習にもなるという一石二鳥。しかも復習と予習のブランク期間を半月も与えてくれているのだから、まったく心憎いばかりの充実感である。
◆“三代目JSB遊撃隊”に参加
それで筆者もこの期間に、いざ出陣!という気持ちで本作を観に行った。噂通り、ドルビーシネマで観るライブ映画では、もはや生のライブ体験と同じ興奮を味わえた。過去のオンラインライブ映像などで構成された全編は、カットが替わると舞台セットやメンバーの衣装が自由自在にチェンジ(転換)している。そうした映像演出も映画ならではのギミック。
レコード大賞初受賞のダンスチューン「R.Y.U.S.E.I.」からいきなりはじまるセットリストは反則技満載で、4曲目「Feel So Alive」のラスト、名前をコールされた岩田剛典と山下健二郎が思い思いにパフォームする姿は激アツ。続く「Summer Madness feat.Afrojack」は、「三代目JSB」印のEDMサウンドがドルビーシネマによる爆音上映を演出する。
まるでスペースシャワーTVやMTVを見るようにシームレスにパフォーマンス映像が続く。紅白ではよく大物ミュージシャンが中継で出演するけれど、今年の「三代目JSB」出場枠は電波ジャックでもしてこのライブ映像を延々と流してくれないかな。それは冗談として、相当気が早いけれど、今年の「三代目JSB」を見納めたくらいの満足度なのは、筆者に限ったことではないだろう。
「誰も邪魔できない Stars shine」
「STARS」のこの意識的なフレーズに鼓舞されて、この指とまれ。2023年は、“三代目JSB遊撃隊”に参加するまでだ!
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu
記事にコメントを書いてみませんか?