バナナダイエットと低炭水化物ダイエット、正しいのはどっち?流行りの方法を医師が採点

バナナダイエットと低炭水化物ダイエット、正しいのはどっち?流行りの方法を医師が採点

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 毎年、流行のように現れては消えていくダイエット法。

『話題のダイエットを格付けしたら…』では24種類のダイエットを点数で評価し、ぶった斬っています。著者は医学博士の岡田正彦氏(新潟大学教授)。

 岡田氏は30年ほど前から肥満を研究し、その研究結果である『人はなぜ太るのか―肥満を科学する』(岩波新書)を10年ほど前に上梓しました。今回の『話題のダイエットを〜』も、世界中の医学論文をもとにした、科学的に格付けをしたといいます。

 格付けは10点満点(最高に優れている=10点、試みる価値があり=6点以上、やらないほうがまし=5点以下、最低にダメなもの=1点)。

 ネタバレにならない範囲で、少しだけ紹介しましょう。

◆低炭水化物ダイエットは3点、長期間やっちゃダメ

 まず筆頭に上がったのが、安全で効果がありそうな低炭水化物ダイエット。お米やパンや麺類を食べる量を減らす低炭水化物ダイエットは「短期的に痩せる効果が高い」と岡田氏。

 ちなみにこれは「短期間の実施に限って許される」の注釈付き。なぜなら「低炭水化物ダイエットを長期間続けると『総死亡』が1.3倍も高くなる」という事実が判明したからです。

 総死亡とは調査期間中に死亡した人の総数、あるいはその割合をカウントしたもの。結論として低炭水化物ダイエットは気軽にやってはならない。格付けは3点。「やらないほうがまし」な評価になりました。

 ショッキングな判定から始まりますが、ガッカリするのはまだ早いです。中には高得点のダイエットも。

◆バナナダイエットは7点、グルテンフリーダイエットは?

 芸能人も実践していたという「バナナダイエット」の格付けは7点。バナナは栄養豊富で、炭水化物の組織もでんぷん、果糖、ブドウ糖が5gずつとバランスが良いのです。しかしたんぱく質と脂肪はわずかなので、3食のうち1食だけをバナナに置き換えるなど、無理のないやり方で7点と考えるべき。

 お次は海外セレブの間で話題になった「小麦抜き(グルテンフリー)ダイエット」。

 小麦の成分は炭水化物が75%ほどで、中心はでんぷんです。次に多く含まれているのはたんぱく質ですが、大部分は水を加えて練っていく過程でグルテンに変わります。

 グルテンフリーと表記されていても、炭水化物は除かれていないのです。ここが落とし穴! しかも小麦でできている食品は相当数あり、完全に排除するのはかなり難しいでしょう。

「パスタを茹でた鍋にも微量なグルテンが付着するため、調理器具なども別にしなければならない」と岡田氏。手軽そうでいて実は手強い「小麦抜き(グルテンフリー)ダイエット」。点数は、同書を見てください。

◆ブームが定着した「酵素ダイエット」は「最低にダメ」な1点

 他、食べたものとその量を記録する「レコーディングダイエット」の格付けは7点。理由は「自分が普段食べているものを総点検できる。書くだけなら健康に害はない」。

 そのほか、「酵素ダイエット」や「ふくらはぎ(もみ)ダイエット」は、まさかの1点で「最低にダメ」評価。

 「カーヴィーダンス」「モムチャンダイエット」のような運動系も取り上げられています。

 やはり楽して痩せる道はないのでしょうか。

◆「科学的に正しいダイエット」は、やっぱり地味だった…

 最終章に岡田氏が勧める「科学的に正しいダイエット」が載っています。地味でオーソドックスなダイエットだろうな、と予測したらまさにその通り。

 具体的には同書を見てほしいですが、要するに「筋トレなどの適度な運動と、バランスのいい食生活」。科学的って言うから最新トレーニングとかを期待しちゃいました。ダイエットも原点が大事なんですね。

 食品選びも「たんぱく質、炭水化物、脂肪の三大栄養素のバランスを絶対に崩さないこと」が第一条件。絶対に崩さないこと!ってアンタ、これができてれば太らないですよ。なんて愚痴っているから痩せないんですよね。

 本書を読むと、イベント的なダイエットがいかに無駄かわかります。そしてダイエットに近道はないということも。

 同書を読むと、短期決戦ダイエットなどはヤル気がなくなっちゃいました…。ダイエットは、すなわち生活の立て直し、という基本を痛感させられる一冊です。

<TEXT/森美樹>

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