ユニクロも高くて買えない正社員OL。「実家を出たとたん、生活苦に…」

ユニクロも高くて買えない正社員OL。「実家を出たとたん、生活苦に…」

写真はイメージです。



 貧困や賃金格差がニュースで報道されていますが、他人事だと感じている人も多いのではないでしょうか?

 ところが、何不自由なく暮らしていた人であっても、ちょっとしたきっかけで急に貧困状況に陥(おちい)ることもあるようです。詳しく話を聞いてみました。

「中小企業の一般事務として働き11年。なかなか昇給がなく、いまだに手取り月収15万円という厳しい収入ながらも、実家暮らしのためなんとかやってこれました。

 でも、家を出て一人暮らしをしなければならなくなった途端、想像以上に生活が苦しくなってしまって……」と話す、山中沙希さん(仮名・31歳・メーカー/未婚)。

◆母親の熟年再婚きっかけで家を出ることに

 家を出るキッカケとなったのは、母親の熟年再婚だったそうです。

「両親は私が高校生のときに離婚したのですが、『妻と娘が二人で暮らしている限りは無償』という条件で、父親名義のマンションにずっと暮らしていたんです。

 でも、母が再婚しマンションを出ることになったところ、『まだ値が付くうちにマンションを売りたいので、これを機に沙希もマンションを出てくれ』と言われてしまって。

 金銭的に余裕がないので私だけでもマンションに残りたかったのですが、もともとシビアな性格のうえ10年以上ろくに会話をしたこともない父親に甘えることなどできず、仕方のない状況でした」

◆手取り15万円で家賃6万5000円は高すぎた…

 山中さんが引っ越し先として選んだ場所は、勤務先まで電車で40分の郊外ターミナル駅。駅から20分ほど歩くアパートなら家賃6万5000円で1DKの部屋に住めるので、都内に住むよりずっとお得だと思ったとか。

「でも、いま考えれば手取り15万円で家賃6万5000円は高すぎですよね。もっと不便で狭くても、家賃4万円程度の部屋にすべきだったんでしょうが、これまで都内の広めのマンションで生活していたのでいきなり感覚を変えられなかったんです」

 実家暮らしのときは生活費を3万円入れているだけで、そのほかの固定費はスマホ代1万円くらい。贅沢はできずともオシャレも遊びも不自由を感じることなく楽しめていたそうですが……。

「いまは家賃6万5000円に加え水道光熱費とスマホ代で月に8万円以上は飛んで行ってしまうので、自由に使えるのは7万円弱。しかも、これまでは私が入れた生活費と母のパート代でやりくりしていた食費と日用品代も、全部自分で払うとけっこうかかってしまって。

 やれ米だ水だ洗剤だティッシュだと、節約しているつもりでも月に2〜3万円はなくなってしまいます。実家暮らしの頃は母がパート先のスーパーから食材をいろいろもらってきていたので、あれで得しているぶんも大きかったんだなぁと」

◆病気で将来が不安。豆苗を育てておかずに…

 そんな山中さんに追い打ちをかけるように、先日甲状腺の病気が発覚。生活に支障が出るほどの病状ではないものの、2週間おきの通院で月5000円〜1万円はかかってしまうとか。

「通院費も痛いですが、『もし悪化して働けなくなってしまったら』と思うと怖くて怖くて。通院費をのぞいても月に3万円程度は自由になるお金がありますが、少しでも貯金に回したいのでもう外食なんかできません。

 夜はほぼ自炊で、安いうえに2〜3回は再生できる豆苗にめちゃくちゃ助けられてます。食べた後の根と豆を水に付ければ1週間ぐらいでまた食べ頃に育つので、常時4〜5個は同時に育て、サラダや炒め物、みそ汁と何にでも使っていますね」

 また、これまで昼食は月の半分は同僚と1000円程度のランチ、もう半分は500円程度のコンビニご飯で済ませていたそうですが、いまは毎日お弁当だとか。

「中身は豆苗炒めなど夕飯の残り一品に卵焼き、ごましおご飯という毎日同じ質素な内容ですが、『病気になっちゃったから健康のために』というとみんな納得してくれるので助かっています」

◆洋服代は郊外型の大型古着屋で購入して節約

 そのほか、大幅に節約するようになったのが洋服代。

「以前は月に1〜2万円は洋服代にあてていましたが、いまは無理。プチプラと言われるユニクロすら手が出ないので、家の近くの古着屋で今年流行りの色やデザインの服を血まなこで探し買っています。

 郊外って、“ビンテージっぽい古着”ではないフツーの今風の服が一枚数百円で買える大型の古着屋があるんですよ。この点は郊外に引っ越してよかったですね」

◆もっと若いうちにスキルアップ転職しておけばと後悔

 ただ、このように頑張っても貯金できるのは月にせいぜい1〜2万円。もっと安い家に引っ越したくても先立つものがなく、不安で眠れない夜も少なくないとか。

「派遣のほうが月々の収入はよかったりするので転職も考えましたが、病気になってしまったし、やっぱり給料が安くても正社員の立場を手放すのは怖い。実家暮らしでなんとかなっていたからって、どうしてもっと若いうちにスキルアップ転職をしておかなかったんだろう……と後悔ばかりしています。

 しかも、病気の症状はまだ軽いのに、飲み会も『お酒は病気によくないから』と断り、お金がなくてネイルができないのも『病気で爪が弱ってるから』と言い訳し、何でもかんでも病気のせいにしているうちに鬱々としてきてしまって……。明るい未来を思い描けません」

 たまに母親を頼りたくなるけれど、再婚相手との生活を邪魔するのが申し訳なく頼れないという山中さん。なかなか厳しい状況のようです。

―お金がない…女の生活苦シリーズ vol.5―

<TEXT/丸本彩乃>

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