窪塚洋介「実はヤベーなと思ってた」。ハリウッド後初の邦画出演を語る

窪塚洋介「実はヤベーなと思ってた」。ハリウッド後初の邦画出演を語る

窪塚洋介さん



 窪塚洋介さんが、Dragon Ash の降谷建志さんとW主演を務めた『アリーキャット』が全国順次公開中です。

 元ボクサーという設定ではあるものの、個性的なキャラクターではなく、抑えた演技で新たな空気感を出している窪塚さんにインタビュー。ミュージシャンとしての活動も続け、俳優としては、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙 -サイレンス-』でハリウッドデビューも果たした窪塚さんの言葉から、そのスタンスが伝わってきました。

◆出演を決めた一番の理由は降谷建志

――降谷さんと組まれた、独特なニオイのする作品ですね。

窪塚:出演を決めた一番大きな理由は、降谷建志というひとりの男の存在です。バディもので、相手がKj(降谷)かぁ、ワクワクするなと。それから台本を読ませていただいて、いい感じにいなたくて、ラフでタフで、なんだかちょっと昭和のニオイのするような設定が、逆に俺らがやったら楽しくなるんじゃないかと感じました。

 もともと俳優の榊(英雄)監督も、すごく男くさくて、作品の空気感を体現しているような人だし、ほかにも魅力的な役者さんが出てくれましたしね。2週間という短い撮影期間でしたが、思い出して、ちょっと胸アツになるような時間でした。

――今回演じられたマルは、特に突飛な個性があるわけではない役です。逆に難しくはなかったですか?

窪塚:ちゃちな言い方になりますけど、普段は肉付けをして盛ってやっているほうなんです。自分自身の個性に盛る。でも今回は受けるほうだったので、抑えていった。いい意味で自分の個性を削ったり殺したりというアプローチ。入る前から、次の作品には、直観でそういうことをする必要があると思っていたんです。

 久しぶりの主演でもあるし、脇で好きなことをやっているみたいなことをするのではなくて、真逆のことをやってバランスを取るというか。自分のキャリアとして。

――そういうことは、俯瞰的に意識されるものなんですか?

窪塚:考えますよ。縁も運もあるので、叶うか叶わないかは別ですが。今回の役は新鮮でした。マルの思いをどうしても追体験する、マルの人生を生きることになるので、自分らしくない役ほど、チャンスがなければ体験できないし、すごく楽しかったですね。

◆可能性の幅を無限にするために準備中

――前作の『沈黙 -サイレンス-』を経て、窪塚さんご自身、ネクストステージに上がったと発言されていました。

窪塚:『〜サイレンス』を撮っているときに、実はヤベーなと思ってたんです。日本に戻って、日本の作品をやったら物足りないとか思っちゃうんじゃないかって。それはマズイなって。それで舞台をやったんです。豊田(利晃)さんの(『怪獣の教え』)。

 そのワンクッションがすごくよかった。ニュートラルなところに一度戻ってから映画に臨めたので、この作品の真価を見据えることができたと思うし、余計な心配やプライドといったものを現場に持ち込まずに済んだんです。

 でもまぁ、この作品に携わったみんなの熱が凄かったので、余計なものがあったとしても、溶かされちゃったとは思いますけど、でも作品のチョイスとしていい順番だったなと思っています。

――俳優・窪塚洋介は、今後どういう役者になっていくのでしょう。

窪塚:自分としてはやっぱり基盤は日本だと思っています。でも今決まっているのは全部外国の作品。まぁ、全ての仕事で、フルスイングでホームランを打てるようにしておけばいいかなと。そういう現状でもあるので、今は英会話をやったりジムに通ったりして、未来を見据えてもっともっと自分のできること、可能性の幅を無限にするために準備をしている感じです。

◆ダサいことだったら、ダサいことにならないように変えればいい

――海外の作品が続きますが、また近いうちに日本の作品に出演されますよね?

窪塚:おもしろいと思える作品であればね。二つ返事で決めたことは一度もないので。この監督から頼まれたから、当然やってくれるよね? みたいなノリで来ても、まぁ、まずは台本を読んでからというのは必ず言ってきたことなので。そこはこれからもそうして行きたいと思っています。

――年齢もキャリアも重ねてきて、ひとりの男としてどうなっていきたいですか?

窪塚:まあ、このまんまというか。ひとりの男として、ひとりの役者として、ひとりのレゲエDJとして、ひとりの父親として、昔やったドラマのセリフになっちゃいますが、「悪いことすんなって言ってんじゃないの。ダサいことすんなって言ってるの」って(「池袋ウエストゲートパーク」)。すごく好きな言葉で。

 もしダサいことだったら、ダサいことにならないように自分で変えればいい。自分に対しても、仲間に対しても、いろんなシーンに対しても、そういうスタンスでいたいです。

<TEXT&PHOTO/望月ふみ>

『アリーキャット』は全国順次公開中

配給:アークエンタテインメント

(C) 2017「アリーキャット」製作委員会

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