エルメスに半年で50万課金。“エルパト”にハマった34歳・専業主婦の結末
2023年03月13日 08時03分女子SPA!

※画像はイメージです(以下、同じ)
憧れのブランド・エルメス。
中でも、ケリーやバーキンといった定番アイテムは人気が高く、店舗に入荷することもまれ。簡単には手に入らず、お目にかかることも難しいのが実情です。
しかし、そうは知っていても欲しいものは諦められないもの。最近はSNSを中心に“エルパト”という言葉が広まりつつあります。
いったい“エルパト”とはどのようなものなのでしょうか。その実態と“エルパト”を経てピコタンを購入できた女性の体験談を紹介します。
◆ お店に行っても在庫ゼロ!?
“エルパト”とは高級ファッションブランド・エルメスのレアアイテム(バーキン、ケリー、ピコタンなど)をゲットするべく、エルメスの店舗を渡り歩く行動のこと。エルメスの店舗やオンラインショップをパトロールすることを略した言葉です。
でも、なぜそのようなことをする必要があるのでしょう。
実は、エルメスの人気アイテムは、多数のアイテムを購入(課金と呼ぶ人もいる)するお店のお得意さま、通称・顧客が複数回買い物をすることで付く担当(自分専属の販売員)からの紹介でなければ購入できず。バーキンやケリーに限っては、枠制度が設けられており、顧客であっても1年に2個しか購入できないのです。
しかし、エルメスには顧客用のアイテム以外に、お店を訪れて運が良ければ買えるアイテム、通称フリーのものも少なからず存在しているそう。“エルパト”をする方は、このフリーのアイテムに出会えることを目指しているのだそうです。
◆土日は3〜4時間待ちも当たり前
ちなみにアイテムを手に入れる以前に“エルパト”も簡単ではありません。
例えば、駅前にあるお店や有名百貨店内にある店舗の場合は、ほぼ毎日、入店待ちの行列が。特に土日は3~4時間待ちとなる店舗もあります。
店舗を回るほかには、エルメスの公式オンラインブティックなどでレアアイテム購入を目指す“エルパト”をする人も。しかし、オンラインでの購入はかなり難しく、人気商品はカートインすら難しいと言われています。
このようにエルメスの人気アイテムを購入するのは至難の業。エルパトの末、お目当てのピコタンをゲットした女性は、いったいどのように手に入れたのでしょうか。話を聞きました。
◆「もともとブランド物には興味がなかった…」
もともとブランドものには全く興味がなかったA子さん(34歳/主婦)が、エルメスの人気コレクション・ピコタンを気にし始めたのは、いつものように街を歩いていたときのこと。
コロンと丸い形が特長のピコタンを、美しいマダムがサラッとお召しになっている姿を見て、「私もあのバッグを持っていたら、彼女のように素敵な歳の取り方ができるかも」と愛が深まっていったそうです。
ちなみにA子さんが欲しいと思ったピコタンは定価40万円。専業主婦には痛い出費でしたが、夫が車にお金をかけているのを見て「あの人ばかり、贅沢してズルい」という気持ちが高まり、妊活や老後資金として貯めていた貯金から捻出することを決めたそうです。
こうしてA子さんは“エルパト”デビュー。週1~2回程度の頻度でエルメスの店舗に並ぶようになりました。
ただし、前述したように入店することすら難しいエルメス。毎度1〜2時間並び、やっとの思いで店舗に入れても「あいにく、今日はバッグがひとつも入荷しておりません」と言われることが続きました。
◆ピコタンに出会うため…半年で50万超の課金!
その中で「エルメスのアイテムを少しでも購入したら、ピコタンが購入できるのかも?」と思うようになったA子さんは、いつからか他のアイテムの入荷状況も聞くように。
バッグはおろか、財布、バッグチャーム、シルバーアクセサリー(シェーヌダンクルなど)も頻繁に入荷するわけではないのですが、比較的手に入りやすい細いスカーフ・ツイリーをいつかバッグのハンドルに巻くことに憧れて、在庫の確認をしてもらうようになり、お目当てのものがある時には購入するようになりました。
気づけば1つ27000円ほどするツイリーを1年で6本も手に入れていたA子さん。それどころか「もしかしたらお目当てのアイテムを紹介してもらえるかも」と淡い期待を抱き、靴やスカーフなども購入。気づけば半年の間にエルメスのアイテムを50万円分購入していました。
◆ついに念願のピコタンをゲット!一体どうやって?
