85歳のチアリーダー!「何歳からでも人生は楽しくできるのよ」

85歳のチアリーダー!「何歳からでも人生は楽しくできるのよ」

センターでポーズを決める滝野さん(USA Regionals 2016 にて)



 今、シニアの人生訓をまとめた本が人気を集めています。とかく、このテの本は穏やかにつつましく生きることを説くものが多いのですが、このたび刊行された『85歳のチアリーダー』は少々、趣きが違います。

 著者の滝野文恵さんは、日本最高齢のシニアチアダンスチーム「ジャパンポンポン」(平均年齢、なんと71歳!)のリーダー。本には「老人」「女性」「妻」「母」といった枠に縛られず、やりたいことをやって人生楽しみなさいというメッセージが綴られています。

 お肉とコカ・コーラが大好きだという滝野さん。姿勢は美しく、肌はプルプルでお化粧のノリもよし。ミニスカートの衣装に身をまとい、華麗にステップを踏み、ターンを決める姿は、とても85歳と思えません。

 元気と笑顔の秘訣を滝野さんに聞いてみました!

◆52歳で、夫と子どもを残して家出

――「ジャパンポンポン」は滝野さんが63歳のときに結成したそうですね。まずは、その経緯から聞かせてください。

滝野:アメリカに平均年齢74歳のチアリーダーグループがあることを知って、すごく驚いてしまったんですね。シニアでもチアができるんだっていうこともなんだけど、むしろ、それに驚いている自分にびっくりしてしまって。

 実は私、52歳のときに夫と子どもを残して家出をしまして(笑)、その翌年、アメリカの大学院に留学をしているんです。「いくつになっても、なんでもできる」、そう思ってやってきたつもりなのに、チアは若者のもので、年寄りがやるものじゃないって思い込んでいた自分に気づいたんです。

 だったら、やってやろう! と、友だちを誘って「ジャパンポンポン」を作ったんです。

――すごい行動力です。

滝野:後先考えずなんですよ。思慮がないというか。本にも書きましたが、私の人生、「やってみたら、なんとかなった」っていうことばかりなんです(笑)。

◆誰もあなたを幸せにしてはくれない

――「こんなことしたら、どう思われるだろうか?」とか考えないんですか?

滝野:私たちの世代はとくに、“世間”の目を気にしがちですけど、今も変わらないんですね。

 確かに、目立つこと、変わったことをすれば人はいろいろ言ってくるし、人と足並みを揃えて迎合しながら生きていたほうがラク。でも、それって人の評価ばかりを気にする「よく思われたい病」でもあるんですよね。

 でもね、自分が思っているほど、人は他人のことなんて気にしてないんですよ。とやかく言うだけで(笑)。

――そうは言っても、アラサーも過ぎて、もう年だし、無茶もなかなかできません…。

滝野:それ! その「もう年だから」がよくない。たかだか30年40年生きたくらいで「年だから」って(笑)。

「年だから」だけじゃなくて、「仕事があるから」「時間がないから」「彼が嫌がるから」といったフレーズって、結局、言いわけなんじゃないかしら。一歩踏み出せない自分を正当化できる。私も昔はそうだったからわかります。

 でも、誰もあなたのことは幸せにはしてくれないんです。自分を幸せにする、楽しくさせるのは自分なんですよ。



◆優しいだけの男は絶対によくない

――今ドキの若い世代は滝野さんには、どう見えていますか?

滝野:テレビなどを見ていると、今の若い子は海外旅行もしないし、留学もしない、運転免許もとらないそうですね。中国人は世界各地へ留学して出て来ているのに、日本人は小さな島の中に入り込んじゃって、この国は滅びちゃうんじゃないかしらと心配になります。

 確かに景気はよくはないし、テレビをつければ先々、不安になるニュースばかり。でも、「男はかくあるべき」「女はかくあるべき」「家を守って」といった古くさい規範はなくなっていて、その意味では決して悪いだけの社会じゃないと思うんです。世をはかなんで、今から老後の心配をするのはもったいないですよ。

――でも、おひとりさまの老後とかを考えると心配になります。

滝野:私も、おひとりさま(笑)。家出した身なので、結婚はいいものだ! と言いにくいところもあるけれど、今、未婚の人が増えていると聞くと、男の子がだらしないのかな、と思います。男の子たちが勇気を出してアタックすれば、けっこうな確率でカップルが生まれるんじゃないかしら。

 女の子のほうも「理想の男性は優しい人」なんて甘えてちゃダメだと思います。優しいだけじゃ、食べてはいけません。強くて優しいならいいけれど、優しいだけの男は絶対によくない。

<TEXT/鈴木靖子>

【滝野文恵/たきの・ふみえ】1932(昭和7)年、広島県福山市生まれ。関西学院大学を卒業後、1年間、アメリカへ留学。25歳で結婚。1男1女をもうける。53歳でアメリカ・ノーステキサス大学へ留学し、56歳で老年学修士号を取得。

帰国後、63歳でシニアチアダンスチーム「ジャパンポンポン」を設立。平均年齢71歳、24人のグループ内の最年長で、現在もステージに立つ。

ジャパンポンポン⇒http://japanpompom.com/

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