いまから準備!遺産相続の前にすべきこと

いまから準備!遺産相続の前にすべきこと

記事画像



「遺産相続」の話なんて、当分先のこと。そもそも、実家に資産なんてないし……と思っている人は、考えを改めた方がいい。特にアラフォーぐらいの年齢の人は、親がまだ元気で頭がハッキリしているいまこそ、その下準備を始めるのにいいタイミングかもしれない。

 家族間での金銭トラブルの中でも一番厄介なのが遺産相続だ。実際にはどんな事態になると揉め事に発展しやすいのか、トラブルの実例を税理士の落合孝裕氏に直撃した。

◆親との同居が不利になるケースも

「一番問題が起きやすいのは、二次相続で遺言書がない親の財産を子供たちが相続するケース。二次相続とは、後に残された親が死亡した時の相続のことです。それぞれの子供には等分に相続権がありますが、『親と同居して面倒見た』など生前の親との関わり方が違うと法定相続分では納得できない人も出てきます。で、『誰がいくらもらうか』と各々が権利を主張し、泥沼化することが多いです」

 親の面倒を見た人ほど多くの財産を求めるのは当然だが、同居した人が相続で不利になるケースも。

「親が亡くなる3年以内に贈与を受けた財産は『相続財産』とみなされます。そのため親から3年以内に金銭的援助を受ける場合、遺産の取り分が減らされることも。生活費や教育費はOKですが、リフォーム代や借金の肩代わりなどは贈与とみなされるのでご注意を」

 遺産が現金など分けやすいものならよいが、不動産の場合、さらなる混迷を引き起こすことも。

◆人気のタワーマンションにも落とし穴が

「不動産は売却し、現金で分割できればいいですが、実家だと家族の誰かが住んでいたりと簡単に売却できません。その場合、家をもらう人は各人の持ち分に応じた現金を支払う必要があります。でも不動産はいかようにも価値を換算できるので、払う側は安く、もらう側は高く見積もりたいというジレンマから決着がつきづらいです」

 同じ不動産でも昨今、相続税対策で脚光を浴びるタワーマンション。だが、こちらも実は落とし穴があると落合氏は続ける。

「タワーマンションは、購入金額よりも価値が安く見積もられるので、相続時に税金が安くなる。たしかに税金対策としては効果的ですが、購入時1億円のタワーマンションも、実際に市場に出したら1億円で売れるとは限りません。現金の代わりにタワーマンションを相続したものの売却時には思っていた値段で売れず、結局は損をして禍根を残すこともありますね」

 また、「遺産なんて金持ちの話」と他人事に思っている家庭ほど、トラブルは起きるという。

◆相続問題は資産がない家ほど起きる!?

「相続は金額の大小より、方針が決まってなくて揉めるもの。資産がある家ほど生前に相続について決めておき、資産がない家ほど何も決まってないのでトラブルになりやすい。未然に防ぐために、事前に親や配偶者に遺言書を作ってもらうなり、家族間で遺産の分配の意思確認をしておきましょう」

金銭トラブルを未然に防ぐ5か条

1.「親の面倒を見た」か否かの相続率は親の生前に意思確認

2.生前に親からもらったお金が贈与に当たるかどうか確認を

3.金額の算出が難しい不動産は、親の生前に配分を決めておく

4.タワーマンションの相続は価値下落の危険を考慮すべし

5.遺産額が少ない家庭も事前に遺言状の作成を

【落合孝裕氏】

税理士。落合会計事務所代表。著書に『相続と節税のキモが2時間でわかる本』『決算書の読み方が面白いほどわかる本』などがある

―家族に疲れた症候群【6】―

関連記事(外部サイト)