人なつっこいノラ猫が浅草革小物店の「部長」になるまで。社員を癒す“お仕事”が可愛すぎる!
2023年10月02日 08時45分女子SPA!

人なつっこいノラ猫が浅草革小物店の「部長」になるまで。社員を癒す“お仕事”が可愛すぎる!の画像
浅草にアトリエ本社とショップ本店を構えるKanmi.。バッグやお財布などの革小物の製造と販売を行っています。製品は雑誌で取り上げられたり、ドラマの撮影で使われたりと大人気。
そのKanmi.のオーナーの石塚さんは動物全般が大好きで、今は保護した猫3匹と暮らしています。
そのうちの1匹のどらやき部長だけ、石塚さんと一緒に出勤し、アトリエ本社で仕事をしているとのこと。
なぜ、どらやきだけ出社しているの? そしてなぜ「部長」? 気になることが多すぎます!
石塚さんと、どらやきの出会いは今から6年前。通勤途中の石塚さんは、なんとなく普段は使っていない道を通ったそうです。
すると、その道沿いにあった駐車場に1匹のオス猫がいました。
首輪をしていなかったことに気づいて心配になり、「猫ちゃん」と声を掛けたところ「にゃー」と鳴いて返事をしてくれました。
仕事帰りに同じ道を通ったところ、先ほどの猫がまだいます。すぐにでも保護をしたかったといいますが、偶然の出来事で、準備はできていません。
「帰宅後に夫にその猫の話をしたところ、『保護しなきゃダメじゃん!』と言われまして(笑)。可能な限りの準備をし、翌日同じ場所に行きました」(以下石塚さん)
同じく猫好きな旦那さんの理解もあり、準備を整えた翌日、猫と出会った場所に向かいます。ところが猫の姿は見えず……。
それでも石塚さんはいると信じて「猫ちゃん」と呼び掛けました。すると、応えるかのように車の陰から、鳴きながら出てきてくれたそうです。
とても懐っこい性格の猫だったため、難なく保護。こうして猫は「どらやき」と名付けられ、石塚さんの家族になりました。
ちょっぴり短い手足と胴、ふんわり丸い尻尾が特徴のどらやき。名前は、石塚さんの旦那さんが命名しました。
「おそらく、どらやきのような見た目をしているから」というのが石塚さんの推測です。
ひょっとすると、屋号の「Kanmi.」が「甘味処」からきていることも関係しているかもしれませんね。
でも、「部長」はどこから来たのでしょう? この謎を解くには、どらやきが石塚さんの元にやって来る以前にさかのぼります。
実はどらやきを保護する1年前までは、Kanmi.のアトリエ本社には別の猫が暮らしていました。
その猫の名前は大福。元々は、Kanmi.の裏に住んでいた高齢女性の飼い猫でしたが、その女性が亡くなり、1匹で近所をさまよっていました。
「しばらく食事をしていなかったようで、がりがりのボロボロ。見ていられなくなって、保護を決めました」
と、当時を振り返ります。だいぶ高齢の大福でしたが、石塚さんの献身的なお世話と病院での治療のおかげですっかり元気になりました。
ところが、猫エイズにかかっていることが発覚。
その当時、石塚さんの家には大福とは別の猫が2匹いました。大福を隔離するにも、そのとき住んでいた家は部屋が足りなかったといいます。
そういった理由から、大福はKanmi.で暮らすことに。石塚さんは休日も出社して、最期まで大福のお世話に努めました。
このようにKanmi.には、「会社で猫を飼育する」という土壌が自然と育まれていました。
さて、話はどらやきに戻ります。石塚さんの家で暮らすことになったどらやきは、やんちゃぶりをいかんなく発揮。嫌がる年配の先住猫たちに、ちょっかいを出しまくります。
「私の目がないときに何かをしでかすのではと心配になり、これはもう会社に連れていくしかないと」
と石塚さんは笑います。こうして、どらやきは石塚さんと一緒に毎朝出勤することに。
大福が「店長」と呼ばれていたことから、どらやきにも役職をつけようということで、部長に任命されたのでした。
そんなどらやき部長の仕事は、社員に癒しを与えたり、息抜きをさせたりすること。
具体的には社員の膝の上に飛び乗って温めたり、存分になでさせたり、帰宅する社員に「にゃー」と声掛けをして見送ったりと、やることはたくさん!
