レトルトカレー“まるで手作り”の5選。箱で見分ける意外なコツとは?

レトルトカレー“まるで手作り”の5選。箱で見分ける意外なコツとは?

mandara(マンダラ) バターチキンカレーの中身(Amazon参考画像より)



 レトルトカレーはいったいどれがおいしいのでしょう? ランキングのブログページも多数あって、レトルトカレー25選とか、多いものになると40選とかもあり、その種類の豊富さに驚きます。

 個性的なスーパー「北野エース」の、本棚のようなレトルトカレー売り場「カレーなる本棚」は、果物を使ったカレーや北海道から沖縄までのご当地カレーなど実に300種類!を取り揃えているそうです。

 まさしく、レトルトカレー、ビッグバン状態です。

 さまざまなカフェにカレーレシピを提供してきたカレー屋のはしくれである私としては、おいしい・おいしくないの感覚的なランキングではなくて、レトルトカレーには何が求められているのかを考えつつ、選び方の極意を示してみたいとおもいます。

◆食べまくって発見した、レトルトっぽくないカレーはコレ

 レトルトカレーの最大の褒め言葉は「レトルトっぽくない!」なんだろうと。風味が豊かでチープでなく、肉がパサついていなくてちゃんと味がある、その場で手作りしたような感じをよしとする。そういう基準で考えます。

 ですが、これが少ない。レトルトカレーの多くは「レトルトカレーの味」にとどまってしまいます。

 そんな中で、私が選ぶ、レトルトっぽくないレトルトカレーは次の4品(価格は税込、ショップによって販売価格が違う場合があります)。

1)噂の名店シリーズ「mandara(マンダラ) バターチキンカレー」(ヱスビー食品、200g・339円)

2)サムラート「バターチキンカレー」(スニタトレーディングSTC、540円)

3)新宿中村屋「インドカリー スパイシーチキン」(中村屋、200g・356円)

4)肉のハナマサ「マッサマンカレー」(花正、450g・375円)

◆共通点は、裏に「小麦粉」表示がない!

 私はそれこそ何十年もレトルトカレーをあれやこれや食べて、裏の原材料表示をチェックしてきたのですが、上記のような手作り味を実現しているものの裏を見てみると同じ傾向があることを発見したのです。レトルトっぽくないものはすべて、「小麦粉」表示がない。

 アレルギー表示義務の「小麦」はほとんどのものに入っているのですが、「小麦粉」は入っていたり入っていなかったりします。

 欧風ビーフ系はぽってりしてないといけないので、どうしても小麦粉を入れないとならないのかもしれませんが、インドカレーのバターチキン系には手作り感のある、私の感覚的にはとてもおいしいと感じるものがあって、それらにはことごとく小麦粉が入っていません。

 もうひとつ、定価600円という値段なので番外編として、カレー店「もうやんカレー」のレトルトも紹介しておきます。お店の味に限りなく近い、なかなかの出来栄えのレトルトです。欧風でありながら、小麦粉を使っていないものです。

5)「もうやんカレー」(ビーフ200g・600円)

 小麦粉が入っていないとおいしいのは、タイカレー系やパスタソースも同様です。いまや一世風靡する勢いのパスタソース「青の洞窟」シリーズにはまったく小麦粉が入っておらず、黙って出されたら手作りと思い違いするかもしれないくらい、いけてます。

◆レトルトっぽいカレーでも、おいしいものも

 案外しかし、小麦粉を使ったレトルト味のレトルトカレーには根強いファンもいるのでしょう。「ボンカレー」は実に50年選手(レトルトの市販は当時世界初)、「ククレカレー」も「カレーマルシェ」も「カレー曜日」も「LEE」もブランドとして消えていませんし、新味も出てきたりして元気です。

 かくいう私もそんなに嫌いじゃなくて、そのままでも食べますし、茹で卵とマヨネーズをトッピングしたり、コチジャンを入れてアレンジしてみたりして、おいしく食べます。

 小麦粉入りのほうも、これはなかなかと思えるものを2品、紹介しておきます。

●「銀座カリー」(明治、180g・200円前後)

●噂の名店「珊瑚礁 湘南ドライカレー」(ヱスビー食品、150g・339円)

◆お店とレトルトで味が違う理由

 さて、おいしいレトルトカレーを作るのは、なぜかくも難しいのか? 某有名カレーメーカーにも聞いてみたことがあります。

 レトルトカレーは見た目からは考えられないくらい繊細なもので、高圧をかけて120度以上の殺菌をすると、その前と後では味が変わるのだそうです。加圧加熱殺菌前にどんなにおいしくても、そのあとにガクッと味が落ちたりする。

 逆に、殺菌前はさして特長のない味だったのに、加圧加熱殺菌しても味が変わらず、維持できている場合もある。窯で焼いてみないと出色やひびの具合がわからない陶芸みたいなものですね。

 これこれこういうレシピはどうかという個人やお店からの問い合わせがけっこうあるそうですが、極端なことをいうと殺菌前の味うんぬんよりも、この加圧加熱殺菌の変化に耐えられる食材をどう発見しておくか、それらでどう構成するか、この基礎実験の経験値がはるかに大事なのだそうです。

<TEXT/畑井貴晶>

【畑井貴晶】

フードクリエイター、マーケティングコンサルタント。白金のカフェ&ダイニングバー「blanc noir」、みなとみらい「Audi Cafe by blanc noir」をプロデュース。現在、新橋「炭火焼肉有田牛」料理長、茅ヶ崎駅ビル「アロハストリートカフェ」のフードコーディネーターなどを務めているが、元々はマーケティング業界に籍を置いていた。著書『大人のマーケティング』(古本のみ)。

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