山崎賢人の“花男・道明寺シーン”は国宝級!夏ドラマの助演男優賞【後編】

山崎賢人の“花男・道明寺シーン”は国宝級!夏ドラマの助演男優賞【後編】

「好きな人がいること」公式サイトより http://www.fujitv.co.jp/sukinahitogairukoto/



【夏ドラマを勝手に表彰 助演男優賞 後編】

 2016年の夏ドラマ大賞を総評中の芸能ライターのスナイパー小林です。

 前回の助演男優賞 前編に続いて、後編も二人を表彰。ひとりは放送終了後に毎回、イケメン&どSっぷりがSNSで話題に上がった若手俳優くん。そしてもうひとりは、実力派だからこその三枚目役が印象的だったベテランさまだ。

◆花男・道明寺とシンクロした“俺様”演技

助演男優賞:山崎賢人(好きな人がいること/フジテレビ)

 パティシエの櫻井美咲(桐谷美玲)に恋する、兄弟で経営するレストラン「Sea Sons」のシェフ・柴崎夏向(かなた)を演じた山崎賢人(※「崎」は正式には「たつさき」)。腕は確かでも不愛想、俺様を絵に描いたような性格だ。無骨ながらも美咲を支え、ラストでは結ばれたふたり。月9夏ドラマの恒例ともいえる、海・飲食店を舞台にした夏の恋がキラキラと輝いていた……。

 爽やかで、王道のラブストーリーはF1層(20〜34歳女性)だけではなく、確実にその下の年代の心も掴んでいた。放送直後はイケメン俳優軍の出演効果も相まって、SNSは大騒ぎ。最終回の9月19日時点でTwitter、Instagram、LINEで計167万人以上のフォロワーがいたというのだから、確実に平均視聴率8.91%には反映されない人気があったのだ。

 そして今回、私が僭越ながら選ばせてもらった山崎さん。とんでもないいい男ぶりは周知の事実だけど、なにが良いといえば、プライベートでは女子大好き! な役とのギャップ。でもって、バラエティ番組では口下手で、完全なるいじられキャラ。嵐のメンバーから「ザキヤマ!」と呼ばれて嬉しそうに返事をする一幕もあるなど、Mっ気があるのがまたいい。

 なのに、今回のスキコトの演技では帝王感満載のどSキャラ。美咲の頬をむにゅっと掴んでキス。好きな人に振られて落ち込む美咲に「オレがいんだろ、オレがそばにいてやるよ」と自分が相手に片思いしているにもかかわらず、上から目線の攻撃! もともとは映画『L・DK』『オオカミ少女と黒王子』でもドSキャラで、全国の女子を震わせてきた山崎さん。今回もその手腕をフル発揮していた。素と演技のギャップ幅、たまんねえな。

 第6話では約束に遅れてくる美咲を雨の中待ち続け、ついには発熱。美咲に看病されて回復する……というシーンがあった。これがあの伝説の帝王キャラ・道明寺を生み出した『花より男子(2005年10月放送/TBS)』の牧野つくしとの初デートシーンに酷似していると、騒ぎになったことも。

 これはドラマファン(いやドMとも言う)から言わせてもらえれば、あのシーンはもう国宝級入りに近いもので、女性は放送されることを待ち望んでいたのだ。夏向によって今夏、復活を遂げたことはむしろありがたい話。数年に一度は見たくなるので、できれば各ドラマでこの演出をお願いしたい。

 と、いろいろ理由はあれど山崎さん、受賞、おめでとうございます! なんだか完全に趣味の域の話になってしまったけど、そこはまぁご愛嬌ということで。

◆あのトオルがコメディに転身か

助演男優賞:仲村トオル(家売るオンナ/日本テレビ)

「……これ、仲村トオル?」

『家売るオンナ(日本テレビ)』の第1話放送で私が漏らしたひと言。『チーム・バチスタ(フジテレビ/2008年〜)』シリーズで見られたような、いわゆる二枚目キャラが完全崩壊して、三枚目キャラのダメ営業課長を彼が演じていた。

 このドラマは今クールで一番の視聴率を叩き出していた。主役の三軒家万智(北川景子)の上司・屋代大(仲村トオル)はバツイチ、出世のためにコンプライアンスを遵守、情けなさが光る50歳。トップセールスマンの三軒家にはなにも言えず、行きつけの飲み屋で愚痴をこぼす日々。

 これがかつては映画『ビー・バップ・ハイスクール(1985年)』のヤンキー役でコワモテだったトオルの現在か……と思うとちょっと切なくなった。

 とはいえ、一線級のクールイケメンが演じるコメディはやはり見ていて気持ちが良い。脂ギッシュな親父のコメディはもう笑うしかないけど、彼クラスの俳優が演じてしまうと「なんだか可愛い(ハート)」に差し代わる威力を持っている。

 酔った勢いで三軒家にキスしてしまうシーンもなんだか納得。飲み屋の姉ちゃんに「ちちんぷいぷいの〜ぷい〜♪ ぷいぷいのぷい〜♪」とよく分からない魔法をかけられて喜んでいる姿も、ご愛嬌。クール役、コメディときて次にトオルが行く道を見守りたい。

 余談だけど『はじめまして、愛しています(テレビ朝日)』でも江口洋介が、あのあんちゃん(『ひとつ屋根の下』/1993年放送 フジテレビ)を、彷彿させるようないい人キャラを全力で演じ、コメディ役になりきっていた。今クールは、往年のイケメンキャラが何かを崩壊させて新境地に飛び込む理由があったのだろうか。そこが知りたい。

<TEXT/スナイパー小林>

【スナイパー小林 プロフィール】

ドラマ解説、芸能、恋愛、カルチャー、美容・健康ネタ好きのライターであり、編集者であり。執筆や編集を手がけた媒体は100冊以上。約20年以上ドラマをこよなく愛し、ついには趣味が仕事になった幸せ者のアラフォー。Twitter:@hisano_k

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