仕事の最中はこの恍惚の表情。人を癒しているどらやき部長自身も癒しを感じているのが伝わりますね。
甘えん坊でもあり、本社2階に上がる石塚さんの後を追い、石塚さんが1階に下りれば「抱っこして下して」とひと鳴き。
かわいいから、つい従ってしまうのにも納得です。
どらやき部長は、グッズのモデルも行っています。フレンドリーにお腹を開放する姿を完全再現!
来客対応も丁寧です。家猫になった今は、ちょっぴり臆病だといいますが、本社内の自身のテリトリーに迎え入れさえすれば、ほぼどこを触ってもOK。
人懐っこさを見せ、初対面の筆者にですら、おしりをトントンさせたり、お腹をなでさせてくれたりします。優しく触れば肉球や尻尾まで!
NGなしの愛嬌のいいどらやき部長ですが、1つだけ苦手なものがあり……。
ミラーレス一眼を向けた途端、このけわしい表情と距離感……スマホには警戒心を抱いていないので、写真撮影というよりは、大きくて黒いものがダメなよう。
ミラーレス一眼をしまい、アピールをしても、もう筆者は「黒いものを持っている」認定をされ、帰るまで警戒され続けるのでした。
こうして、元保護猫のどらやき部長は優しい飼い主さんと社員に囲まれながら、日々仕事にまい進するのでした。
そんな彼に石塚さんは「いつもみんなを癒してくれてありがとね。これからも楽しく健やかな毎日を送りましょう」と優しく声を掛けます。
なお、本社アトリエを訪れても、どらやき部長には触ることはできず、遠目から見ることができたらラッキーなくらい。
穏やかに暮らすどらやき部長の姿をやさしく見守ってあげてくださいね。
どらやき部長(浅草革小物 Kanmi.)X(旧Twitter):@kanmi_dora
浅草革小物 Kanmi.Instagram:@kanmi_official
<文・写真/増田洋子>
【増田洋子】
2匹のデグー、2匹のラットと暮らすライター。デグーオンリーイベント「デグーサロン」を運営。愛玩動物飼養管理士2級を取得。Twitter:@degutoichacora
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そのKanmi.のオーナーの石塚さんは動物全般が大好きで、今は保護した猫3匹と暮らしています。
そのうちの1匹のどらやき部長だけ、石塚さんと一緒に出勤し、アトリエ本社で仕事をしているとのこと。
なぜ、どらやきだけ出社しているの? そしてなぜ「部長」? 気になることが多すぎます!
偶然通った道での運命的な出会い
石塚さんと、どらやきの出会いは今から6年前。通勤途中の石塚さんは、なんとなく普段は使っていない道を通ったそうです。
すると、その道沿いにあった駐車場に1匹のオス猫がいました。
首輪をしていなかったことに気づいて心配になり、「猫ちゃん」と声を掛けたところ「にゃー」と鳴いて返事をしてくれました。
仕事帰りに同じ道を通ったところ、先ほどの猫がまだいます。すぐにでも保護をしたかったといいますが、偶然の出来事で、準備はできていません。
「帰宅後に夫にその猫の話をしたところ、『保護しなきゃダメじゃん!』と言われまして(笑)。可能な限りの準備をし、翌日同じ場所に行きました」(以下石塚さん)
同じく猫好きな旦那さんの理解もあり、準備を整えた翌日、猫と出会った場所に向かいます。ところが猫の姿は見えず……。
それでも石塚さんはいると信じて「猫ちゃん」と呼び掛けました。すると、応えるかのように車の陰から、鳴きながら出てきてくれたそうです。
とても懐っこい性格の猫だったため、難なく保護。こうして猫は「どらやき」と名付けられ、石塚さんの家族になりました。
お店にいる猫としては2代目
ちょっぴり短い手足と胴、ふんわり丸い尻尾が特徴のどらやき。名前は、石塚さんの旦那さんが命名しました。
「おそらく、どらやきのような見た目をしているから」というのが石塚さんの推測です。
ひょっとすると、屋号の「Kanmi.」が「甘味処」からきていることも関係しているかもしれませんね。