“エルパト”生活から1年が経とうとしたころ、エルメスから大幅な値上げをするとの発表が。このニュースを見てA子さんは「値上げまでに手に入らなかったら、もうピコタンのことは諦めよう」と決意。今まで以上の頻度で、エルメスの店舗を回るようになりました。
そして値上げ日まで1週間を切ったある日、A子さんは何度も通った店舗でピコタンと黒いローファー、ファランドールというシルバー製のブレスレット、ツイリーリングの在庫を確認。
いつもならバックヤードからすぐに戻ってくるスタッフさんですが、この日はいつもよりも少し時間がかかったそう。A子さんの元に訪れ「申し訳ございません。お客様の足のサイズだと、白い靴しかございません。いかがなさいますか」と告げたそうです。
お目当てのアイテムに出会えず「白い靴は汚れるから」と断り、帰ろうとしたA子さん。
しかし、そんなA子さんにスタッフの方は「しかし、ピコタンだけはたった今、本当に今入ってきたばかりなのですが……」と続けたそうです。
突然の出来事に動悸が収まらないA子さん。スタッフの方も「ピコタンを紹介したのは、かなり久しぶりですので私も大変ビックリしております」と声を震わせながら興奮気味に説明してくれたと言います。
そして、レアアイテムが用意できた場合にのみ通される個室へ。ついに念願叶って美しいノアール(黒色)のピコタンと対面することができたのです。
そしてA子さんは、もちろん即購入。「実物のピコタンは、シボ感(牛革特有の凸凹のような皺のこと)が美しく、手触りも良好でした」と笑顔で教えてくれました。
◆ピコタンゲットの勝因は…?
こうして念願のピコタンをゲットできたA子さん。
その勝因を聞くと「根気強さですね。とにかく足繁く通ったからだと思います」と笑顔。
これにて、A子さんの“エルパト”は終了!……とは行かず「実は店舗に通っているうちにバーキンやケリーの魅力にも気づいてしまって……引き続き“エルパト”をしているんです」とのこと打ち明けてくれました。
華やかなアイテムとは裏腹に根気強さがカギとなる“エルパト”。A子さんのような地道な活動に抵抗がない方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
<文/みくまゆたん>
【みくまゆたん】
フリーライター兼占い師。数々の婚活経験を元に、大手メディアや出版社などで恋愛、婚活、占いコラムなどを執筆中。
Twitter:@mikumayutan
中でも、ケリーやバーキンといった定番アイテムは人気が高く、店舗に入荷することもまれ。簡単には手に入らず、お目にかかることも難しいのが実情です。
しかし、そうは知っていても欲しいものは諦められないもの。最近はSNSを中心に“エルパト”という言葉が広まりつつあります。
いったい“エルパト”とはどのようなものなのでしょうか。その実態と“エルパト”を経てピコタンを購入できた女性の体験談を紹介します。
◆ お店に行っても在庫ゼロ!?
“エルパト”とは高級ファッションブランド・エルメスのレアアイテム(バーキン、ケリー、ピコタンなど)をゲットするべく、エルメスの店舗を渡り歩く行動のこと。エルメスの店舗やオンラインショップをパトロールすることを略した言葉です。
でも、なぜそのようなことをする必要があるのでしょう。
実は、エルメスの人気アイテムは、多数のアイテムを購入(課金と呼ぶ人もいる)するお店のお得意さま、通称・顧客が複数回買い物をすることで付く担当(自分専属の販売員)からの紹介でなければ購入できず。バーキンやケリーに限っては、枠制度が設けられており、顧客であっても1年に2個しか購入できないのです。
しかし、エルメスには顧客用のアイテム以外に、お店を訪れて運が良ければ買えるアイテム、通称フリーのものも少なからず存在しているそう。“エルパト”をする方は、このフリーのアイテムに出会えることを目指しているのだそうです。
◆土日は3〜4時間待ちも当たり前
ちなみにアイテムを手に入れる以前に“エルパト”も簡単ではありません。
例えば、駅前にあるお店や有名百貨店内にある店舗の場合は、ほぼ毎日、入店待ちの行列が。特に土日は3~4時間待ちとなる店舗もあります。
店舗を回るほかには、エルメスの公式オンラインブティックなどでレアアイテム購入を目指す“エルパト”をする人も。しかし、オンラインでの購入はかなり難しく、人気商品はカートインすら難しいと言われています。
このようにエルメスの人気アイテムを購入するのは至難の業。エルパトの末、お目当てのピコタンをゲットした女性は、いったいどのように手に入れたのでしょうか。話を聞きました。
◆「もともとブランド物には興味がなかった…」
もともとブランドものには全く興味がなかったA子さん(34歳/主婦)が、エルメスの人気コレクション・ピコタンを気にし始めたのは、いつものように街を歩いていたときのこと。
コロンと丸い形が特長のピコタンを、美しいマダムがサラッとお召しになっている姿を見て、「私もあのバッグを持っていたら、彼女のように素敵な歳の取り方ができるかも」と愛が深まっていったそうです。
ちなみにA子さんが欲しいと思ったピコタンは定価40万円。専業主婦には痛い出費でしたが、夫が車にお金をかけているのを見て「あの人ばかり、贅沢してズルい」という気持ちが高まり、妊活や老後資金として貯めていた貯金から捻出することを決めたそうです。
こうしてA子さんは“エルパト”デビュー。週1~2回程度の頻度でエルメスの店舗に並ぶようになりました。
ただし、前述したように入店することすら難しいエルメス。毎度1〜2時間並び、やっとの思いで店舗に入れても「あいにく、今日はバッグがひとつも入荷しておりません」と言われることが続きました。
◆ピコタンに出会うため…半年で50万超の課金!
