美村里江、改名から2年「私自身はとても馴染みました(笑)」

美村里江、改名から2年「私自身はとても馴染みました(笑)」

美村里江さん

話題を集めたドラマ『MIU404』のゲスト出演でも、深い印象を残した美村里江さん。現在、出演作の映画『空に住む』が公開中です。孤独を抱えたヒロイン・直実と、彼女を取り巻く人々の揺れを見つめた多部未華子さんの主演作です。

 何不自由のない暮らしにありながら、どこか満たされない、直実の叔母・明日子を演じた美村さんに、本作のことはもちろん、ご自身についても直撃。ミムラから美村里江への改名から2年経った今の心境や、コロナ禍でハマった意外なエンタメのお話などを伺いました。

◆ぜひ明日子を反面教師に

――明日子は美村さんご自身からは遠いタイプの女性だと伺いました。そうした女性を演じてみて、発見はありましたか?

美村里江(以下、美村)「役者をやっていて面白いなと思うのは、自分と全く違う人生、過去、思想を持っている人にも本当に色々あるんだなと感じられることです。今回の明日子については、ぱっと見幸せに見えるけれど、どこか空洞のような女性で、さらに自分が正しい、良い人と思っているところがある。そんな明日子の着ぐるみに入ってみて、『こんな居心地の悪さがあるんだな』と感じることができました。

 明日子はまだこじらせてはいませんが、暴走するとまずいだろうと思います。でも直実がいてくれたことで、自分の内面に気づかされた部分が絶対に出てきていると思いますね」

――本作を鑑賞しようと思う人にどんなメッセージを送りたいですか。

美村「ぜひ明日子を反面教師にしていただきたいです。彼女は、自分の頭の中に自分で不幸を作り出して囚われてしまっている。でもこれって、実は結構多いことだと思うんです。隣の隣の隣の芝生まで見える時代ですから(苦笑)。色々と比べてしまう。でも幸せの形というのは、絶対に決まっていない。多様化した社会のなかで、悩みも多いと思いますが、自分にとっての本当の幸せを1つでも見つけられれば、進んでいける。そうしたことを考えてもらえたら嬉しいです」

◆今までの自分にOKを出せた

――何回か取材させていただいていますが、凛とした印象と透明感に加えて、以前よりも柔らかなオーラを感じます。

美村「今回のコロナ禍って、それ以前とそれ以後とに1個仕切りができたと思うんです。私も撮影が止まったり、なくなったりして大変なことはそれなりにありましたが、改めて以前を振り返ってみて、役者としてとても恵まれた人生を歩めてきたかなと思えました。

 自分の立ち位置に迷って2年間休業したこともありましたが、そこから戻ってきて、自分のやりたかったちゃんとした脇も任せてもらえるようになった。好きな執筆もさせていただいている。すごく幸せな人生を歩んでこれたことを実感して、今までの自分にOKを出せたんです。そうしたら、なんだか晴れ晴れしちゃって。この先どうなったとしても大丈夫だと思えるようになりました」

◆「美村里江」として変換エネルギーがいらなくなった

――お名前を「美村里江」さんにされてから2年が経ちます。改名時、大河ドラマ『西郷どん』出演がきっかけだったと同時に、「公私の自分を近づけたい」とお話されていました。馴染んできましたか?

美村「世間的な認知度はまだまだかと思いますが、私自身はとても馴染みました(笑)。エネルギーの供給が、前よりも上手くいっている気がします。どこかダクトみたいに隔てつつ繋がっていたものが、里江の名前が入って、私自身として完全にくっついたので、変換エネルギーがいらなくなりました」

――公私をバッサリ分けたい人もいると思いますが。

美村「私もそっち派だったんです。意固地にさえなっていた。でも先ほどの話じゃありませんが、どこか自分にOKを出せるようになって、分けていたものがくっついた今のほうが、より安定している気がします」

◆コロナ禍にハマったのは意外なアーティスト

――先ほども少しコロナ禍のお話が出ましたが、自粛期間中に、新しく出会ったエンタメはありましたか?

美村「マイケル・ジャクソンにハマりました」

――マイケル・ジャクソン!? 本や映画の名前が出るのかと思いました。

美村「(笑)。彼のことはもちろん知っていましたが、改めてライブのDVDまで買って観て、『こんなすごい人がもういないんだ』とショックを受けました。夫は昔マイケルの日本公演を観に行ったりしてるのですが、今回、改めて夫婦でハマりました(笑)。

 今まで全然触れてこなかったカテゴリーなんですけど、すごく楽しかったです。私も5年間ボイストレーニングに通ったりしていて、だからより彼の声の扱いの緻密さも少し分かって、その凄さに何回も鳥肌が立ちました。読書や映画鑑賞も平常通り続けましたが、これは自粛期間ならではと言いますか、いい機会でしたね」

(C) 2020 HIGH BROW CINEMA

<文・写真/望月ふみ>

ヘアメイク・小森真樹(337inc.)/スタイリスト・小倉由香(コミューン)

【望月ふみ】

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。

関連記事(外部サイト)