でも、「部長」はどこから来たのでしょう? この謎を解くには、どらやきが石塚さんの元にやって来る以前にさかのぼります。
実はどらやきを保護する1年前までは、Kanmi.のアトリエ本社には別の猫が暮らしていました。
その猫の名前は大福。元々は、Kanmi.の裏に住んでいた高齢女性の飼い猫でしたが、その女性が亡くなり、1匹で近所をさまよっていました。
「しばらく食事をしていなかったようで、がりがりのボロボロ。見ていられなくなって、保護を決めました」
と、当時を振り返ります。だいぶ高齢の大福でしたが、石塚さんの献身的なお世話と病院での治療のおかげですっかり元気になりました。
ところが、猫エイズにかかっていることが発覚。
その当時、石塚さんの家には大福とは別の猫が2匹いました。大福を隔離するにも、そのとき住んでいた家は部屋が足りなかったといいます。
そういった理由から、大福はKanmi.で暮らすことに。石塚さんは休日も出社して、最期まで大福のお世話に努めました。
このようにKanmi.には、「会社で猫を飼育する」という土壌が自然と育まれていました。
さて、話はどらやきに戻ります。石塚さんの家で暮らすことになったどらやきは、やんちゃぶりをいかんなく発揮。嫌がる年配の先住猫たちに、ちょっかいを出しまくります。
「私の目がないときに何かをしでかすのではと心配になり、これはもう会社に連れていくしかないと」
と石塚さんは笑います。こうして、どらやきは石塚さんと一緒に毎朝出勤することに。
大福が「店長」と呼ばれていたことから、どらやきにも役職をつけようということで、部長に任命されたのでした。
どらやき部長の忙しい日々
そんなどらやき部長の仕事は、社員に癒しを与えたり、息抜きをさせたりすること。
具体的には社員の膝の上に飛び乗って温めたり、存分になでさせたり、帰宅する社員に「にゃー」と声掛けをして見送ったりと、やることはたくさん!
仕事の最中はこの恍惚の表情。人を癒しているどらやき部長自身も癒しを感じているのが伝わりますね。
甘えん坊でもあり、本社2階に上がる石塚さんの後を追い、石塚さんが1階に下りれば「抱っこして下して」とひと鳴き。
かわいいから、つい従ってしまうのにも納得です。
どらやき部長は、グッズのモデルも行っています。フレンドリーにお腹を開放する姿を完全再現!
来客対応も丁寧です。家猫になった今は、ちょっぴり臆病だといいますが、本社内の自身のテリトリーに迎え入れさえすれば、ほぼどこを触ってもOK。
人懐っこさを見せ、初対面の筆者にですら、おしりをトントンさせたり、お腹をなでさせてくれたりします。優しく触れば肉球や尻尾まで!
NGなしの愛嬌のいいどらやき部長ですが、1つだけ苦手なものがあり……。
ミラーレス一眼を向けた途端、このけわしい表情と距離感……スマホには警戒心を抱いていないので、写真撮影というよりは、大きくて黒いものがダメなよう。
ミラーレス一眼をしまい、アピールをしても、もう筆者は「黒いものを持っている」認定をされ、帰るまで警戒され続けるのでした。
どらやき部長と過ごす日々は笑顔がいっぱい!
こうして、元保護猫のどらやき部長は優しい飼い主さんと社員に囲まれながら、日々仕事にまい進するのでした。
そんな彼に石塚さんは「いつもみんなを癒してくれてありがとね。これからも楽しく健やかな毎日を送りましょう」と優しく声を掛けます。
なお、本社アトリエを訪れても、どらやき部長には触ることはできず、遠目から見ることができたらラッキーなくらい。
穏やかに暮らすどらやき部長の姿をやさしく見守ってあげてくださいね。
どらやき部長(浅草革小物 Kanmi.)X(旧Twitter):@kanmi_dora
浅草革小物 Kanmi.Instagram:@kanmi_official
<文・写真/増田洋子>
【増田洋子】
2匹のデグー、2匹のラットと暮らすライター。デグーオンリーイベント「デグーサロン」を運営。愛玩動物飼養管理士2級を取得。Twitter:@degutoichacora
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