その中で「エルメスのアイテムを少しでも購入したら、ピコタンが購入できるのかも?」と思うようになったA子さんは、いつからか他のアイテムの入荷状況も聞くように。
バッグはおろか、財布、バッグチャーム、シルバーアクセサリー(シェーヌダンクルなど)も頻繁に入荷するわけではないのですが、比較的手に入りやすい細いスカーフ・ツイリーをいつかバッグのハンドルに巻くことに憧れて、在庫の確認をしてもらうようになり、お目当てのものがある時には購入するようになりました。
気づけば1つ27000円ほどするツイリーを1年で6本も手に入れていたA子さん。それどころか「もしかしたらお目当てのアイテムを紹介してもらえるかも」と淡い期待を抱き、靴やスカーフなども購入。気づけば半年の間にエルメスのアイテムを50万円分購入していました。
◆ついに念願のピコタンをゲット!一体どうやって?
“エルパト”生活から1年が経とうとしたころ、エルメスから大幅な値上げをするとの発表が。このニュースを見てA子さんは「値上げまでに手に入らなかったら、もうピコタンのことは諦めよう」と決意。今まで以上の頻度で、エルメスの店舗を回るようになりました。
そして値上げ日まで1週間を切ったある日、A子さんは何度も通った店舗でピコタンと黒いローファー、ファランドールというシルバー製のブレスレット、ツイリーリングの在庫を確認。
いつもならバックヤードからすぐに戻ってくるスタッフさんですが、この日はいつもよりも少し時間がかかったそう。A子さんの元に訪れ「申し訳ございません。お客様の足のサイズだと、白い靴しかございません。いかがなさいますか」と告げたそうです。
お目当てのアイテムに出会えず「白い靴は汚れるから」と断り、帰ろうとしたA子さん。
しかし、そんなA子さんにスタッフの方は「しかし、ピコタンだけはたった今、本当に今入ってきたばかりなのですが……」と続けたそうです。
突然の出来事に動悸が収まらないA子さん。スタッフの方も「ピコタンを紹介したのは、かなり久しぶりですので私も大変ビックリしております」と声を震わせながら興奮気味に説明してくれたと言います。
そして、レアアイテムが用意できた場合にのみ通される個室へ。ついに念願叶って美しいノアール(黒色)のピコタンと対面することができたのです。
そしてA子さんは、もちろん即購入。「実物のピコタンは、シボ感(牛革特有の凸凹のような皺のこと)が美しく、手触りも良好でした」と笑顔で教えてくれました。
◆ピコタンゲットの勝因は…?
こうして念願のピコタンをゲットできたA子さん。
その勝因を聞くと「根気強さですね。とにかく足繁く通ったからだと思います」と笑顔。
これにて、A子さんの“エルパト”は終了!……とは行かず「実は店舗に通っているうちにバーキンやケリーの魅力にも気づいてしまって……引き続き“エルパト”をしているんです」とのこと打ち明けてくれました。
華やかなアイテムとは裏腹に根気強さがカギとなる“エルパト”。A子さんのような地道な活動に抵抗がない方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
<文/みくまゆたん>
【みくまゆたん】
フリーライター兼占い師。数々の婚活経験を元に、大手メディアや出版社などで恋愛、婚活、占いコラムなどを執筆中。
Twitter:@mikumayutan
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