連ドラ『過保護のカホコ』は母親役・黒木瞳に注目! 振り切った過保護ぶりがもはや笑える

連ドラ『過保護のカホコ』は母親役・黒木瞳に注目! 振り切った過保護ぶりがもはや笑える

「過保護のカホコ」日本テレビ公式サイトより http://www.ntv.co.jp/kahogo-kahoko



 先週12日に始まった日テレの水曜ドラマ『過保護のカホコ』。そのタイトル通り、高畑充希演じる娘・加穂子の甘やかされぶり、世間知らずぶりに「イライラする」「共感できる」と賛否両論巻き起こっている模様。

◆母親役・黒木瞳の振り切った過保護ぶり!

 ですが、何より際立ったのは黒木瞳演じる母親の異常さ! 小学生のように眠りこける娘を懸命に起こし、洋服を選んでやり、三段重ねの凝った弁当を持たせ、駅まで毎日送り迎えをするのは当たり前。娘のために準備した就活の面接会場までの地図には、まるで赤ペン先生のように丁寧な文字で詳しく説明が書かれているではありませんか。

 こんな調子じゃ、そりゃあ加穂子も内定なんかもらえるわけがない。父親のコネでも内定がもらえなかった結果、母親は就活はやめて花嫁修業をしましょうと提案。それに「そうだね、お母さん」と何の疑問も持たず笑顔で応じる加穂子。加穂子、本当にそれでいいのか!? …と、ツッコミどころ満載でもうめちゃくちゃです。グイグイくる母親のパワーに圧倒されます。

 ストーリーは公式サイトでも説明されているので簡単に。主人公・加穂子(高畑充希)が母・泉(黒木瞳)に尽くされまくり、一人じゃ何もできない22歳に成長してしまったというところからスタート。

 父親(時任三郎)は二人の様子に危機感を覚えながら、妻の迫力に負けて何も言えません。そこに加穂子の同級生で、厳しい家庭環境(っぽい)で必死に夢を追う麦野初(竹内涼真)が現れ、初めてその過保護ぶりを非難するというものでした。

 個人的に最も印象深かったのは、引き出しを開けるとレンタルビデオ店の新作コーナーのように美しく整然と並ぶDVD。それは加穂子の成長記録を撮りためたもの。このDVDを毎晩のように母娘でキャッキャと楽しんで観賞するというのだから、もうヒィ〜〜! という感じです。その過保護ぶり、いや母娘の蜜月ぶりがスゴイ。

 脚本は『女王の教室』『家政婦のミタ』(ともに日本テレビ系列)などで知られるベテラン、遊川和彦氏によるものなのですが、いや、恐れ入りました…。

◆母親は、自分のテリトリー内では女王様/外では人見知りキャラ

 そんな母親ですが、そのクセの強さは過保護なだけに留まりません。この母親には“境界線”というものがあり、その範囲内の場所であれば女王様のように振る舞うものの(自宅、自分が三人姉妹の長女である実家は境界線内)、範囲外にやってくると途端に蚊の鳴くような声になり、人見知りする小学生の少女のように大人しい女性に豹変するのです。

 だから、父親の実家では加穂子を通さないと発言することさえできません。とにかくこの母親、あやしすぎます。

 実は、黒木瞳は遊川氏が脚本を担当した1999年のドラマ『魔女の条件』(TBS系列)にも出演。松嶋菜々子演じる女教師と滝沢秀明演じる男子生徒の禁断の恋を描く物語でしたが、滝沢秀明の母親を演じたのが黒木瞳でした。このとき、脚本家としては珍しく演出にも口を出すという遊川氏は、黒木瞳に息子に恋愛感情を抱いているという少し変わった母親像を依頼したとか。

 黒木瞳は理解ができないと拒否したそうですが(Eテレ『SWITCHインタビュー 達人達』 2017年2月11日放送)。今回も、遊川氏は相当破天荒な母親像を注文、もしくは期待して黒木瞳をキャスティングしているのではないかと想像しています。

 キャスティングといえば、黒木瞳の母親役の三田佳子もあやしい。こんな調子でも過保護であることを絶対に認めない母親の、その母親はいったいどんな人物なのか。視聴者は絶対に気になったはず。その役を演じているのが大女優・三田佳子ときたら、もうタダの母親であるわけがない。などと思っているのですが、はてさていかがでしょう。

◆ドラマの過保護ぶりに笑いつつも、少し共感

…とかなんとかひどい過保護ぶりを指摘しながら、私は少々共感してしまいました。自分も、いい歳こいて母親に「駅まで送って〜」と甘えたりしているので。そして、割と当然のように応じてくれる我が母親。う〜ん、文字にするとだいぶ恥ずかしい…。とはいえ、もちろんドラマはデフォルメされていて、その過保護ぶりはもはや笑えました。

 というわけで、黒木瞳演じる母親はこの物語においてもう一人の主人公ではないかと思っています。第一話の最後で「加穂子が驚くような人間に成長する」という、少々影の薄い父親のモノローグでハードルを上げていたので、もちろん加穂子の成長ぶりに期待。それとともにこの母親がこれからどう変わっていくのか。

 ただし、「ただの親離れ、子離れの話だと思ったら大間違い」などとも同局の他番組で宣伝していたんですよね。ほう、それはいったいどういうことなの? と、さらに期待しています。

〈TEXT/林らいみ〉

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